数学から見たおむすび~おむすびグラフを描いてみよう

数学から見たおむすび
~おむすびグラフを描いてみよう~
皆さんは「グラフ」と聞いて、何を思い浮かべ
るでしょうか。何かのデータを表す棒グラフや折
れ線グラフ、比例のまっすぐな直線のグラフ、中
学や高校で数学を学んだ人は、2次関数などの曲
線のグラフを思い浮かべるかもしれません。中に
はグラフという言葉を聞くだけで、むしろ数字を
見ただけで頭が痛い…という方もおられるかもし
れませんね。
今回はなんと、皆さんが知っている「グラフ」
の形とは程遠い、「おむすび」の形をグラフにし
てみました。まずはおむすびの形はどんなものか、
思い出してみましょう。三角形に四角いのりが巻
かれている…下の画像のような形を思い描いた方
が多いと思います。
このきれいな線で描かれた
おむすびの絵…実はグラフ
なんです。
おむすび
グラフに
潜む数式は?
「Cinderella2(シンデレラ)」というフリーのコン
ピュータソフトを使って、入力した数式をグラフ
にしました。つまり、これは普通のペイントソフ
トなどで綺麗な線を描いたものではなく、綺麗に
描けるようなグラフを逆算し、数式を考えて描い
た「グラフ」なのです。皆さんが考えていたグラ
フとは全然違うように見えるかもしれませんね。
このように、皆さんが知っているグラフを使って、
さらに面白い図を描くことができるのです。一体
どうすれば描けるのか、どんな式で描けるのか、
いくつかヒントを出したいと思います。ぜひ考え
てみてください。
【ヒント1】
このおむすびのグラフは、複数のグラフから出来ていま
す。つまり1つの式で出来たグラフではありません。
【ヒント2】
おむすびの一番外側の枠は、直線を作る「1次関数」の
グラフを3つ使い、正三角形を作ります。そしてカドの
丸みは、円を使いました。(ここでピンと来る方も多い
かもしれないですね。)
【ヒント3】
ピンと来た方へ、この円の半径と、中心の座標をお教え
します。
1
★半径はすべて
2
★円の中心はそれぞれ(0,2),(-1,0),(1,0)
これらのヒントをまとめた図がこ
ちらです。
こうしてみると、元々はかなり数
学っぽい図だったことが分かりま
すね。ここから黒い線のみを表示
させるために始まった計算のこと
を思うと、何だか感慨深い気分で
す。
ちなみに、数学IIBまでの知識があれば式を求めら
れます。次回の私の記事で、式を求める過程の計
算をしていきたいと思います。数学の得意な方、
久しぶりに数学に触れる方、…この機会にぜひ、
グラフについて見直し、学んでみてください。お
むすびをきっかけに始まる数学…学問の切り口は
無限大です。
本記事の担当:ゆかりん(奈良女子大学)