基本小動きを想定、米指標・ギリシャ動向に注意 - みずほ証券

2014 年 12 月 22 日
FX ウィークリー・レポート
投資情報部
基本小動きを想定、米指標・ギリシャ動向に注意
(先週のレビュー)FOMC 後にリスク回避を巻き戻す動きが強まる
FX ストラテジスト
鈴木
健吾
由井
謙二
週初のドル円は、12/14(日)の本邦衆院選の結果を受けて早朝時間に 119
円台に乗せたが、ドル買いの勢いは続かず次第に上値が重くなった。また、
産油国の要人が減産に否定的な見解を示すと原油価格が一段安。連れてロシ
アルーブルが急落すると市場のリスクオフが強まり、ドル円は 117 円台半ば
まで下落した。12/16(火)はロシア中銀が緊急利上げを実施したがルーブ
ルは下げ止まらず市場のリスクオフが加速、ドル円は一時 115.57 円まで急
落した後、市場全般が徐々に落ち着きを取り戻すなか 117 円台まで持ち直し
た。12/17(水)、注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では声明で事実
上のゼロ金利政策を続ける時間軸を示す文言が「辛抱強くなりうる」と修正
される一方で、この文言は「相当な期間」と同意であるとされた。市場では
米連邦準備理事会(FRB)は 2015 年の利上げに向けたシグナルを送る一方、
市場にも一定の配慮を示したことを好感。米株高・米金利上昇で反応しドル
円も 118 円台後半へ上昇した。週末にかけてもリスクオフを巻き戻す動きを
背景に、119.63 円まで値を上げた。
ユーロドルは予想を上回る独景況感指数を受けて 12/16 に 1.25 ドルを回
復。その後、リスク回避姿勢が強まる局面で米長期金利の低下に伴うドル売
りから一時 1.2570 ドルまで上昇した。しかし 12/17、クーレ欧州中央銀行
(ECB)理事が追加緩和に前向きな見解を示したことや、FOMC 後のドル買い
の強まりから 1.23 ドル台に急反落。週末にかけてもドル買い地合いが継続
し一時 1.2221 ドルまで下落し、年初来安値を更新した。その他、スイス中
銀がマイナス金利の導入を発表したことを受けてスイスフランが下落した。
主要通貨の対ドルレート騰落率
( 2014/12/12→2014/12/19)
主要通貨の対円レート騰落率
( 2014/12/12→2014/12/19)
1.13
メキシコペソ
カナダドル
0.08
ブラジルレアル
南アランド
▲ 0.16
米ドル
▲ 0.20
カナダドル
▲ 0.22
NZドル
1.77
メキシコペソ
円
高
0.71
↑
↓
南アランド
ド
ル
安
↑
↓
ド
ル
高
円
安
0.63
0.47
ブラジルレアル
0.43
▲ 0.57
NZドル
0.41
トルコリラ
▲ 0.60
英ポンド
円
▲ 0.63
トルコリラ
英ポンド
豪ドル
▲ 1.42
ユーロ
▲ 1.87
▲ 2.08
(%)
▲ 3.00
▲ 2.00
0.06
0.03
▲ 0.80
豪ドル
スイスフラン
▲ 1.00
ユーロ
FX ストラテジスト
鈴木 健吾
五十嵐 聡
金岡 直一
由井 謙二
▲ 1.25
スイスフラン ▲ 1.46
0.00
1.00
2.00
(%)
▲ 2.00
▲ 1.00
0.00
1.00
2.00
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
※この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定
はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したもので
はありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随時変更することがあります。最終
ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
FX Weekly
(今週の見通し)基本小動きを想定、悪材料に注意
12/23 の本邦祝日(天皇誕生日)から週後半にはクリスマス、そして来週は
年末年始を控えるなか市場は参加者も動意も乏しい状況となり、ドル円も明
確な方向感は見出しづらい展開がメインシナリオ。
このような状況となると、好材料に対する反応は限定的となりやすい反面、
突発的な悪材料に対しては参加者が少ないだけに大きな変動が出る可能性
に要注意。特に、直近激しい値動きをみせた原油価格やロシアルーブルの動
向には注意を払いたい。材料としては、ギリシャの大統領選挙を巡るリスク
の高まりや楽観的な見方の強い米経済指標の大幅悪化等が要注意。
予定されているイベントとしては、週前半に米指標の発表が比較的多い。
23 日(火)の米 7-9 月期 GDP は 2 次速報の前年比年率+3.9%から同+4.3%程度へ
の上方修正が予想されているほか、同日発表される 11 月耐久財受注も 10 月
の前月比+0.3%から同+3.0%への加速が予想されている。先週の FOMC の結果
を含め、米国景気に対する強気の見方が台頭しつつあるなか、ある程度強い
内容は織り込み済みの反応となる可能性が高いとみている。
また、欧州では 23 日(火)に第 2 回ギリシャ大統領選が行われる。最右翼
は連立与党が推すディマス氏だが、17 日(水)におこなわれた第 1 回目の投票
では 160 票を集めるにとどまり、当選に必要なギリシャ議会の議員数(300
議席)の 3 分の 2 にあたる、200 票を得ることはできなかった。今週の第 2
回選挙でも 200 票を獲得するのは難しいとみられる。勝負は 12/29(月)とさ
れる第 3 回投票。3 回目は当選に必要な票のハードルが議員数の 5 分の 3 と
なる、180 票にまで低下する。ここでも大統領が選出されなければ、議会は
解散総選挙へと進むこととなる。
前回、2012 年の総選挙では「ユーロ圏や EU からの脱退」「政府の債務帳
消し」を主張する政党等が注目され、財政再建が滞るのではないかとの見方
から市場ではリスク回避姿勢が強まった。今なおギリシャの財政再建は道半
ばであり、混乱の火種となる可能性には注意したい。市場では徐々に「12
月中の選挙で大統領を選出することは難しく、解散の可能性が高い」との見
方が強まりつつあり、一部は織り込む動きもあるようだが、解散の時期が参
加者が少ない年末年始に重なることで大きな値動きとなる可能性もある。
その他、要人発言としては 25 日(木)に黒田日銀総裁の講演が予定されて
いる。
※この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定
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2
FX Weekly
2013/12/31=100
110
108
106
104
主要通貨の対ドルレート推移(2013/12/31=100の指数、日次)
ドル安
↑
↓
ドル高
102
100
98
96
94
92
90
88
86
13/12/31
円
トルコリラ
メキシコペソ
14/3/25
(注)2013/12/31~2014/12/19まで
ユーロ
豪ドル
南アランド
14/6/17
英ポンド
NZドル
ブラジルレアル
14/9/9
14/12/2
(年/月/日)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
※この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定
はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したもので
はありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随時変更することがあります。最終
ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
3
FX Weekly
IMM通貨先物ポジション動向(2014年12月16日時点)
≪主なポジション動向≫
○円のネットショートは2週連続で縮小。クリスマス休暇を控えてポジション調整の動きが継続
○ユーロのネットショートは4週連続で縮小し、8/12以来約4ヵ月ぶりの低い水準に
○スイスフランのネットショートは大幅に縮小。スイス中銀は12/18にマイナス金利の導入を発表した
○主要8通貨に対するドルの買い越し額合計は3週連続で縮小し、9/23以来の水準に
IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2014/12/16)
円(JPY)
(兆円)
1.0
JPY LONG
(1ドル=円)
75
500
0.5
85
米ドル(USD)
(億ドル)
(1973/3=100)
90
600
USD LONG
88
400
86
300
0.0
95
84
200
82
100
▲ 0.5
80
105
0
▲ 1.0
115
125
ネットポジション(金額、左目盛)
11/7
12/1
12/7
74
▲ 300
USD SHORT
▲ 400
ドル円為替レート(右逆目盛)
▲ 2.0
11/1
76
▲ 200
JPY SHORT
▲ 1.5
78
▲ 100
13/1
13/7
14/1
135
15/1
14/7
ドル合成ポジション(金額、左目盛)
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
ユーロ(EUR)
EUR LONG
150
(年/月)
豪ドル(AUD)
(億豪ドル)
(1ユーロ=ドル)
1.55
ネットポジション(金額、左目盛)
ユーロドル為替レート(右目盛)
(1豪ドル=ドル)
150
1.10
1.50
100
1.45
50
70
15/1
14/7
(年/月)
(億ユーロ)
200
72
ドル指数(右目盛)
▲ 500
11/1
AUD LONG
1.05
100
1.40
0
1.35
1.00
50
▲ 50
0.95
1.30
▲ 100
0
1.25
▲ 150
0.90
1.20
▲ 200
EUR SHORT
▲ 50
AUD SHORT
1.15
▲ 250
0.85
ネットポジション(金額、左目盛)
▲ 300
11/1
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
1.10
15/1
▲ 100
11/1
豪ドル米ドル為替レート(右目盛)
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
(年/月)
14/1
0.80
15/1
14/7
(年/月)
(注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。
米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
2014/12/16現在のポジション(ドルベース)
対前週比
(億ドル)
(億ドル)
40
400
LONG
LONG
20
300
200
0
100
▲ 20
0
▲ 40
▲ 100
▲ 60
▲ 200
SHORT
SHORT
▲ 300
▲ 80
ユーロ
英ポンド
豪ドル
NZドル
スイスフラン
カナダドル
メキシコペソ
円
米ドル
ユーロ
英ポンド
豪ドル
NZドル
スイスフラン
カナダドル
メキシコペソ
円
米ドル
(注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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4
FX Weekly
ドル円 一目均衡表 (日次:2014/3/14~2014/12/19)
(1ドル=円)
122
(1ドル=円)
122
120
120
118
118
116
転換線
先行スパン1
遅行スパン
114
116
基準線
先行スパン2
114
112
112
110
110
108
108
106
106
104
104
102
102
100
100
2014/04
2014/06
2014/08
2014/10
2014/11
出所:各種資料よりみずほ証券作成
(1ユーロ=ドル)
1.40
2015/01
(年/月)
ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/3/14~2014/12/19)
(1ユーロ=ドル)
1.40
1.38
1.38
1.36
1.36
1.34
1.34
1.32
1.32
1.30
1.30
1.28
1.28
1.26
1.26
1.24
転換線
先行スパン1
遅行スパン
基準線
先行スパン2
1.24
1.22
1.22
2014/04
2014/06
出所:各種資料よりみずほ証券作成
2014/08
2014/10
2014/11
2015/01
(年/月)
※この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する最終決定
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5
FX Weekly
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一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
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