FXウィークリー・レポート (PDF/569KB);pdf

2015/
FXウィークリー
3/23
投資情報部
FX ストラテジスト
金岡 直一
ドル円は120円台を中心としたもみ合いを予想
(先週のレビュー)
ドル円はFOMC後に
121円近辺から119円
台まで急落した後、週
後半にかけて買い戻
される
先週のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)後にドル売りが加速したが、週
後半にかけて買い戻された。3/16~17のドル円はFOMC待ちで様子見ムードが強
まるなか、121.30円前後の狭いレンジ内で推移。3/18(水)のFOMCでは「金融政策
の正常化(利上げ)を始めるまで忍耐強くなれる」の表現が大方の予想通り声明文か
ら削除された。一方、米連邦準備理事会(FRB)が公表した経済見通しで成長率や
物価見通しが前回(昨年12月)から下方修正されたうえ、FOMCメンバーが予想する
2015年末の政策金利の水準が前回から低下する等、全般的にハト派的な内容とな
ると市場では早期利上げ観測が後退、米長期金利の急低下にともないドル円も121
円近辺から119.29円へと急落した。しかし、3/19(木)にかけてドル売りは一巡、米長
期金利の上昇につれてドルを買い戻す動きが強まり、ドル円は121円台を回復し
た。しかし、3/20(金)は再びFRBによる早期利上げ観測の後退から米長期金利が低
下したことを受けてドルが徐々に下値を切り下げ、120円近辺で週の取引を終えた。
ユーロドルはFOMC後のドル売りで1ユーロ=1.06ドル台前半から1.105ドルまで急
騰。その後、ドルが買い戻されると再び1.06ドル台へと軟化したが、ギリシャが金融
支援の条件である経済改革案を数日中にEUに提出する方針と伝わり欧州株が上
昇すると週末に1.08ドル台まで反発した。
その他通貨では、ブラジルレアルが一段安。中銀総裁が為替介入プログラムの縮
小あるいは中止の可能性を示唆したほか、政府高官がレアル安を容認する見解を
述べたことが売り材料視された。週後半には一時1ドル=3.3レアル台に乗せた。
主要通貨の対ドルレート騰落率
(2015/3/13→2015/3/20)
南アランド
主要通貨の対円レート騰落率
(2015/3/13→2015/3/20)
南アランド
3.83
NZドル
3.16
NZドル
スイスフラン
3.12
スイスフラン
ユーロ
トルコリラ
豪ドル
1.81
円
(%)
ブラジルレアル
米ドル
2.00
3.00
4.00
0.67
英ポンド
1.13
1.00
0.70
豪ドル
ド
ド
ル↓↑ル
高
安
0.55
0.00
1.40
カナダドル
1.39
ブラジルレアル
1.94
1.71
トルコリラ
2.55
1.84
英ポンド
1.96
メキシコペソ
2.87
カナダドル
円
円
↓↑
高
安
ユーロ
3.10
メキシコペソ
2.67
2.01
5.00
(%)
▲ 2.00
0.25
▲ 0.57
▲ 1.12
▲ 1.00
0.00
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
1.00
2.00
3.00
2015/3/23
FXウィークリー
2014/19/18
(今週の見通し)
FOMC後の米長期金
利の落ち着き所や株
価動向をにらみ、ドル
円は120円台を中心に
もみ合う展開を想定
今週のドル円は、FOMC後の米長期金利の落ち着き所や株価の動向をにらみ、
120円台を中心にもみ合う展開を想定。週内に発表される主要指標やFRB高官発
言を注視しつつ、引き続き最初の利上げ時期を見極める動きが続こう。
今週、国内では、3/27(金)に2月の全国消費者物価(CPI)の発表が予定されてい
る。1月の生鮮食品を除くコアCPIは消費増税の影響を差し引くと前年比+0.2%まで
伸びが鈍化しており、日銀が2013年に掲げた物価目標(2年で同+2%)の達成には
遠い。足元で再び原油相場が軟調に推移するなか、今春にもコアCPIが前年比マイ
ナスに落ち込む可能性を日銀自身も認識しているが、需給ギャップや期待インフレ
率等も含め総合的に物価の基調を判断すれば今のところ対応(追加緩和)の必要
はないとのスタンスを示している。ただ、4/4で日銀が量的・質的金融緩和を導入し
て2年を迎えることもあり、4/30の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の公表に
向けて、金融市場で追加緩和の思惑が再び強まる可能性には留意したい。
欧米では、3/23(月)に米2月中古住宅販売件数、3/24(火)にユーロ圏3月製造
業PMI、米2月消費者物価と同新築住宅販売件数、3/25(水)に独3月IFO企業景況
感指数と米2月耐久財受注、3/27(金)に米2014年10-12月期GDP確報値と3月ミシ
ガン大学消費者信頼感指数(確報値)等の発表が予定されている。最近発表された
米経済指標は雇用関連を除いて予想を下回るものが増えている。今冬の寒波の影
響を考慮しても、景況感の改善傾向に一服感がみられることもあり、今週は主要指
標の発表を受けた株価や金利の反応に注目したい。また、3/18のFOMC後のイエ
レンFRB議長の会見でドル高は米経済の強さを一部反映しているものの、輸出の伸
び鈍化やインフレの押し下げにつながっている点に言及した点が当日のドル売り材
料視されたとの指摘もある。3/27(金)の同議長の講演をはじめ、週内に予定されて
いる複数のFRB高官の講演での発言にも一定の関心が向かうとみられる。
資源国・新興国関連では、3/24(火)に中国3月HSBC製造業PMI、3/24~26に南
アフリカ準備銀行(中銀)金融政策委員会、3/26(木)にメキシコ中銀金融政策委員
会、3/27(金)にブラジルの14年10-12月期GDPの発表が予定されている。資源国・
新興国通貨は全般的な景気の悪化や米利上げ観測から下落基調が続いているだ
けに、先行きの景気見通しや金融政策の変更に関する思惑等に留意したい。
主要通貨の対ドルレート推移
(日次:2013/12/31~2015/3/20)
2013/12/31=100
110
106
102
98
94
90
86
82
78
ドル安
↑
↓
ドル高
円
トルコリラ
メキシコペソ
74
70
13/12/31
14/3/25
14/6/17
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
ユーロ
豪ドル
南アランド
14/9/9
英ポンド
NZドル
ブラジルレアル
14/12/2
15/2/24
(年/月/日)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
2
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
2015/3/23
FXウィークリー
2014/19/18
IMM通貨先物ポジション動向(2015年3月17日時点)
≪主なポジション動向≫
○円のネットショートは3週間ぶりに縮小
○ユーロのネットショートは2週連続で増加
○豪ドルのネットショートは大幅縮小
○主要8通貨に対するドルの買い越し額は2週間ぶりに縮小
IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2015/3/17)
円(JPY)
(兆円)
1.0
JPY LONG
85
0.0
95
(1973/3=100)
105
600
USD LONG
500
0.5
米ドル(USD)
(億ドル)
(1ドル=円)
75
100
400
300
95
200
▲ 0.5
105
▲ 1.0
115
90
100
0
JPY SHORT
▲ 1.5
▲ 300
ドル円為替レート(右逆目盛)
12/1
12/7
USD SHORT
▲ 400
13/1
13/7
14/1
14/7
75
ドル合成ポジション(金額、左目盛)
ドル指数(右目盛)
135
11/7
80
▲ 200
125
ネットポジション(金額、左目盛)
▲ 2.0
11/1
85
▲ 100
▲ 500
11/1
15/1
(年/月)
70
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
(年/月)
ユーロ(EUR)
(億ユーロ)
200
EUR LONG
150
豪ドル(AUD)
(億豪ドル)
(1ユーロ=ドル)
1.60
ネットポジション(金額、左目盛)
ユーロドル為替レート(右目盛)
(1豪ドル=ドル)
150
1.10
AUD LONG
1.50
100
1.05
100
50
1.00
1.40
0
50
▲ 50
0.95
1.30
▲ 100
0.90
0
1.20
▲ 150
0.85
▲ 200
EUR SHORT
▲ 50
1.10
AUD SHORT
▲ 250
0.80
ネットポジション(金額、左目盛)
▲ 300
11/1
1.00
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
▲ 100
11/1
15/1
豪ドル米ドル為替レート(右目盛)
11/7
12/1
12/7
13/1
0.75
13/7
14/1
(年/月)
14/7
15/1
(年/月)
(注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。
米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
2015/3/17現在のポジション(ドルベース)
対前週比
(億ドル)
(億ドル)
50
500
LONG
40
LONG
400
30
300
20
200
10
0
100
▲ 10
0
▲ 20
▲ 100
▲ 30
▲ 200
▲ 40
SHORT
▲ 300
SHORT
▲ 50
ユーロ
英ポンド
豪ドル
NZドル
スイスフラン
カナダドル
メキシコペソ
円
米ドル
ユーロ
英ポンド
豪ドル
NZドル
スイスフラン
カナダドル
メキシコペソ
円
米ドル
(注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
3
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
2015/3/23
FXウィークリー
2014/19/18
(1ドル=円)
ドル円 一目均衡表 (日次:2014/6/12~2015/3/20)
(1ドル=円)
123
123
121
121
119
119
117
117
115
115
113
113
111
111
109
109
107
107
105
105
103
103
101
101
2014/07
転換線
2014/09
基準線
2014/11
先行スパン1
2015/01
2015/02
先行スパン2
遅行スパン
2015/04
(年/月)
出所:各種資料よりみずほ証券作成
(1ユーロ=ドル)
ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/6/12~2015/3/20)
(1ユーロ=ドル)
1.40
1.40
1.35
1.35
1.30
1.30
1.25
1.25
1.20
1.20
1.15
1.15
1.10
1.10
1.05
1.05
1.00
1.00
2014/07
転換線
2014/09
基準線
2014/11
先行スパン1
2015/01
先行スパン2
2015/02
遅行スパン
2015/04
(年/月)
出所:各種資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
4
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
2015/3/23
FXウィークリー
2014/19/18
金融商品取引法に係る重要事項
 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定
の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費
用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入
対価のみをお支払いいただきます。
 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ
ります。
 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの
遅滞・不履行が生じるおそれがあります。
 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を
ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況
によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。
 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や
目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-150323-12
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
5
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する