Ⅳ構造(17.地盤) ①重要事項の解説

Ⅳ構造(17.地盤) ①重要事項の解説
「17.地盤」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。
(1)液状化
※過去に選択肢問題として15回出題有
・細粒土含有率が低く、地下水位面が地表面に近い飽和地盤は、地震動によって液状化が起こりやすい。
・地盤が液状化すると、噴砂現象(砂や水が地表に噴出する現象)を生じることがある。
・液状化の判定を行う飽和土層は、20m程度以内の深さの沖積層で、細粒土含有率が35%以下の土層である。
・緩い粘性土地盤の地震動によるせん断剛性の低下は、緩い砂質土地盤の液状化現象ほど急激ではない。
・液状化する可能性のある地盤に杭基礎を用いる場合、杭の設計において、水平地盤反力係数を低減する必要がある。
・砂質土層の場合、細粒分含有率の影響を考慮した補正N値が小さいほど液状化しやすい。
・土の液状化判定の粒度試験試料は、乱した試料を標準貫入試験用サンプラーより採取したものを用いることができる。
・液状化対策としての地盤改良には、締固め工法、深層混合処理工法、ドレーシ工法等がある。
(2)圧密沈下
※過去に選択肢問題として11回出題有
・圧密沈下は、土粒子間が圧密されて水分等が除かれて圧縮されるのであって、土粒子自体が変形するのではない。
・過圧密された粘土層の場合、建物建設後の地中応力が先行圧密応力以下であれば、沈下量は無視できる。
・直接基礎の地盤で、支持層の下部に位置する粘性土層の沈下量や沈下速度等を推定するため、圧密試験を行った。
(3)売場面積
※過去に選択肢問題として9回出題有
・砂質土では、N値が大きくなると内部摩擦角は大きくなる。
・擁壁に作用する土圧は、背面土の内部摩擦角が大きくなるほど、小さくなる。
・きれいな砂とシルトは、きれいな砂が内部摩擦角が大きく、シルトと硬質粘土では、硬質粘土が粘着力が大きい。
・砂質土は、標準貫入試験のN値が大きいほど内部摩擦角は大きく、粘性土は、N値が大きいほど粘着力は大きくなる。
(4)圧縮試験
※過去に選択肢問題として8回出題有
・一軸圧縮試験は、粘性土の強度を調べる試験方法であり、強度から粘性土の摩擦力、変形係数等の値を推定する。
・三軸圧縮試験は、拘束圧を作用させた状態における圧縮強さを調べるもので、土の粘着力及び内部摩擦角を求める。
・圧縮試験は、ボーリング孔内から採取した試料を物理的・力学的に変化しないように運搬して、室内で試験を行う。
(5)スウェーデン式サウンディング試験
※過去に選択肢問題として5回出題有
・スウェーデン式サウンディング試験は、スクリューポイントのロットにより、回転抵抗から貫入量を求める試験方法である。
・この試験は、原位置における土の硬軟又は締まり具合を判定するための静的貫入抵抗を求めることができる。
・この試験による地盤の許容応力度の算定は、小規模建物に用いられ、長期許容応力度の上限値が規定されている。
ロッド、スクリューなどか
らなるスウェーデン式サ
ウンディング試験装置を
用いて、土の硬軟又は
締まり具合を判定する。
(6)土圧
※過去に選択肢問題として4回出題有
・受働土圧は、構造体(擁壁)が土に向かって移動した場合の圧力である。
・構造体に作用する土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧である。
※一発暗記法:じゅせいしましょう (受精しま小「じゅ:受働土圧>せい:静止土圧>し:主働土圧」で小さくなる)。
(7)防煙垂れ壁
※過去に選択肢問題として3回出題有
・沖積層は、最後の氷河期から現在までに堆積した地盤であり、洪積層と比べて軟弱な地盤が多い。
⇒沖積層は、粘土層、シル卜層、砂礫層等で構成される。
(8)透水係数
※過去に選択肢問題として2回出題有
・砂質土は、粘性土に比べて、間隙比は小さく、透水係数は大きい。
(9)地下水位と土圧
※過去に選択肢問題として2回出題有
・地下外壁に作用する土圧及び水圧は、地下水位が高くなるほど、大きくなる。
(10)土の粒径
・土の粒径の大小関係は、砂>シルト>粘土である。
※過去に選択肢問題として2回出題有