「プロトンポンプ阻害薬による低マグネシウム血症

「プロトンポンプ阻害薬による低マグネシウム血症に関する症例・対照研
究」への参加のお願い
1. はじめに
この説明文書は、当科で実施しているプロトンポンプ阻害薬による低マグネシウム血
症の臨床研究について説明したものです。平成 14 年以降に当科で長期にプロトンポン
プ阻害薬を処方され、かつ血清マグネシウム値が測定されていた患者さん、及び、同時
期にプロトンポンプ阻害薬は処方されていないが血清マグネシウム値が測定されてい
た方を対象としており、長期のプロトンポンプ阻害薬の内服が血清マグネシウム値に与
える影響及び、背景因子が与える影響を明らかにするためのものです。
2. 本臨床試験の目的
胃食道逆流症の増加や、人口の高齢化とともに消化性潰瘍を来す非ステロイド性抗炎
症薬もしくは抗血小板薬が頻用され、それらの治療もくしは予防のためプロトンポンプ
阻害薬が高頻度に長期に処方されるようになっています。安全性が高いとされています
が、2006 年以降、プロトンポンプ阻害薬に起因すると考えられる重度の低マグネシウ
ム血症により痙攣や不整脈などを来した患者さんの報告がなされるようになりました。
しかし、日本において長期のプロトンポンプ阻害薬内服が低マグネシウムと関連がある
かは、不明であり、今回、その詳細を明らかにするため臨床研究を行います。重要な結
果が得られた場合は、学会や学術誌での発表を予定しています。
3. プロトンポンプ阻害薬長期内服及び血清マグネシウム値の診療記録の抽出
外来担当医はプロトンポンプ阻害薬が有効で安全であると考えられた対象者(胃食道
逆流症、消化性潰瘍の高危険患者など)に長期投与を行っています。また、マグネシウ
ム値の測定が必要な対象者に測定を行っています。本研究では、長期にプロトンポンプ
阻害薬が投与され、定期的にマグネシウム値が測定されていた患者と、プロトンポンプ
阻害薬が投与されていないが、同時期にマグネシウム値が測定されていた患者の、患者
背景(年齢、性別、治療歴など)、臨床検査値(腎機能、血清マグネシウム値など)、
プロトンポンプ阻害薬の種類とその内服期間をカルテ記録から拾い上げることで検討
します。抽出されたカルテ記録からお名前、住所など個人情報につながる情報は削除さ
れ、連結可能匿名化という特定の個人情報管理者しかあなたの個人情報につながる情報
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を知りえない形で保護されます。
4. 試験参加による利益と予想される不利益
本試験では診療後にその成績を検討しますので、試験に参加することで診療上の利
益・不利益を生じることはありません。しかし、あなたがこの試験に参加してくださる
ことにより、長期プロトンポンプ阻害薬の内服がマグネシウム値に与える影響を明らか
にすることで、効果的な経過観察法を確立することに貢献していただくことになります。
5. この臨床試験への参加について
この試験へ参加するかどうかは、ご自身で決めていただくことであり、あなたの自由
です。この臨床試験に参加していただけない場合は、下記の窓口にご連絡ください。
6. この試験の倫理審査について
この試験は、当病院での倫理審査委員会によって、妥当性が評価されており、患者さ
んの権利が守られていることや医学の発展に役立つ情報が得られることなどが検討さ
れ、実施が認められています。研究者は、本研究に関する利益相反はありません。
7. プライバシーの保護について
あなたのカルテなど、個人情報の保護には十分配慮します。この試験で得られたあな
たに関する記録は、専用のパソコンに保管されますが、その際はあなたのお名前やカル
テ番号ではなく特定の個人情報管理者しか知りえない患者番号で管理されます。これら
のデータは、外部にもれないように最大の努力をしています。
8. 質問してください
この臨床試験におけることでわからないことや心配に思うことがあれば、いつでも遠
慮なく担当医師におたずねください。
12. 研究代表者の連絡先
研究代表者(試験の責任者):
安藤
孝将
富山大学附属病院
第三内科
〒930-0194 富山市杉谷 2630
Tel:0764-34-7301
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