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コンピューター・ミュージック科 講師資格認定オーディション
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【Advanced】
筆記試験 <専門筆記> 例題
(30 分)
1.下記の譜面を、アコースティックギターでアルペジオ演奏しているように表現したい場
合、右図のピアノロール画面にあるような入力方法ではアルペジオらしく聞こえません。
アルペジオらしく聞こえるためにはどのようにエディットすれば良いか、ポイントを2つ挙
げて、具体的に説明して下さい。
【入力する譜面】 【ピアノロール画面】
ポイント-1
ポイント-2 ベロシティ
● MIDI データ作成時の楽器シミュレーションテクニックについて、DAW ソフトのピアノロール
画面を見て答える設問です。テキストに収録されている代表的な楽器の入力方法を確認しま
しょう。
(解答例)
ポイント-1 それぞれの音符の音価(ゲート・タイム / デュレーション)が短く、音が切れ
て聞こえるのでもう少し長くします。特に最低音に関しては、4拍分程度の長
さを伸ばしても大丈夫です。
ポイント-2 それぞれの音符のベロシティが同じだと表情が乏しくなるので、最低音は強め
に設定し、他の音符についても拍の頭から「強・弱」とベロシティの差をつけ
てメリハリを持たせしょう。 1
2.生徒が入力したドラムパートのピアノロール画面です。
どのような指導を行えば良いか、具体的に書いて下さい。
● MIDI データ作成時の楽器シミュレーションテクニックについて、DAW ソフトのピアノロール
画面を見て答える設問です。特にドラムについては、ベロシティの設定等で雰囲気が変わるこ
とをしっかりと確認しておきましょう。
(解答例)
全ての打楽器のベロシティが一定で表情が乏しいため、打楽器ごとにアクセントをつける位置
を説明します。またベロシティ値によってベースドラムやスネアドラムの音色は大きく変化す
ることを説明し、最適なベロシティ値を探すよう色々と試してもらいます。また特にハイハッ
トは単調に聞こえるため、それぞれの拍の頭を少し強めに設定し、リズムのノリが感じられる
ように修正してもらいます。
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3.プラグインシンセ(PSYN II)についての設問に答えて下さい。
① 図のプラグインシンセは、どのような音色を作るのに適しているか、考えを述べて下さい。
② の波形は、どのようなイメージの音色か、楽器名も例にあげて説明して下さい。
③ ADSR で、鍵盤を離してからの音量変化を設定するためにはどのパラメーターを操作すれば
良いか説明して下さい。
④ 次の用語の働きについて説明して下さい。
CUT OFF RESONANCE
→
→ ⑤ 一般的なアナログシンセサイザーで音作りをしていくプロセスについて、簡単に説明して
下さい。
● SONAR シリーズに付属しているプラグインシンセについての設問です。音色をどのように合成
しているか、それぞれのプラグインシンセの特徴を確認しておきましょう。特にアナログシン
セサイザー系のサイン波や鋸歯状波等の、波形を元に音色を合成していくタイプと、既存の楽
器をマイク等で収録した音の素材を元に音色を合成するサンプラー等の違いも含めて確認しま
しょう。
(解答例)
①アナログシンセサイザー系の既存楽器にないサウンドや、音色を素材の段階から加工して音
を作る場合に適している。
②倍音が多い固めのサウンド。バイオリン等硬質な音色の楽器音。
③「R」のリリースタイムつまみで設定する。
④ CUT OFF は、その音色に含まれる「設定した特定の周波数をカットする」ことを指定するツ
マミ。
RESONANCE は、CUT OFF で設定した周波数付近の倍音を強調し、音色に変化を与えるツマミ。
⑤まず作成したい音色のイメージを固め、イメージに近い素材(倍音の量)の波形を選択する。
次に音色をフィルター部分で調整してイメージに近づけていき、さらに音量の時間的変化を
ADSR で調整していく。だいたいの音が出来てきたら、ビブラートやトレモロ、LFO 等必要に
応じて付加し、音色を作り込んでいく。
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4.下記のプラグインエフェクトについて、このエフェクトの種類と、その効果について説 明して下さい。
エフェクトの種類
効果について
● SONAR シリーズに付属しているプラグインエフェクトについての設問です。入力された信号に
対してどのような効果を与えるのか、それぞれのプラグインエフェクトの特徴を確認しておき
ましょう。またどのような要素(音量、音色等)を変化させるのか確認しておきましょう。
(正解)
①リミッター
②(解答例)信号の大きさを設定したレベル以下に抑え、音量差を一定の幅に収める。
5.映像ファイルの形式を2つあげ、それぞれの特徴について説明して下さい。
ファイル形式名 特 徴
①
②
●オーディオファイルと違って様々な規格があるので「DV・HDV・AVI・MPEG・QuickTime」等、
代表的な規格について確認しておきましょう。
(解答例)
・WMV
Microsoft Windows 標準対応のファイル形式。高い圧縮率でも画質を保てるためネ
ットワーク配信にも使用出来る。
・MPEG-4 携帯電話や携帯音楽プレイヤー等で採用されている形式。画像は圧縮されて保存さ
れるのでオリジナルより画質は劣る。
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6.映像の切り替え効果を2つあげて、それぞれの効果について説明して下さい。
切り替え効果名 効 果
①
②
●映像作品で異なるシーンをつなげる際に、切り替え効果を付加する事があります。これらの
効果についての設問です。切り替え効果については沢山の種類がありますが、代表的な効果に
ついて確認しておきましょう。
(解答例)
・オーバーラップ 一つの画面を消しながら、重ねて次の画面を映し出す効果。 ・ワイプ 映像の切り替え時に、元の画面を次の画面が押し出すように表示する効果。
7.下図のように「素材が時間軸に沿って配置されている状態」の編集画面の一般名称を答
えて下さい。 編集画面の一般名称
●映像編集ソフトは、編集画面の仕組みが同じようにつくらているものが多く存在します。 映像素材を時間軸に沿って並べていく画面の名称や、用語も同じである事が多いです。
テキストを参考に確認しておきましょう。
(正解)
タイムライン画面
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8.Windows の「システムの復元」について正しく説明している文章を次の中から選び、番
号で答えて下さい。
①
②
③
④
システムファイルの不具合を自動的に修正 / 復元を行なってくれる。
パソコンを過去に使用していた状態に戻す。
過去に削除したファイルを復元してくれる。
ソフトの動作不具合を自動的にチェックしてくれる。
● Windows のシステム部分を管理する「コントロール パネル」で設定出来ることや、
「アクセサリ」
に含まれる「システムツール」等で出来る事について確認しておきましょう。
(正解)
② →パソコンに新しくソフトをインストールする際に、自動的に復元ポイントを作成する
場合もあります。パソコンの動作が不調になった時に、以前の状態に戻す事が出来る
ので便利です。 9.Windows の「ファイル名を指定して実行」で「msconfig」とウィンドウに入力して実行
すると設定出来ることを次の中から選び、番号で答えて下さい。
①
②
③
④
画面の解像度を変更出来る。
パソコン起動時のスタートアッププログラムの起動の有無を選択出来る。
ドロップアウトを減少させる事が出来る。
OS 内蔵音源のエディットが出来る。
●常駐ソフトを強制的に終了させたり、切りたい場合等に使用します。DAW ソフトと常駐ソフト
との相性で問題が起きる事もあり、その際にその常駐ソフトの動作を終了させる事が出来ま
す。普段あまり使わない機能でも、トラブルの可能性がある部分については確認しておきま
しょう。
(正解)
② →スタートアッププログラム等をパソコン起動時に動作させるか否かを設定出来ます。
不要な常駐ソフトを切る時に使用します。
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10.次のような生徒からの質問に対してどのように解説すれば良いか書いて下さい。
① クオンタイズ機能を使う時に気をつけることはどんなことですか?
② 動画編集ソフトでデジカメの映像を使おうと思います。
どの程度のクオリティー(解像度)で撮影すれば良いですか?
●実際のレッスンを想定しての設問です。生徒に対して説明する際は、専門用語の使い方にも
注意が必要です。分かりやすく説明出来るようにしておきましょう。
(解答例)
①クオンタイズの機能を使うとリアルタイム入力した際の演奏のズレをきっちり揃える事が
可能ですが、タイミングが揃いすぎると演奏が機械的に聞こえてリアルタイム入力した雰
囲気が損なわれる場合もあるので注意しましょう。
②最終的に作品をどうようなファイル形式にするか、メディアの違い(ブルーレイディスク
かDVD等)に合わせて解像度を設定するのが良いでしょう。一般的には、フルハイビジョ
ンの 1920 × 1080 を最大と考えて問題ありません。画像の編集を行う事を考慮して、余裕
を持って解像度を設定しましょう。高画質で撮影したファイルは容量が大きく扱いにくい
場合もあるので注意が必要です。
11.ソフトウェアやコンピューターでよく使われる以下の用語について説明して下さい。
① センド・エフェクト
② オートメーション
●幅広い領域の知識が必要となるので、テキストに出てくる用語については説明出来るように
確認しておきましょう。
(解答例)
①エフェクト効果を付加する際に、プラグインエフェクト用のバスを使ってエフェクト効果
を付加すること。
②ミキサーのツマミの位置やボリュームフェーダー等、時間軸に沿って操作した事を記録し、
再生時に自動で動かす機能。
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