NEC Case Study_JP_B

ユーザ事例
海外拠点の人材をSuccessFactorsで統一的に管理
海外事業の拡大に欠かせない
幹部候補と高度専門技術者の発掘、
育成につなげる
• 業種:情報産業
日本電気(以下、NEC)
の創業は1889年。米ウェスタン・エレクトリック
(現アルカ
テル・ルーセント)社との合弁会社として設立された同社は、1919年には1号大
形共電式市外交換機の国産化に成功、翌年には住友電線製造所と資本提携し、
通信に特化したビジネスを展開します。
コンピュータの研究開発に着手したのは
54年から。77年には
「C&C(コンピュータと通信の融合)」
という理念を提唱し、
以後ITとネットワークの両分野に注力した事業が展開されていきます。現在はクラ
ウドコンピューティングを活用したITサービス事業のほか、
プラットフォーム事業、
キャリアネットワーク事業を中心に展開。
「人と地球にやさしい情報社会」
の実現
に向けたグローバルなソリューションを提供しています。
• 地域:日本
• 導入に至った経緯
日本電気株式会社
• 社員数
単独 2万3935人(2011年3月末現在)
• 会社概要
社員プロファイル
後継者管理
キャリア開発
パフォーマンス管理
• 使用開始
2011年2月
• ビジネスへの効果
• 海外拠2点の管理職候補の発掘、育成
の容易化
• プロフェッショナル(技術者)
のスキル
の一元管理し、育成計画に活用
「ここ数年、
当社では海外事業の拡大を急いでいます。。人事部門としてもこの経
営戦略を支援する仕組みの構築が求められていました」
こう語るのは人事部人事マネージャーの佐藤秀明氏。
佐藤氏は国際人事企画担当。
つまり海外拠点を含めたグローバルな人事施策の企画、実行に携わっています。
ITソリューションプロバイダであるNECではもちろん人事システムは古くから導入
されており、
「国内については、
どんな人材がいるか、社員1人ひとりのスキルや経
験、
コンピテンシーなどがきちんと見えるようになっている」
と佐藤氏。
しかしなが
らグローバルとなると、
「海外では拠点ごと、
もしくは地域ごとに固有の人材システ
ムを導入しているため、
どんな人材がいるか本社から直接、見ることができなかっ
た」
(佐藤氏)
のです。
そこで人事部ではグローバル拠点の人材を把握する仕組みづくりに取り組むこと
になったのです。
「まずは将来の幹部候補となる社員と、
システムエンジニアやシステムインテグレ
ーターなどの専門性の高い技術者について、
グローバルに情報を共有できるツー
ルを探していました。」
(佐藤氏)
検討の結果、SuccessFactorsを選択。
その理由について佐藤氏は次の3点を挙
げます。第一は、SaaSで提供されるため、短期間での導入が可能になること。
「私
たちの最大の目的は、数十ある海外拠点の人事情報を素早く集めること。
そのた
めにはグローバルに素早く展開できる情報システムが必要だったのです」
(佐藤氏)
第二はグローバルシェアがナンバーワンだったこと。
「導入している企業が多いということは、
それだけソリューションが汎用的で安定
しているということ。海外拠点の人事部門にも安心して紹介できる、
と考えました」
(佐藤氏)
第三は多言語に対応しているところ。
「当社のようにグローバルでの活用を考えて
いる企業では、多言語対応は不可欠です」
(佐藤氏)
サクセスファクターズ / ユーザ事例
NEC
• SuccessFactors導入で施策を推進
SuccessFactorsの良さは、直感的に操作で
きるところ。多言語にも対応しているので、
グロ
ーバル展開している企業で人材の見える化を
考えている企業にとって適したツールだと思い
ます
人事部人事マネージャー
佐藤秀明氏
2010年9月よりSuccessFactors導入プロジェクトを
開始。導入するモジュールは社員プロファイル、後継者管
理、
キャリア開発、
パフォーマンス管理。先述したように
NECではこれまでも各拠点に人事システムが導入され
ています。
「まずはそれらのシステムはそのままに、
そこか
ら必要なデータだけを収集してSuccessFactorsに投
入する方法でスタートした」
と佐藤氏は語ります。
そのよ
うな形態にした理由は、稼働までのスピードを重視した
からとのこと。
システムが完成したのは2011年2月。海外拠点から必
要な情報を集めてSuccessFactorsに入力し、
同年7月
には後継者計画が稼働。実際システムを触ってみて佐藤
氏は、
「ユーザフレンドリーなシステムだ」
と感じたといい
ます。
「このシステムのユーザは、後継者管理では経営意幹部
と私たち人事部門、
またキャリア開発では海外拠点の技
術者です。基本的には特別なトレーニングをすることな
く、
直感的に操作できるようになっているのがいいですね」
(佐藤氏)
情報システムのみならず、制度や仕組みの構築も含めたプロジェクトのため、
同年10月に入り
「ようやく経営幹部がグ
ローバルな幹部候補者に関する情報を活用できる状態までくることができました」
と佐藤氏は語ります。一方の海外の
技術者を対象としたキャリア開発モジュールはこれから本格稼働を迎える段階だといいます。
このシステムの真の効果が得られるのはまだ先のことですが、
「プロジェクトを立ち上げから約半年で人事情報システ
ムが稼働できたことは、高く評価しています」
と佐藤氏。
しかし短期間での本稼働にはある条件が必要だった、
といいま
す。
それは
「ユーザのニーズを正確に理解しシステムに反映するプロジェクトマネジャーの存在」
でした。
「提供されるツールをそっくりそのまま使うのであれば、
そのような役割は不要かもしれません。
しかし私たちの場合、
ユ
ーザーが経営幹部であることから、
すばやい情報の理解と意思決定のために最低限必要なカスタマイズがどうしても
必要になります。例えばある箇所をカスタマイズすると他のモジュールにどう影響するか、提供されるフォームはどこま
でが変更可能で、
どこからは困難なのか、
それに伴うスケジュールへの影響はどの程度あるのか、
など、疑問が出るたび
にSuccessFactors側に確認することは避けて通れません。
グローバルなプロジェクトだけに、
その役割がプロジェク
トをスムースに進めるカギだと感じていました。
当社の場合はもともとSaccessFactorsを核としたITサービスの提供
を行っている
「グローバルサービス事業部」
が社内にあり、
ここの社員がプロジェクトマネジャーを務めてくれたので、
そ
うした意思疎通は比較的スムースに進んだと思います。」
(佐藤氏)
• 今後の展望とSuccessFactorsへの期待
今後、人事部ではグローバル事業の拡大には不可欠となるリーダーの発掘、育成に役立つシステムとすべく、各拠点の
システムとより円滑に情報のやり取りができるような運用ルールを作成する予定だといいます。
また海外の高度技術者
を対象としたキャリア開発については、
「本社と現地のビジネスニーズに沿って、対象となる事業領域と地域着実に拡
大してゆく計画」
と佐藤氏は今後の展望を話しました。
またグローバルサービス事業部マネージャーの 賢一氏は
「当社での導入経験を生かして、
ユーザとSuccessFactorsとのスムーズな連携を含め、付加価値のあるサービスを提供していきたいですね」
と語ります。
経営戦略と人材戦略は表裏一体の関係ともいえます。
めまぐるしく変わるビジネス環境に対応するため、経営戦略も柔
軟に変化していかねばなりません。
当然、人材戦略もそれに追随することが求められます。
「グローバルに事業を拡大するのであれば、
これからは規模の大小にかかわらず、
どんな企業でも人をグローバルに可
視化できるよう、人事情報ツールをバージョンアップする必要があるのではないでしょうか。国内だけであれば現状で
問題はないかもしれませんが、
グローバルに拠点を有し、
かつ現地で付加価値を生み出そうとする企業の場合は、現地
の人材情報を本社が収集しそれを戦略的に活用することが必要になります。
当社はそれを容易に実現してくれるものと
してSuccessFactorsの活用を始めました。人事のひとりとしては、導入・活用事例はもちろんですが、
あらたに用意さ
れたモジュールやテンプレートの開発背景についても紹介があると、
グローバルな人事施策の潮流を理解するヒントと
なるのでうれしいですね」
(佐藤氏)