<答申の概要> ◆答申の特徴について ○市街化調整区域のうち「みどりの聖域」及び「人と自然との共生ゾーン」に指定されていな い場所(以下、「未指定エリア」)には、まとまった樹林地が存在する区域があることから、 新たな指定の必要性を示している。 ○未指定エリアにみどりの聖域を指定する際には、当初指定時の緑地の評価方法を踏襲したう えで、盛り込むべき新たな視点(集約型都市構造・安全安心なまちづくり・良好な景観・生 物多様性・里山保全活動等)について示している。 ○新たに区域を指定する際に留意すべき事項として、「レッドデータ指定地」や「里山保全活 動地」、「既存計画との調整」、「関係者との協議」等について示すとともに、より価値の ある施策とするために市民に対する広報・啓発の取り組みを進めていくことについて提案し ている。 ◆答申内容について (1)答申の背景・課題 ・「みどりの聖域」は平成 4 年に市街化調整区域における緑の保全と秩序ある市民利用の調和 を図っていくことを目的として指定した区域で、市街化調整区域約 35,000ha の内、未指定エ リアは約 2,100ha(みどりの聖域が約 14,900ha、人と自然との共生ゾーンが約 18,000ha)と なっており、未指定エリアの中にも良好な樹林が存在している。 ・未指定エリアは都市計画の定期的な線引き見直しによって面積が増加しているとともに、震 災後、六甲山南麓において六甲山系グリーンベルト整備事業により防災機能の向上が図られ てきており、緑地の重要度が増してきていることから、新たな指定を検討する必要が生じて いる。 ・みどりの聖域の当初指定から 20 年以上が経過していることから、指定する際には当初指定時 の緑地の評価方法を踏襲したうえで、新たな視点を盛り込むべきである。 図「みどりの聖域」と「人と自然との共生ゾーン」の指定状況 (2)みどりの聖域指定区域を変更する際の新たな視点 ①集約型都市構造への転換、②安全安心なまちづくり、③良好な景観を形成する緑、 ④生物の多様性を支える緑、⑤市民参画による里山保全活動、⑥森林の保健・レクリエーシ ョン利用、⑦CO2 吸収源としての緑への期待、⑧ヒートアイランド現象の緩和 (3)指定区域変更の基本的事項 ・未指定エリアについては、緑地の重要度評価を行い良好な緑地には指定を検討。 ・既指定区域については、原則、現状の指定区分を継続。 (4)緑地の重要度評価 図 緑地の重要度評価のフロー ・レッドデータ指定地 a 自然環境保全評価 ・里山保全活動地 ・観光資源 b 国土保全評価 c 保健休養評価 区域の指定 緑地の重要度評価 防砂の施設 e 緑地体系評価 d 景観評価 ・既存計画との調整 眺望景観50選・10選 緑の基本計画など 近郊緑地保全区域 特別緑地保全地区 ・関係者との協議等 ・広報、啓発 (注)赤枠で示した項目は緑地の重要度評価に際し、新たに設けた項目 (注)青枠で示した項目は区域を指定する際の留意事項等 (5)区域を指定する際の留意事項 ・緑地の重要度評価以外に個別に留意すべき事項 ①レッドデータ指定地、②里山保全活動地、③観光資源となる森林 ・既存計画(都市計画マスタープラン、緑の基本計画、具体的な開発計画等)との調整 ・関係者(関係行政機関、土地所有者)との協議や計画的かつ段階的な実施 (6)市民に対する広報・啓発 ・定量化が難しい価値・効果(防災機能・景観形成・環境改善機能等)を、できるだけわか りやすい方法で評価し、発信していくことを検討すること。 ・ホームページなどのICTをはじめ、様々な情報媒体を活用してわかりやすく市民に伝え る取り組みを行うこと。
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