名古屋大学医学部附属病院医局/後期研修プログラムアンケート 記入日

名古屋大学医学部附属病院医局/後期研修プログラムアンケート
1.診療科(部)名
救急部・集中治療部
2.診療科(部)長
(代理)高橋英夫
3.医局ホームページ
http://
4.医局長
高橋英夫
5.連絡先
Tel/Fax:052-744-2659/052-744-2978
E-mail:[email protected]
記入日: 2009 年 3 月 27 日
記入者(役職)
:高橋英夫(准教授)
本アンケートは、初期研修終了後のキャリアパスについて名大の各医局にお伺いするもの
です。後期研修プログラムおよび医局に関する質問がございますので、あわせてお答えく
ださい。
*昨年度よりネットワーク独自のホームページを立ち上げ、一層充実した情報発信を行っ
ていく予定ですが、アンケートの中でホームページへの掲載を望まない項目がございまし
たら、
「ホームページ掲載不可」等、その項目がわかるように特定してください。
【後期研修について】
1. 後期研修医の位置づけについてお伺いします。
A. 貴医局では初期研修終了後の医師をどのように位置づけておられますか。
(○)後期研修医
(
)専攻医
(
)修練医
(
)専修医
(
)その他:
2. 後期研修プログラムについてお伺いします。
A. 後期研修プログラムをすでに用意されていますか。
(○)はい
(
)いいえ:今後、後期研修プログラムを作成する予定はありますか。あるとすれば、いつ頃
でしょうか。
(
)ある
→
完成予定:平成(
)年(
)月頃
※以下、できる限りお答え下さい
(
)ない
→
後半の医局アンケートにお答えください。
後期研修プログラムの目的と目標(複数ある場合はそれぞれについてお答えください)
目的:後期研修医として救急、集中治療の専門初期診療を担うことができるようになる
目標:救急医、集中治療医としてひとりで初療対応ができる
見逃しては行けない疾患や頻度の高い疾患を挙げることができる
患者の全身状態を管理できる
患者の状態を把握し、病態・疾患に応じた対処ができる
医学情報を網羅的に収集でき、批判的吟味を行い、活用できる
B. 後期研修の責任者を教えてください。
責任者:真弓俊彦
部署・役職:集中治療部 講師
内線番号:2659
E-mail:[email protected]
C. プログラムの請求など、後期研修に関しての各種問い合わせ先を教えてください。
責任者:真弓俊彦
部署・役職:集中治療部 講師
内線番号:2659
E-mail:[email protected]
D. 後期研修プログラムは何年間ですか。
0.5-3 年間 (目的、カリキュラムによる)
E. 後期研修にあたり、初期研修で期待していることはありますか。
救急や集中治療の重要性や醍醐味を実感して欲しい
後期研修終了後の一般的な進路について教えてください。
以下のいずれかを選択できる
専門医資格獲得をめざして救急や集中治療の担当医として引き続き大学病院に残り、医員、助手となる
専門医資格獲得をめざして救急や集中治療の担当医として名古屋市内外はじめ全国の地域病院に赴任する
専門となる希望の科、部署に移る/戻る
アメリカ、オーストラリアなどに留学し、臨床や基礎研究を行う
F. 後期研修内容やシステムについて後期研修医の意見を反映させる機会はありますか。
お互いの feedback を生かし、さらによいプログラムを構築していくとともに、個別の希望にも応じる
G. その他、貴医局での後期研修プログラムでの特徴を教えてください。
(関連病院における後期研修医に対する考え方を含めて)
関連病院にはない、大学としての豊富な人材、教材、学習機会、時間的余裕を生かし、質の高いプログ
ラムとなっている。
【医局について】
1.医局の概要
A.医局の歴史
昭和 60 年
集中治療部設置
平成元年
武澤が同副部長に就任
平成 5 年
救急部と集中治療部の合同運用開始
平成 6 年
救急医学講座新設
武澤が初代教授就任
B.医局の構成(現時点での在籍者の構成)
総数
6名
教授:
0名,
研究生:
(うち名大卒
名,
教員:
2名)
6名,
客員研究者:
名,
医員:
名,
大学院生:
1名
C.各研究室の構成
研究室(班)名
専門分野・研究テーマ
patient safety、臨床研修の安全管理
チーフ名
高橋英夫
真菌感染症の早期診断手法の開発
有嶋拓郎
重症感染症と chemical mediator、各種ガイドライン
作成
真弓俊彦
人工呼吸プロセスの自動制御、医療機能評価
構成人数
小野寺睦雄
H. 最近の入局者数
名大卒(男)
名大卒(女)
他大卒(男)
他大卒(女)
平成 17 年度
0
0
0
0
平成 18 年度
0
0
0
0
平成 19 年度
1
0
0
0
平成 20 年度
0
0
0
0
I. 国内・国外で交流のある研究室
国内:大阪大学医学部附属病院集中治療部、東北大学医学部附属病院集中治療部、山口大学医学
部救急医学講座、岡山大学医学部附属病院集中治療部、愛媛大学医学部附属病院集中治療部・救
急部、国立循環器病センター外科系 ICU
国外:オーストラリア Univ. New South Wales Intesive care medicine(St. George Hospital)
、
米国 MGH respiratory care unit、Washington University Department of Surgery and Trauma
J. 貴医局の関連病院を列挙してください
1 名古屋第一日赤病院
5 半田市民病院
2 名古屋掖済会病院
6 公立陶生病院
3 大垣市民病院
7
4 豊橋市民病院
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
(書ききれない場合は人事交流の盛んなものから順に 32 病院まで記入してください)
K. 現在の貴医局における医師の充足度(当てはまる項目に○をつけてください)
(○)極端に不足
(
)不足
(
)過不足なし
(
)過剰
( )極端に過剰
2.卒後臨床教育について
A.貴医局の関連病院での卒後初期臨床研修で研修医に期待していること及びサポート体制
救急の面では確かに common disease を沢山みるのには一般市中病院の方が適しているか
もしれないが、一般に up-to-date な情報を logical な方法で実践するには、スタッフの揃っ
た大学病院での研修のほうが適していると考える。
(市中病院では、慣れると忙しいルーテ
ィンワークをこなすだけになりがち) 集中治療医学に関しての初期研修は、重症患者を如
何に管理しているのかを体験する程度であろうが、24 時間専従のスタッフがいる名大病院
ICU での研修内容の、市中病院での実践は不可能と考える。 いずれにしても一長一短が
ある。
B.名大病院研修に対する取り組み(必要性、メリット、医局としてのサポート体制など)
救急部での研修は現在の診療体制では夜間の救急患者を中心に行っているが、疾患に一部偏りのあるも
のの患者数は十分確保されている。また病院全体で救急医療を行うとの方針が明確であり、各診療科との
連携も良好で、専門医へのコンサルトという面でこれ以上の施設はない。毎朝カンファレンスで診療内容
のチェックがあり、
問題点を研修医に feedback している。
集中治療医学に関しては、文献検索等に必要なインフラも整備されており、ディスカッションを通して
論理的思考を訓練する場としても適切と考える。また本人の姿勢にもよるが、学会発表も行ってもらうよ
うにしており、
研修内容も研修医からの feedback を積極的に取り入れて教室全体で研修内容の変更・改善を行ってきて
いる。
3.卒後研修終了後の進路について
A.2 年間の初期研修終了後の進路(貴医局で一般的なルールやコースなど)
Critical care を行う上での基本的 requirement の達成状況と本人の希望により決定する。 呼吸管理
を行う上で、麻酔科での 1〜2 年の研修は一応必須項目としているが、その後は subspecialty を考えて、
適当な病院で 3〜4 年研修して頂いてから、アカデミックポジションでの研究に興味があれば、大学に戻る
のが一般的コースと考えられる。名大病院では後期研修として麻酔科、集中治療部、救急部の横断的医療
を行う中央診療部門をローテートするプログラムを提供している。 いずれの診療部門に進むにしてもユ
ニーク且つ有用な研修プログラムである。また、今後中央診療部門の重要性が一層高まることは必至であ
り、subspeciality として研修する上でも適切なプログラムと考える。
B.勤務先の病院の決め方について
各人と協議のうえ関連病院および希望病院で適切と思われる病院で研修をしてもらう。
最低最初の半年~1 年は大学病院の集中治療部で研修を行なうのが望ましい。
C.関連病院から大学病院へ帰局を希望する場合、身分による帰局の時期・待遇・duty・在局期間等の差異
について
帰局時期(卒業)
平均在局期間(年)
メリット
主な duty・留意点
医員
随時
ICU では給与加算がある
ICU,救急部の業務
研究生
随時
研究年限に加算される
特になし
大学院
随時
学位を早く取得できる
研究を主体とする
D.名大病院で研修した場合、入局後の進路への影響
研修医の先生との意思確認等が早期からできるため、研修内容の検討、研修先および大学院入学等の決定
に関してはメリットがあると考える。
E.国内・国外へ留学希望者に対する取扱い
留学希望については考慮するが、academic position での留学は国内である程度の実績が必要とされるの
で、論文の有無が重要となる。 またオーストラリアについては臨床での留学は可能であるが、英語力お
よび熱意、臨床能力が適当と判断される必要がある。
4.入局について
A.希望する入局者数
社会的ニーズには到底合致しないほど少ない
B.入局制限について(あれば具体的に)
特になし
C.入局手続きについて
i) 入局説明会について実施時期などを含め具体的にお書き下さい。
特に実施時期は設けていないので、連絡次第適宜行なう
ii) 入局手続きについて実施時期、内容などを含め具体的にお書き下さい。
覚え書き程度の誓約書
iii) 詳細の告知はどのような形で行われますか(複数回答可)
。
(
)関連病院への通知
(
)貴医局のホームページ
(○)医局への問い合わせ
担当者:真弓俊彦
(
)その他:
D.貴医局の関連病院以外の病院で初期研修した者が入局を希望した場合の対応
差別は全くない
E.後期研修等により卒後 2 年以上経過した者が入局を希望した場合の対応
問題ない
F.女性の入局希望者に対しての考え方(産休,育休,休職後の職場復帰など)
勤務の duty は他の男性医師と同様、 勤務は労働基準法に準拠して決定しており、規定の産休・育休は
当然の権利である
職場復帰は特に問題ないが、場合によっては事情を考慮して勤務態勢を考える
G.貴医局に入ることのメリット
将来的に集中治療、救急領域で仕事をする意思があり、大学及び東海地方の病院での勤務を希望している
のであれば、就職等に際しての勤務条件等のプレスティジを期待できる。
(但し大学としては、医局の
都合で就職後のローテーション等を勝手にやることはない
5.大学院について
A.大学院進学希望者に対する取扱い、留意事項
漫然と学位のみ早く取得するための大学院入学は意味がない。 大学院入学のための目的(大学院で研
究したい内容等)を明確にし、面接を行い研究に対する意思と将来アカデミックポジションを目指すかど
うかを確認する。
B.大学院進学のメリットおよび大学院進学の時期
短期間での学位の取得、研究に対する基本的能力の獲得
時期は本人次第であるが、経済的なことを考えると、後期研修が終了した時点が適切と考えられる。
C.大学院生の研究期間
原則 4 年間
D.大学院在学中の収入(年収ベースでお答えください)
奨学金+アルバイト(専門医等の資格を持っているか否かによりかなり差が生じる)
E.大学院生の卒後の進路
集中治療および救急専門医として臨床能力を持つことが最低条件。
従って初期研修終了時点で大学院へ入学した場合には、数年間の臨床修練を行なう(関連病院および名
大病院)
。
その他、大学のスタッフとしてアカデミックポジションでの就職の選択もある。
6.学会および認定医・専門医・標榜医などについて
A.学会
i) ぜひ入会しておくべき学会
日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本臨床救急医学会
ii) できれば入会しておくのが望ましい学会
呼吸療法医学会、腹部救急医学会、日本麻酔科学会等
iii) その他特記事項
医療の質・安全学会
B.認定医・専門医・標榜医など
iv) 貴医局に在籍することで十分とりうる認定医・専門医・標榜医など
集中治療指導医、救急専門医、救急指導医
v) 場合によってはとりうる認定医・専門医・標榜医など
麻酔専門医(但し、麻酔を専従とする期間が必要)
vi) その他特記事項
なし
7.貴医局の今後の展望について、その他ご自由にお書きください。
国立大学病院の今後のあるべき姿のビジョンに示される様に、救急医学は臨床的に必要不可欠な医学領域
であり、general internal medicine
せていかなければならない。
片や critical care medicine と協力関係を保ちながら、発展さ
今後の病院経営、患者サービスの面からは救急部門を経由した患者数の確
保は重要であるが、臨床研究、医療の質の見地からも現在実施されている治療・診断に関してやるべき課
題は山積しており(換言すると拠所となるエビデンスは少ない)
、一層の人材の確保が必要とされる。国立
大学の独立行政法人化や包括支払い方式の導入等、日本の医療体制は激変しつつあり今後のさらにドラス
ティックは変動が予想され、中小病院の閉鎖・合併により総合病院の救急外来を利用する患者数は増加し、
ますますその必要度は増加することが予想される。また経営戦略上急性期病院では手術件数の増大とそれ
に伴う集中治療室に対する需要の増大、安全性を確保と質の向上等、救急部門のみならず集中治療へのニ
ーズも高まることが確実であり、優秀な人材が必要である。従って大学病院の使命としては関連病院での
研修の充実のためにも核となる優秀な人材の育成が挙げられる。臨床面だけでなく基礎的医学分野の面で
も対象となる研究領域は広く、subspeciality の選択の幅は十分あり、自分の興味を失わずに研究を継続
していくことも可能と考える。今後中央診療部門の重要性はますます高まり、総合的マネジメント能力を
有する医師に対する需要も増大することを考えると、救急・集中治療部門の将来性(経済的、社会的)は開
けており、多くの人材が我々と働かれんことを希望するものである。