軍艦島見学に行った友人たちが,皆「よかった,よかった」と云うので, 私も 11 月上旬,がんばって行ってきました。軍艦島とは長崎市沖合の, もと炭鉱であった小さな島,端島のことです。6.3ha と狭い面積ですが, なんと 5000 人を超える人が生活していたとのことです。それが昭和 49 年に閉山とともに無人となりました。そしてたくさんの鉄筋コンクリート 建物群が放置されました。それが魅力になって,今は観光船が行くように なっているのです。私も島に上陸して不思議な感動を覚えました。その 日は雨模様だったせいもありますが,崩れかかった建物群が寂しく取り残 されており,まわりは物音ひとつしないのです。無彩色の絵の中にひとり 取り残されたような感じでした。建築はひとがいてこそ建築なのだとい うことをあらためて実感しました。建築材料も単なる物質ですが,そのな かでひとに利用されるものだけが,建築材料という名前が付けられるので す。軍艦島の建物群は,建築材料という名誉ある名前を返上し,物質に戻 ろうとしているのだと思うと,本当にいとおしく感じました。長崎港の数 ヶ所から観光船が出ています。是非見に行ってもらいたいと思います。 (田中) 1 2015 VOL.51 建材試験情報 1 月号 平成 27 年 1月1日発行 発行所 一般財団法人建材試験センター 〒 103-0012 東京都中央区日本橋堀留町 2-8-4 日本橋コアビル http://www.jtccm.or.jp 発行者 村山浩和 編 集 建材試験情報編集委員会 経営企画部 企画課 事務局 TEL 048-920-3813 FAX 048-920-3821 本誌の内容や記事の転載に関するお問い合わ せは事務局までお願いします。 建材試験情報編集委員会 委員長 田中享二(東京工業大学・名誉教授) 副委員長 春川真一(建材試験センター・理事) 委 員 あけましておめでとうございます。 本年も当センターの機関誌「建材試験情報」をどうぞよろしくお願い 申し上げます。 小林義憲(同・技術担当部長) 鈴木利夫(同・総務課長) 中村則清(同・調査研究課課長代理) さて,本号では, 「特集:木材の利用促進政策と今後の展望」と題して, 木材利用に関する政策の動向,業界の動向,研究の動向などを行政のご 担当者および学識経験者の方々にご執筆頂きました。また,関連する 木材関係の試験業務,試験報告などを当センターの各事業・試験部門 の担当者よりご紹介させて頂きました。 志村明春(同・材料グループ主幹) 伊藤嘉則(同・構造グループ統括リーダー代理) 宍倉大樹(同・防耐火グループ) 鈴木秀治(同・工事材料試験所主幹) 深山清二(同・ISO 審査本部主任) 斉藤春重(同・性能評価本部主幹) 日本は,国土面積に占める森林面積が約 66%(森林率約 7 割)という 中里侑司(同・製品認証本部課長代理) 先進国の中では有数の森林大国です。日本は資源のない国とよくいわ 大田克則(同・西日本試験所上席主幹) れますが,森林資源については乏しいわけではなく,実は使用されずに 事務局 いるという現状もあります。 我が国は古くから適材適所に木材を積極的に利用する「木の文化」を 育んできました。現代は,さまざまな材料が使用される時代です。これ 鈴木澄江(同・企画課長) 田坂太一(同・企画課主任) 佐竹 円(同・企画課主任) 靏岡美穂(同・企画課) までの木材活用の歴史とともに新しい技術が後生に受け継がれること を期待します。 52 制作協力 株式会社工文社 (鈴木(澄) ) 建材試験センター 建材試験情報 10 ’ 12
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