室長コラム13 平成27年1月 「むし歯の割合全国平均上回る。しかし・・・」 インフルエンザが猛威をふるっています。今年の流行は例年より1ヶ月程度早く、過去 10年間で一番多い患者数を記録しています。検出されたウイルスは A 香港型。他の型 に比べ、高齢者や小児で重症化しやすいと言われています。 県内の学校でも、1月30日現在で患者数は3602人。閉鎖措置延べ施設数が289 施設です。手洗い、うがいの励行、人混みには出ないなどの感染予防の徹底と、発症した らすぐ受診静養し感染源にならないよう十分注意をお願いします。 さて、県では、5~17歳の体格や健康状態についてまとめた平成26年学校保健統計 調査の結果を発表しました。島根の子どもの体格は、全国平均より、やや小さめで、身長 は、男女とも全年齢で全国平均以下となり、体重も一部の年齢を除いて下回りました。 また、むし歯(う歯)のある割合は、表1のような結果でした。 表1 区 平成26年度 分 幼 計 稚 処置完了者 園 未処置歯のある者 小 計 学 処置完了者 校 未処置歯のある者 むし歯のある者の割合(%) 島根県 全 国 41.6 38.46 16.7 15.68 24.9 22.78 58.0 52.54 27.7 26.23 30.3 26.30 中 計 48.1 42.37 学 処置完了者 30.4 23.83 17.7 18.54 62.1 53.08 33.2 30.45 28.9 22.63 校 未処置歯のある者 高 計 等学 校 処置完了者 未処置歯のある者 このように、むし歯の割合は全年齢で全国平均を上回りました。 また、むし歯の割合を年齢別に見ますと17歳が67.6%と最も高く、5歳が41. 6%と最も低くなっています。 しかし、むし歯の割合は5年前の調査から8.0~10.5ポイント減少しています。 平成元年のむし歯の割合を見ますと、幼稚園が88.5%、小学校が93.6%、中学校 が91.4%、高等学校が95.0%と、ほとんどの子どもがむし歯だったことがわかり ます。その当時は「むし歯の洪水」と言われていました。 -1- その頃より年々、着実に減っています。この推移より、今後もこの減少傾向は続くと思 われます。近い将来には全国平均を下回ることが予想されます。 このうれしいむし歯の減少傾向の要因は、学校歯科医の指導のもと学校・家庭・地域が 一体となった以下の3点の取組により成果が表れたものと思われます。 1.学校教育全体で取り組む各学校(園)での歯科保健指導の充実 2.学校と家庭が連携した歯みがきの習慣づけ 3.市町によるフッ化物洗口の推進 さらに、今年度は、第78回島根県学校歯科保健研究大会を60年ぶりに松江市(県民 会館)で開催し県内の取組を発表しました。1000名を超える参会者を集め、活発な情 報交換が行われました。詳細は以下のとおりです。 県では、この研究大会を契機に、島根県歯科医師会の先生方と一緒に子どもたちの生涯 を通しての歯・口の健康づくりを視野に入れ、子ども一人一人の自律的な健康管理をめざ し、食育などの健康課題解決とともに関係部局と連携しながら施策を展開したいと思いま す。 今後も、県民の皆様のより一層のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。 -2-
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