3. 行きかう人びと、交錯する文化

越境する美術!
ラテンアメリカから考えるグローバル文化
Ⅱ.「植民地的なもの」の芽ばえ
3. 行きかう人びと、交錯する文化
南蛮文化館蔵南蛮屏風(右隻)�
メキシコ市の副王宮殿前広場 "#世紀半ば頃 マドリード、アメリカ博物館
"$%&年、上総国岩和田村にスペイン船漂着。フィリピンの臨時総
督の任にあったロドリゴ・デ・ビベロらが救助され、徳川家康に謁
見。その後、メキシコに帰されるが、その際、ヌエバ・エスパーニャ
副王に対し「押し金屏風五双」が贈られる。
マニラ・ガレオン
"$世紀: グローバル化の時代 '人とモノの活発な移動!
!
・非ヨーロッパ人表象の形成!
!
・グローバルな芸術の接触!
!
!
ただしそれらは、ヨーロッパの覇権のもとでなされた
アルキータ・リッチ
支倉常長像
1615-16
196x146
Museo e Galleria Borghese,
Roma
新世界先住民に関する一枚刷り冊子 "(%(年 ))*(!+!,,!-.
非ヨーロッパ人のイメージ
新世界先住民に関する一枚刷り冊子 "(%(年 ))*(!+!,,!-.
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人びとはこのように裸で、見かけは良く、肌は褐色、その体つきは無駄がない。・・・男も女も、
頭や首、腕や足、陰部に少しばかりの羽根をつけている。・・・彼らは何も所有せず、すべて
のものは共有である。・・・彼らは互いに戦う。彼らは殺されたものを食しさえする。吊された
肉は燻されるのだ・・・(アメリゴ・ヴェスプッチ書簡)
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(地球劇場)%
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地図#%点からなる。最初の「近代的地図
帳」とされる。オランダ語、フランス語、ド
イツ語の)つの版が"(#,年までに出版さ
れた。!
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アメリカの擬人像(四大陸の寓意像)が
あらわされる最初の例のひとつ。!
!
オルテリウスはプロテスタントであったが、
この地図帳をフェリペ,世に献呈。王の
地理学者の称号を得る。
ヨーロッパを頂点とする世界像
「着衣-裸体」、あるいは「文明-野蛮(未
開)」 という対比が、全体の構成の軸と
なっている。
ヨーロッパを頂点とするこの世界像は、地
理上の発見の時代の世界/地球について
の新たなヴィジョンであると同時に、その
背後にあった、「発見」や「征服」による、
ヨーロッパの優位性、その覇権の確立を
織り込むものであった。
アルベルト・エクハウト
(c.1610-1665)
オランダの画家。1637-44年にか
けて、総督ヨハン・マウリッツ・ファ
ン・ナッサウの随員として、オランダ
領ブラジルに滞在。
「民族誌的肖像 ethnographic
portraits」とよばれる一連の作品を
制作。
タプヤの男性
タプヤの女性
カッシア・グランディス(モモイロナンバンサイカチ)
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J0.A01!:51K0K01!C!L60K0!
「羽根モザイク」
盾 羽根モザイク 直径70cm
1500頃(アステカ時代)
ウィーン民族美術博物館
グローバルな芸術の接触
フアン・バウティスタ/フアン・クイリス!
羽根モザイク 聖母像 "$世紀末?!
メキシコ市の副王宮殿前広場 "#世紀半ば頃 マドリード、アメリカ博物館
螺鈿(らでん)%
%
<%(=>.=>')?.%(エンコンチャド)
エンコンチャドによるパネル(「メキ
シコの征服」) !
"$&M年 マドリード、アメリカ博物館
蒔絵螺鈿聖龕 "$世紀頃 東京国立博物館
花鳥螺鈿聖龕 16世紀後半