富山県済生会高岡病院 緩和ケアチーム 田辺 公一、大浦 冬裕、竹内 都子、北澤 英徳、宝田 佐己子、黒田 しのぶ、村杉桂子、 霜 知浩、新敷 吉成、棚田 安子、村上 望 平成19年10月1日 本格的に緩和ケアチーム(PCT)の介入開始 身体的苦痛の評価に聖隷三方原病院方式STASを使用 回診・カンファレンスの際、必要な情報 を電子カルテ上で管理・共有できる仕 組みが必要 電子カルテからExcelのワークシートを 呼び出す機能が利用可能(Excel チャート) Excelチャート用の(聖隷三方原病院方 式STAS を含む)PCT記録シートを作成 しよう! 電子カルテシステム Microsoft® Windows 2000/XP EGMAIN-FX V04(富士通(株)) PCT記録管理システム (Excelチャート) 緩和ケア依頼用紙 緩和ケア実施計画書 除痛効果評価表 退院(デス)カンファレンスシート 評価結果のグラフ化ツール ★ 緩和ケアチーム:28名で構成 医師5名・看護師11名・薬剤師4名・栄養士3名・MSW3名・ リハビリテーション科1名・ 事務部1名 ★ 定期回診チームを編成(4チーム) 各週担当の定期回診チームを編成し、毎週月曜日午後4時から回診を行う 医師をリーダーとして、できる限り各職種が入るように編成を工夫 ★ 連絡方法(臨時・緊急招集) 緩和ケア委員宛てに「くじら君」が電子カルテ 上に現れ、メッセージが届けられます 新規介入依頼があった場合 介入決定後のカンファレンス実施の集合時間 介入患者さんの退院や再入院のお知らせ 在宅緩和病診連携合同カンファレンスの案内 臨時・緊急招集の場合 勉強会の案内 外来・病棟から緩和ケアチームの介入依頼 (緩和ケア依頼用紙を作成し、緩和ケア外来へ提出) 緩和ケア外来にて毎週火曜日と金曜日に診察、緩和ケア担当医による診察 診察後、PCTカンファレンス開催。緩和ケア担当医は緩和チームとともに アセスメントし(緩和ケア実施計画書を作成)、治療方針を決定 チーム回診(毎週月曜日)、また各部門による介入(適宜)を開始 回診前にカンファレンスルームに集合し、その日の患者さんの確認 回診後再度集合、回診したメンバーでカンファレンス・スコアリングの実施 その評価をExcelチャートに記入(除痛効果評価表を作成)・保存する 入力ボタンをクリックすると入力 画面が表示されます。 回診ごとに、各週の回診チームの メンバーが入力を行う。 (時間存在・関係存在・自律存在の各存在の崩れを評価) STAS-J主要評価項目 聖隷三方原病院方式 苦痛STAS 痛みのコントロール 症状STAS 症状が患者に及ぼす影響 疼痛STAS 患者の不安 呼吸困難感STAS 家族の不安 咳嗽STAS 患者の病状認識 嘔気STAS 家族の病状認識 食欲不振STAS 倦怠感STAS 患者と家族のコミュニケーション 掻痒感STAS 医療専門職間のコミュニケーション 患者・家族に対する医療専門職とのコミュニケーション 今一番(つらい・困っている・嫌な)事・ところ・症状はありますか(なんです か)? ない 全くな い 苦痛STAS: 0 【なし】 ある 現在の症状 マネージメン トに満足 苦痛STAS: 1 【満足】 急がないが出来 れば何とかして ほしい 苦痛STAS: 2 【自制内】 我慢できな い症状が 出現する 苦痛STAS: 3 【対処希望】 我慢できな い症状が持 続的にある 苦痛STAS: 4 【激しく持続】 STAS グラフ 4 3 3 3 2 1 0 1 2 2 1 1 3 2 1 0 3/28/2008 0 3/31/2008 0 4/7/2008 0 4/14/2008 0 4/21/2008 除痛 3 2 2 3 3 倦怠感 1 1 1 0 0 疼痛 3 2 2 3 2 呼吸 0 0 0 0 0 咳嗽 0 0 0 0 0 食欲 0 1 0 0 0 嘔気 0 0 1 1 3 掻痒 0 0 0 0 0 村田理論 グラフ グラフ スピリチュアリティ 4 3 2 1 0 時間 関係 自律 1 0 3/28/2008 1 0 3/31/2008 1 0 4/7/2008 1 0 4/14/2008 1 0 4/21/2008 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 F.フリ-入力項目を電子カルテにコピー クリックすると・・・ 回診内容・介入 状況が確認できる。 “メモ” をクリック すると入力メモが 表示される。 「緩和ケアメモ」にケアプ ランや追記事項・主治医 や各委員への申し送り 事項を記入する。 当院の緩和ケアチームは、 H19年10月1日から本格的に介入を開始しました。 介入症例数:38例(H20.9.16現在) 【内訳】 男性:20例 女性:18例 在宅緩和移行症例:14例 (うち在宅中:3例、当院看取り:5例、自宅看取り:6例) 在宅に移行しなかった症例24例 (うち入院中:6例、当院看取り:18例) (2008年6月1日現在) No 癌腫 PS 1 卵巣癌 2 聖隷三方原病院方式STAS CTCAE v3.0 WHO 備考 判定 食欲 嘔気 食欲 悪心 嘔気 嘔気・嘔吐 2 有効 2→1 2→1 3→3 3→3 0→0 1→1 胃癌 4 有効 3→1 3→1 3→2 3→2 1→0 2→1 3 胃癌 3 有効 3→1 2→0 3→3 3→3 0→0 1→1 4 大腸癌 3 有効 2→1 1→1 2→2 2→2 0→0 1→1 5 大腸癌 4 有効 2→1 1→0 1→1 1→1 0→0 0→0 オクトレオチドと同時にステ ロイドが開始 6 前立腺癌 4 無効 3→3 3→3 3→3 3→3 3→3 3→3 オクトレオチドと同時にステ ロイドが開始 7 胃癌 4 無効 1→3 2→3 3→3 3→3 0→2 1→3 8 胆嚢癌 4 無効 1→2 2→3 3→3 3→3 1→1 2→2 オクトレオチドと同時にステ ロイドが開始 9 胃癌 4 -- 2→? 0→? 3→? 3→? 0→? 0→? 2回目の判定前に死亡 10 胃癌 4 -- 1→? 1→? 3→? 3→? 0→? 1→? 2回目の判定前に死亡 STASの変化に対して、他の指標は同方向に変化するか不変 STASは他の指標では表現できない変化を表している可能性がある オクトレオチドと同時に塩酸 モルヒネ注が開始 オクトレオチドと同時にステ ロイドが開始 青:スコア減少 橙:スコア上昇 本システムにより ケアプランや各種評価が適宜電子カルテから参照可能。 情報共有・フィードバックがスムーズに行えた。 回診以外に各職種のPCTメンバーが行なった指導・面談も把握で きる。 症例検討の際の情報共有も迅速に行うことが可能となった。 聖隷三方原病院STASは薬剤の効果判定にも応用できる。 本システムの問題点として 回診で指摘された問題点や申し送り事項、またPCTの活動につい て、病棟看護師や主治医がきちんと把握できているか、4つの PCTグループ間でのスコアリングが標準化されているか、の問題 点が挙げられた。
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