2015 年度早稲田大学国際教養学部（日本史）解答解説 Ⅰ 解答１＝エ２＝エ３＝オ４＝ア５＝イ６＝オ７＝イ８＝ウ９＝飛鳥浄御原宮 10＝オ解説《律令国家形成期の国内外政策》古代史の中でも頻度の高い「律令国家形成期」「東アジアとの関係」を扱った大問である。８でウの高市皇子とエの草壁皇子に迷うかもしれないが、その他の設問は標準的なものばかりなので確実に得点してほしい。２．イとウは少々細かな知識であるが、エが明らかに誤りであることに気づいてほしい。厩戸王の父は用明天皇である。３．憲法十七条は「仏教・儒教・法家思想」の影響を受けていることは基本的知識である。４．ア＝飛鳥寺式、イ＝法隆寺式、ウ＝四天王寺式、オ＝薬師寺式の伽藍配置は頻出である。６．オの鴻臚館は外交・交易のための施設であり国土防衛の施設ではない。８．草壁皇子と迷うかもしれない。やや難問。 10．中書省でなく中務省が正しい。 Ⅱ 解答１＝エ２＝エ３＝エ４＝後嵯峨(上皇) ５＝ア６＝オ７＝オ８＝ア・オ９＝オ 10＝ウ解説《中世・近世の武家政権》鎌倉時代から江戸時代の武家政権をテーマにした大問である。基本的な設問ばかりなので全問正解してほしい。３．後に足利尊氏が建武政権に離反した際、赤松則村が足利方として戦ったことから、赤松氏は播磨国の守護に任命された。５．アは６代将軍足利義教の事績。７．桂離宮は修学院離宮の誤り。８．山川出版社の教科書本文にも記載されているが、江戸幕府は 1620（元和６）年、徳川秀忠の娘和子（東福門院）を後水尾天皇に入内させたのを機に、朝廷に残されていた権能（官位制度・改元・改暦）も、幕府の承諾を必要とすることにした。 10．光格天皇が閑院宮家であることを知らなくても、設問文の「宮家の創設」をヒントに新井白石を導き出してほしい。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School Ⅲ 解答１＝ウ２＝オ３＝エ・オ４＝超然５＝民党６＝ウ・エ７＝イ・オ８＝ア・オ９＝ウ 10＝エ解説《立憲国家・政党内閣の成立》自由民権運動から立憲国家・政党内閣の成立をテーマとした明治・大正時代の大問である。内閣ごとの政策・出来事や与党などの一致がしっかり出来ていれば、高得点が望めるだろう。１．民撰議院設立建白書は士族および豪農商に参政権を与え、議会の開設を主張したものだが、憲法制定の要求は含まれない。細かな知識であるが、他がすべて正しいと判断して消去法で解答してほしい。２．やや難問。ア．民撰議院設立建白書でなく大阪会議が正しい。イ．集会条例でなく讒謗律が正しい。ウ．元老院は新法の制定と旧法の改正を議定することを基本的権能とした。エ．憲法案の審査・諮問機関は 1888 年設置の枢密院である。オ．元老院が起草した「日本国憲按」は岩倉具視らの反対で不採択となった。３．やや難問。エ．明治十四年の政変の過程で政府は欽定憲法（君主が定める形式の憲法）の方針を決定している。オ．「ただちに」は誤りである。憲法案の起草にとりかかるのは 1886 年末ころからである。７．イは外相でなく内相が正しい。オは第三次伊藤博文でなく第二次山県有朋が正しい。８．アの知識は細かい。第１次桂太郎内閣は、日露戦争の戦費調達を目的とする増税と早期講和実現のため、立憲政友会に政権移譲することを条件に協力を求め、戦争処理が終了したことで総辞職したのである。オは統監府でなく朝鮮総督府が正しい。 Ⅳ 解答１＝ウ２＝エ３＝ア４＝ア５＝Ａ．蔣介石６＝エ７＝イ８＝イ・エ９＝ア・エ 10＝ウＢ．野村吉三郎解説《太平洋戦争前後の国内外情勢》英文史料の出題「堀田江理氏の 1941 年、日本が日米開戦に踏み切った当時の政治状況の論考」に関する内容の大問。出典は『Japan 1941: Countdown to Infamy』。例年通り、英文読解よりも日本史の標準的な知識を重視した学習で得点してほしい。２．治安維持法の改正は帝国議会で審議未了となったが、田中義一内閣は緊急勅令により強行改正した。３．大政翼賛会の結成は 1940 年、国民精神総動員運動は 1937 年である。４．アの二・二六事件は 1936 年。５．Ａは「Nationalist Party leader」（国民党のリーダー）から判断。Ｂは設問６の選択肢イの文から判断出来る。６．エは野村吉三郎の交渉ではない。７．ジュネーブ軍縮会議は条約不成立であったことを思いだそう。８．イは 1935 年。エは発効なので 1935 年。 10．ウ．財閥本社及び財閥家族の保有する株券は占領軍の立ち会いのもとで差し押さえられ、持株会社整理委員会に譲渡された。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School