FXウィークリー・レポート (PDF/662KB)

2016/
FXウィークリー
1/18
投資情報部
FX ストラテジスト
五十嵐 聡
リスクオフの流れが継続するかどうかに注目
(先週のレビュー)
いったん下げ渋るもド
ル円は一段安の展開
に
先週は中国株や人民元急落、原油安にともなうリスクオフの流れがいったんは沈
静化する兆しも見られたが、週末にかけてはリスクオフが再燃した。ドル円は下げ
渋った後一段安の展開、円は全面高となりドルやユーロ等の主要通貨が続いた。
ドル円は週初のオセアニア時間にクロス円の売りが波及し、一時116.70円まで下
振れしたが、その後は徐々に値を戻した。中国人民銀行が前週末以降、人民元の
基準値を元高方向に設定、オフショア市場で大規模な介入を実施したことで、オン
ショア市場とのかい離が大幅に縮小したこともあり、取りあえず人民元安に歯止めが
掛かった形となったことが好感された。また、1/13(水)には中国12月の貿易収支が
予想ほど悪化しなかったことも安心感につながり、ドル円は一時118.38円まで値を
戻す場面がみられた。しかし、その後は在庫増を受けて原油価格が2003年以来の
30ドル割れとなったことや、米金利が一段と低下したこと等から再び売りが優勢とな
り、1/15(金)には一時昨年8月以来となる116.51円まで値を下げた。
ユーロドルは週初、ドル売り地合いを背景に一時1.0970ドルまで値を戻したが、そ
の後はリスクオフ地合いの後退によるドル買いから軟調な推移となり、1/13(水)には
ユーロ圏11月の鉱工業生産が予想外の減少となったこともあり、一時1.0805ドルま
で値を下げた。その後は原油安にともなう米金利低下、ドル売り等から値を戻し、
「ECB理事会メンバーの多くは目先の追加措置に懐疑的」との一部報道等も相場を
押し上げた。週末にかけてはさらに上昇し、一時1.0985ドルまで値を伸ばした。
その他通貨では、本邦投資家とみられる売り等もあり、南アフリカランドは一時17.8
ランド台まで急落、原油安を背景にカナダドルやメキシコペソ等が売られた。
主要通貨の対ドルレート騰落率
( 2016/1/8→2016/1/15)
主要通貨の対円レート騰落率
(2016/1/8→2016/1/15)
円
0.24
ユーロ
ブラジルレアル
スイスフラン
トルコリラ
豪ドル
(%)
▲4.0
ブラジルレアル
▲0.64
スイスフラン
▲0.84
▲0.88
▲1.12
▲1.49
豪ドル
▲1.78
英ポンド
▲1.80
メキシコペソ
カナダドル
▲2.87
南アランド
▲2.0
円
円
↓↑
高
安
NZドル
▲2.54
▲3.0
▲0.29
トルコリラ
▲1.28
メキシコペソ
南アランド
▲0.60
▲1.25
英ポンド
▲0.24
ユーロ
▲0.88
NZドル
カナダドル
米ドル
▲0.05
ド
ド
ル ↓ ↑ル
高
安
▲1.0
0.0
1.0
(%)
▲4.0
▲1.52
▲2.02
▲2.04
▲2.77
▲3.10
▲3.0
▲2.0
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
▲1.0
0.0
2016/1/18
FXウィークリー
2014/19/18
(今週の見通し)
リスクオフの流れが
継続するかどうかに
注目
今週のドル円相場は、リスクオフの流れが継続すれば一段安となる可能性に留意
が必要となる。一方、中国市場が落ち着きを取り戻し、市場のリスク回避姿勢が沈静
化すれば下げ渋る動きとなろう。中国人民銀行による基準値の設定が元高方向で
実施されるかどうかや、市場への介入姿勢の程度次第で、相場への影響度合いが
左右される。また、原油価格の下落に歯止めが掛かるかどうかも関心が高い。イラン
核合意による制裁が一部解除される見通しとなったこともあり、行方が注目される。
2016年年明けの中国市場の波乱は、中国人民銀行が人民元の基準値を2011年5
月以来の人民元安水準に設定、人民元相場が対ドルで昨年8月以来の大幅下落と
なったことが大きなきっかけとなっている。基準値はその後も数日間は人民元安水
準に設定されたが、1/8以降は元高方向に設定され、オフショア市場で大規模な介
入を実施する等、過度の元安に歯止めをかける姿勢に変化している。市場は当局
が積極的な通貨切り下げに動いているとの疑念を強めているが、実態は中国当局
が人民元のSDR構成通貨入りを受けて相場水準を市場実勢に任せる自由化に動
いたものの、市場のネガティブな反応を受けて再びコントロールを強める姿勢に回
帰した可能性があろう。今後も過度の人民元安を認めない姿勢をとるのか、それとも
再び市場実勢に任せるのか、当局の姿勢が注目される。アジアインフラ投資銀行
(AIIB)の開業記念式典が1/16~1/18に開催されており、それに向けて市場安定化
を演出した可能性もあり、今後の当局の姿勢からは目が離せない。
今週は1/19(火)に中国12月の鉱工業生産指数、小売売上高、1-12月の固定資
産投資、10-12月期の実質GDP等、一連の重要経済指標が発表される予定となっ
ており、中国経済の減速に歯止めがかかっているのかどうかに注目が集まる。この
他、同日には独1月のZEW景気期待指数、1/20(水)には米12月住宅着工件数、消
費者物価指数、1/21(木)には欧州中央銀行(ECB)理事会、米1月フィラデルフィア
連銀製造業景気指数、1/22(金)には独およびユーロ圏の1月製造業PMI、米12月
中古住宅販売件数、等の発表が予定されている。
また、原油価格はWTI原油先物価格が先週、2003年以来となる30ドル割れの水
準まで値を下げる等、下落に歯止めがかかっていない。これを受けて各予想機関
は原油価格の見通しを引き下げている。原油安は本来、先進国経済にとってプラス
要因とされるが、極端な下落はエネルギー関連投資の減少を通じて世界経済の下
振れ要因になる可能性が指摘されており、引き続き今後の行方が注目される。
(2013/12/31=100)
主要通貨の対ドルレート推移
(日次:2013/12/31~2016/1/15)
110
105
100
95
90
ドル安
↑
↓
ドル高
85
80
75
70
円
ユーロ
英ポンド
65
トルコリラ
豪ドル
NZドル
60
メキシコペソ
南アランド
ブラジルレアル
55
13/12/31
14/4/2
14/7/3
14/10/3
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
15/1/5
15/4/7
15/7/8
15/10/8
16/1/8
(年/月/日)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/1/18
FXウィークリー
2014/19/18
IMM通貨先物ポジション動向(2016年1月12日時点)
≪主なポジション動向≫
○円のネットロングは一段と拡大、ネットロングポジションは2012/10/2以来、約3年3ヵ月ぶりの水準に
○ユーロのネットポジションは2週間ぶりに縮小
○豪ドルのネットショートは3週間ぶりに拡大
○主要8通貨に対する米ドルのネットロングは約272.6億ドルと、3週連続で縮小
IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2014/1/7~2016/1/12)
円(JPY)
(兆円)
1.0
100
JPY LONG
米ドル(USD)
(億ドル)
(1ドル=円)
(1973/3=100)
105
800
ドル合成ポジション(金額、左目盛)
USD LONG
ドル指数(右目盛)
0.5
105
600
100
0.0
110
400
95
▲ 0.5
115
200
90
▲ 1.0
120
0
85
▲ 1.5
125
▲ 200
ネットポジション(金額、左目盛)
JPY SHORT
▲ 2.0
14/1
80
USD SHORT
ドル円為替レート(右逆目盛)
130
14/7
15/1
15/7
16/1
▲ 400
14/1
(年/月)
75
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
ユーロ(EUR)
(億ユーロ)
100
(億豪ドル)
(1ユーロ=ドル)
1.40
1.35
0
1.30
▲ 50
1.25
▲ 100
1.20
▲ 150
40
1.15
▲ 200
1.10
▲ 250
1.05
ネットポジション(金額、左目盛)
ユーロドル為替レート(右目盛)
0.90
20
0.85
0
0.80
▲ 20
0.75
▲ 40
0.70
0.65
AUD SHORT
▲ 80
14/1
16/1
0.95
AUD LONG
▲ 60
1.00
15/7
豪ドル米ドル為替レート(右目盛)
60
EUR SHORT
15/1
1.00
ネットポジション(金額、左目盛)
50
14/7
(1豪ドル=ドル)
80
EUR LONG
▲ 300
14/1
豪ドル(AUD)
0.60
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(年/月)
(注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。
米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
2016/1/12現在のポジション(ドルベース)
対前週比
(億ドル)
(億ドル)
30
300
LONG
250
20
LONG
200
10
150
100
0
50
0
▲ 10
▲ 50
▲ 20
▲ 100
▲ 150
▲ 30
▲ 200
SHORT
SHORT
▲ 250
ユーロ
英ポンド
▲ 40
豪ドル
NZドル
スイスフラン カナダドル メキシコペソ
円
米ドル
ユーロ
英ポンド
豪ドル
NZドル
スイスフラン
カナダドル
メキシコペソ
円
米ドル
(注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出
出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
英ポンドとIMM通貨先物ポジション
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
2016/1/18
FXウィークリー
2014/19/18
(1ドル=円)
ドル円 一目均衡表 (日次:2015/4/10~2016/1/15)
(1ドル=円)
126
126
125
125
124
124
123
123
122
122
121
121
120
120
119
119
118
118
117
117
116
116
2015/05
2015/07
2015/09
2015/10
2015/12
出所:各種資料よりみずほ証券作成
(1ユーロ=ドル)
2016/02
(年/月)
ユーロドル 一目均衡表 (日次:2015/4/10~2016/1/15)
(1ユーロ=ドル)
1.19
1.19
1.17
1.17
1.15
1.15
1.13
1.13
1.11
1.11
1.09
1.09
1.07
1.07
1.05
1.05
2015/05
2015/07
2015/09
出所:各種資料よりみずほ証券作成
2015/10
2015/12
2016/02
(年/月)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
2016/1/18
FXウィークリー
2014/19/18
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ります。
 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの
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 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を
ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況
によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。
 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や
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商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160118-20
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