腹腔鏡手術後における患者死亡に関する改善報告書 1.医療安全管理体制の強化 (1)問題事例の早期かつ漏れのない把握 インシデント報告の対象とすべき具体事例をマニュアルに追加し、問題事例を確実に収集 (具体例) ・ 同一入院期間中の予定外の再手術、侵襲的治療、手術関連死亡 ・ 退院後7日以内に生じた合併症で再手術や侵襲的治療を要するもの ・ 説明していない合併症、説明してあっても予期しない後遺症が残る合併症 集中治療部(ICU)のリスクマネージャーより以下の事例を病院長/安全管理部長に定期報告 ・ ICU入室期間が2週間を超える事例 ・ 院内急変あるいは予定外手術による緊急ICU入室事例 (2)インフォームドコンセントの質向上 説明同意文書の記載内容と書式の院内統一 説明同意文書承認制度の導入 診療録ピアレビュー制度の強化 (3)医療安全管理部の機能強化 医療安全管理部を医療の質・安全管理部に改組 専任の医師ゼネラルリスクマネージャー(GRM)を1名増員 2.保険診療制度の遵守 (1)保険診療管理センターの設置 責任医師の配置により保険診療制度に関する教育、監査、指導を主導 (2)事務部門の強化 診療報酬請求担当を外注から有資格の病院職員へ切り替え、スキルアップ 3.新規もしくは高難度の医療行為導入時における倫理審査体制の整備 (1)審査対象となる医療行為の明確化 各種倫理審査委員会の規程を見直し、審議対象を明確に規定 ・保険適用外の新規医療行為は臨床試験審査委員会(IRB)へ申請 フローチャートを作成し、届け出すべき委員会とその手続きを明確化 以下の医療行為に関する倫理審査を行う組織として臨床倫理委員会に専門委員会を設置 ・保険適用内ではあるが、高度侵襲的など、特に倫理審査を要するもの ・保険適用外であるが、生命維持のために、必要かつ緊急性を要するもの (2)実施結果報告の義務化と検証 承認した医療行為の実施結果の報告を徹底し、検証体制を確保する。 4.診療体制の見直し (1)ナンバー外科診療体制を廃止し、臓器別外科診療科に再編成して、各診療科に科長を配置する。 再編した後も各診療科長の責任のもと,確実に症例検討会を実施する。 (2)ナンバー内科診療体制を廃止し、臓器別内科診療科に再編成して、各診療科に科長を配置する。
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