数値化のご用命は!グラフ・ スキャナRODEM−G

第1部
実験や電子工作に!
第5章
曲線/
ディスプレイに表示されたx −y 棒線/折れ
特 性 が 大 好 物! JPEG/GIF/ 線…なんで
BMPなどのファイルも食べちゃう
も来い
数値化のご用命は!グラフ・
スキャナ RODEM−G
嶋﨑 靖志
直読点は赤色
になる
取得した線は
黄色になる
Yasushi Shimasaki
数値化された値
4ポイントにする
図 1 RODEM−G は数値化されていないグラフをトレースしてx とy のデータを生成する
見やすいようにポイント欄を 4 ポイントに変更する
● グ ラ フ の 数 値 化 を い ろ い ろ 試 し て み た け ど,
RODEM−G が一番使いやすい
製品の特性を確認するために,欠かせないものが
「グラフ」です.
中にはすでに画像化されてしまったものや,印刷
されてしまったものも多々存在します.そういうデ
ータに限って,元の数値情報が必要になったりしが
ちです.特性データの数値を読むために,グラフを
定規で測ったりします.
コンピュータが誰でも使えるようになった今の時
代ではまず,フリーのソフトウェアを探します.実
際にそのような用途のソフトウェアはいくつか存在
します.使ってみたところ,思ったようなデータが
取れなかったり,データの取得方法が面倒だったり
します.手で測るのと同じ位の手間がかかるものも
あります.
RODEM−G(モーデック)は,パソコンの画面に
表示されたグラフ上の線をトレースし,値を抽出す
るソフトウェアです
(図 1).
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本稿では,RODEM−G のフリー版を(付録 DVD−
ROM フォルダ 28_RODEM−G)使って,部品メー
カのデータシートの特性グラフからほしい値を数値
化する方法を解説します.
RODEM−G は手間いらず
●[理由 1]ワンクリックでグラフ全体を一気に取り
込んでくれる
私の周りには,電子部品の SPICE モデルを作成す
るエンジニアがたくさんいます.生データが存在また
は入手できるときはいいのですが,ディスクリート部
品などは,特性を表す生データがないことが多いので,
ベンダのホームページからデータシートをダウンロー
ドしています.
ダウンロードしたデータシートは,グラフとしてプ
ロットされただけのものが多いです.作成したモデル
が仕様を満足しているか調べるには,特性の数だけグ
ラフを数値化してシミュレーション結果と重ねる必要
2015 年 3 月号