千葉市における取付管等 管理の現状と課題

千葉市における取付管等
管理の現状と課題
鎗田 篤冶
千葉市建設局 下水道建設部
下水道計画課 課長補佐
ヒルズ」と言われた超高級別荘地で有名に
1 千葉市の下水道
なったところです)で、標高が海抜 80 mく
らいです。
千葉市は約2万 7,000ha の市域があり、と
公共下水道区域は、13 市町の生活排水や
ても平坦な地形の都市です。標高が一番高い
工場排水を処理している千葉県管理の印旛沼
のが「土気」という地域(一時期「チバリー
流域下水道関連処理区と、千葉市が整備して
と
け
図-1 千葉市公共下水道計画図
印旛処理区
南部処理区
中央処理区
T
T
T
T
中央浄化センター
(県)花見川第二終末処理場
管きょ延長 L=3,612 ㎞
普及率 97.2%(H23 年度末)
(県)花見川終末処理場
南部浄化センター
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いる中央処理区と南部処理区の2つの単独処
区で観測されています。
理区で、その面積は約1万 6,000ha となりま
この中で、市の南西部に位置する美浜区と
す(図-1)
。
いう地域があります(図-2)
。この美浜区
残る区域は、本市の東南部に多い農村集落
は、千葉県企業庁が高度経済成長に合わせて
を対象とした農業集落排水と、合併浄化槽で
昭和 40 年代から工業地帯、
ベッドタウン等々
整備を進めています。農林水産省所管の農業
として埋立事業を進めた地域で、区域のすべ
集落排水事業は平成の初めに私の所属とは違
てが埋立地区となっています。造成と合わ
う別の部署が計画を立て事業展開をスタート
せて下水道が整備されたので普及率は 100%
しましたが、現在は遅ればせながら管理の一
で、本市の中で唯一下水道普及率 100%の行
元化を進めているところです。
政区です。埋立地なので当然、土質は砂・シ
公共下水道の整備状況は、管きょの整備
ルト質土で、地下水位が高い(GL - 1.0 m)、
延長が約 3,600㎞で、下水道処理人口普及率
埋立地特有の地区です。
が平成 23 年度末現在で 97.2%となっていま
美浜区には、西部に我々が応援している千
す。本市では公共下水道と農業集落排水、合
葉ロッテマリーンズの千葉マリンスタジアム
併浄化槽の3事業で 100%の水洗化を目指し
や幕張メッセといわれる国際展示場等がある
ているため、公共下水道の MAX の普及率は
業務商業地区、学校等の文教地区、中央に住
98.6%となり、残りを農業集落排水と合併処
宅地区、東部に食品・運輸関係の工業地帯が
理浄化槽で整備する計画です。
集積している地区がありますが、この地区が
東日本大震災の影響を受けて面的に液状化
2 東日本大震災による被災状況
し、下水道施設に大きな被害を受けました。
幸いなことに亡くなった方はいらっしゃい
ませんでした。皆さんが活動している時間帯
2.1 被災状況
に発生したということも幸いし、重軽傷者も
ご存じのように、平成 23 年3
月 11 日、三陸沖の深さ 24㎞を震
図-2 被災した美浜区の概要
源として、国内観測史上最大規模
となるマグニチュード 9.0 の東北
稲毛区
た。この地震の特徴は、兵庫県南
花見川区
地方太平洋沖地震が発生しまし
部地震に比べて揺れる時間が長
かったということです。阪神・淡
若葉区
緑区
中央区
美浜区
路大震災が 20 秒程度の揺れだっ
たのに対して、東日本大震災では
国道 357 号
200 秒以上揺れが続きました。最
大震度は宮城県栗原市で震度7を
JR 京葉線
海浜幕張駅
検見川浜駅
稲
記録しましたが、本市では、震度
5強が中央区、花見川区、若葉区、
美浜区で、震度5弱が稲毛区、緑
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駅
岸
海
毛
千葉みなと駅
写真-1 マンホールの浮上
写真-2 マンホールのズレ
16 人でした。
で新潟県中越地震等の被災写真でしか見たこ
下水道施設の被害は、600㎞ほどの延長が
とがない現象が、本市においても発生してい
ある美浜区の管きょの中で、7.6㎞が被災し
ることに大きな衝撃を受けました。
ました。また、処理施設では市の単独処理区
写真-2は、マンホールの内部を示したも
の南部浄化センターで、チェーンフライトが
のです。少しわかりづらいですが、蓋が完全
破断するという被害もありました。
にズレています。マンホールも直壁がすべて
美浜区の住宅被害は 1,664 件で、すべて液
ズレており、閉塞して汚水が滞水し始めてい
状化による宅盤の傾き等によるものです。内
る状況です。
訳は全壊 19 件、大規模半壊 263 件、一部損
写真-3は、取付管の被害状況です。左上
壊 1,053 件です。この中で特に家屋の損壊が
は塩ビ管の支管接続で、本管、取付管とも塩
激しい 133 ヵ所を抽出し、カメラ調査を実施
ビ管という組み合わせは漏水等もなく強いと
した結果、機能が停止し、修繕等が必要な取
言われていますが、結束線で止めてあるにも
付管が 40 ヵ所となりました。
かかわらず破断し完全に壊れてしまったとい
具体的な被災状況を紹介します。写真-1
う状況です。右は取付管が抜け出してしまっ
は、マンホールの浮上です。JR 京葉線・海
たところです。
浜幕張駅周辺のホテル街の一角です。これま
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写真-3 取付管の被害
ともない状況になっています」という報告を
2.2 応急対応および応急復旧
受けましたので、急きょ下水道台帳を引っ張
これらの被災に対し、我々がどういう対応
り出し、美浜区を 11 区に分割し、11 班の班
をしたかを報告します。
体制で調査ができるよう徹夜で準備を進めま
まず応急調査として、被災の翌日(3月
した。
12 日)~翌々日(3月 13 日)と、3月 17
この調査結果を踏まえ、本復旧調査を行い
~ 18 日の2回、
市の職員を 11 班に分けて
(延
ました。本管についても同じような応急対応
べ 44 人)、全体で 28㎞の管きょとマンホー
を行っていますが、ここでは取付管の調査だ
ル 750 基について行いました。この調査では
けを報告します。4月 11 ~ 22 日に、職員3
実際にマンホール蓋を開け、目視によって流
人が本復旧のために必要な取付管カメラによ
下機能が果たされているかどうかを確認しま
る調査を、延べ 133 ヵ所について実施しまし
した(写真-4)
。
た。
この調査に際しては、被災当日3月 11 日
その結果、応急復旧工事が必要な箇所が
の夜、被災状況を確認するための第1陣を現
40 ヵ所あり、3月 15 日~7月4日に工事を
地に出しました。その第1陣が青ざめた顔で
行いました。本復旧調査と応急復旧工事の期
戻り、「ひどい状況です。これまでに見たこ
間が少しダブっていますが、本復旧調査の時
写真-4 調査の状況
点で明らかに不具合がありそうだと思われる
箇所については、市民に迷惑をかけないため
に、3月 15 日から緊急的に工事を始めたと
ころもあります。
この応急復旧工事は、排水設備の設計・施
工を行う指定工事店の組合である「千葉市上
下水道指定工事店協同組合」に協力をお願い
し、応急復旧にあたっていただきました。
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ために敷地内に入るための同意を得るのに苦
千葉市における
3
取付管等管理の位置付け
労しているのが実状であり、下水道部局とし
て公共ます、取付管の管理の位置付けが難し
ここで、本市における取付管等管理の位置
い状況です。
付けをお話しします。
なお、公共ます、取付管の構造や設置基準
本市では原則、公共ますは1宅地に1ヵ所
は、
『下水道施設計画・設計指針と解説』に
設置しています。公共ますは道路境界線から
準じて設置しています。
1m以内の宅地内に1ヵ所設置するのが、本
4 取付管等管理の現状と課題
市の整備の基本方針になっています(図-3
参照)。土地、家屋所有者に排水設備配管の
流末管きょの位置を確認し、公共ますの設置
位置について同意書をいただいて整備しま
4.1 維持管理の現状
す。
下水道の場合、皆さんご存じのように上水
自治体の中には公共ますがないところもあ
道のように検針業務がありません。上水道の
ると伺っていますが、本市においては、合流
使用量を検針していただき、そのデータを頂
式下水道区域や、宅地と道路の高低差1m以
戴して、上水道料金に下水道使用料を付加す
上といった特殊条件のところは、道路上に公
るかたちとなっています。そのため、詰まり
共ますを設けて排水設備と接続していただい
等の不具合が発生し、住民から苦情を受けな
ています。
い限り、公共ますや取付管等の、行政による
ただし、原則として公共ますが民地の中に
日常点検は行われていません。
あることから、土地、家屋所有者から管理の
具体的に申し上げれば、本市では下水道管
図-3 公共下水道管一般図(分流式)
洗面所
外流し
トイレ
浴 室
台 所
〔例〕
道 路
汚水
マンホール
雨水
汚水ます
雨水ます
1m以内
下水道本管(汚水)
汚水ます
公共汚水ます
取付管
U字溝
境界
汚水ます
汚水ます
雨水ます
雨水
排水設備工事
自己負担
(千葉市指定排水設備工事業者施工)
市施工
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きょの維持管理を請け負った業者に対し、公
ように支管というパーツがなかったうえ、施
共ますや取付管の点検管理を行うための証明
工技術も高くなく、ヒューム管の強度は二の
書を発行していますが、公共ますが宅地内に
次にして、ヒューム管の本管に鑿と金槌を
設置してあることから、維持管理業者は行政
使って削孔し、ヒューム管に取付管を突っ込
が管理する最終施設である公共ますまでの点
み、本管との接続部をモルタルで団子状に巻
検管理がしにくく、また、できていないとい
き立てるというものでした。
うのが実態です。
それは時代の流れで仕方ないことだと思い
その結果、排水設備の最流末にある公共ま
ますが、そういった材料や施工方法によるも
すの日常管理は、排水設備と一体で使用者に
のが長年の経年劣化によって本管内に突き出
委ねている状況であり、不具合等があれば行
したり、モルタルで囲んだところが破損し、
政に連絡をいただいて対処する、いわゆる発
その破損箇所から土砂が流入したりして、道
生対応型の管理となっているのが現状です。
路陥没等を引き起こす原因となっています。
先ほどは国総研の深谷講師より全国の道路
4.2 取付管および公共ますの劣化状況
陥没の実態をご紹介いただきましたが、本市
本市では昭和 10 年から公共下水道の整備
において近年3ヵ年に発生した道路陥没事故
に着手し、第二次大戦を経て戦後、昭和 20
件数は、22 年度 24 件、23 年度 32 件、24 年
年頃より戦災復興に合わせて本格的に整備を
度 21 件となっており、その9割以上が取付
始めています。そのため、下水道の古い施設
管に起因するものとなっています。
は昭和の時代に整備されており、その多くは
取付管の不具合を具体的に写真で見てみま
コンクリート製品です。
取付管ではそのほか、
しょう。
陶管やボイド管(
「Zパイプ」という商品名
写真-5の左は、ヒューム管の取付管が本
の紙製パイプ)等がその時代に開発された住
管に突き出ている例です。本管のこの部分は
宅地に多く採用されています。それらの取付
流下能力が阻害されることにもなっていま
管や公共ますは、現在では経年劣化が進み、
す。布設当時は突き出した取付管をカッティ
継ぎ目等の損傷部分から木の根が入り込んだ
ングする技術もなかったのだろうと思われま
りして詰まりの原因になっています。
す。
また、当時の取付管の施工方法は、現在の
写真-5の右は、木の根が侵入している例
写真-5 取付管の突き出し・木の根浸入
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写真-6 取付管の突き出し・漏水
です。この写真は管きょ内部を捉えたもので
いということが挙げられます。寂しい限りで
すが、私が住民の方から苦情を受けて現場を
すが、行政マンとしての実感です。
見た中で非常に驚いたのは、公共ますの中に
第2に、排水設備や公共ます、取付管に対
びっしりと木の根が詰まって開口部が見えな
する耐震化が図られていないということで
かったことです。もちろん、排水設備からの
す。東日本大震災では、本管および取付管の
排水の流入は確認できませんでした。そのよ
機能が確保されていても、排水設備の破損に
うなケースが、とりわけ昭和 30 年代後半か
よる土砂流入等で下水道が使用不可能となる
ら 40 年代の高度経済成長時代に造成された
ケースが非常に多く発生しました。先ほど約
団地で非常に多く見受けられます。
1,700 件の住宅被害があったと申し上げまし
写真-6も、同じように取付管が突き出し
たが、そのほとんどの排水設備が被害を受け
ています。こちらは設置業者が少し良心的
ています。
だったのか、突き出した取付管の一部をは
そのため、下水道が流れない使えないとい
つって施工した努力の跡が見えますが(左)
、
う苦情が多く寄せられました。現場へ向かう
取付管管口周辺部の拡大写真(右)を見ると、
と、本管や公共ますは 100%ではないにして
継ぎ目部分に空洞があり、浸入水も見られま
も機能しているのですが、宅地内に入って調
す。これが合流式下水道の管きょであれば、
査すると、液状化によって建物が傾いている
満管状態になったときに圧力がかかって空洞
ので、建物に近接して施工されている排水設
部分に下水が入り込み、それが引くと土砂等
備のますが浮いたり、ますから排水管が抜け
を引っ張って、最終的には道路陥没を引き起
出たり、建物から出ている排水管が抜けたり
こすという結果になります。
折れたりしていました。
本市の水道は一時的には停止しましたが、
4.3 現状における課題
大きな影響もなく、まもなく使えるようにな
取付管等の現状における課題を見てみま
りました。その段階で、下水道の使用制限は
す。
かけていないので、トイレを使い、煮炊きを
まず第1に、宅地内に設置されている排水
し、入浴をしたところ、排水設備が破損して
設備や公共ます、取付管の維持管理に対する
いますから、家の周りで下水が溢れる事態と
利用者としての意識がガスや水道に比べて低
なり、
「下水が詰まっている。どうしてくれ
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るんだ」という苦情になったわけです。
また、排水設備についても、個人財産とは
排水設備の破損により、管路延長で 7.6㎞
いえ、下水道法の中で規定された公共下水道
の被災があったと申し上げましたが、この被
の設備ですので、耐震対策を進めていく必要
災以外に、管きょ内に土砂が流入して完全閉
があります。排水設備はこれまで、施工当初
塞をしてしまった異常箇所がたくさんありま
より耐震対策という視点では指導もされてき
す。道路上のマンホールを覆ってしまったと
ませんでしたし、施工者側もそういった視点
ころも数十㎞に渡ります。本市の道路は 44
では整備してきませんでした。公共下水道の
㎞被災しましたが、44㎞の道路がほとんど液
設備としていながら、本管等の公共下水道施
状化の土砂で一時覆い尽くされました。
設とははるかにかけ離れた整備水準になって
そこで我々の応急調査は、まずマンホール
いるのが実態です。このことは我々行政の大
を探すところから始まりましたが、この調査
きな課題と言えますが、排水設備の耐震対策
で判明した、管きょ内を閉塞させた土砂がど
を目的として、その設置・管理に係る耐震化
こから流入したかというと、マンホールの破
等の規制・指導の強化を図っていかなければ
損箇所ももちろんありますが、結果的に一番
なりません。
多かったのは破損した排水設備でした。排水
全国的にかなり大きな割合で巨大地震が発
設備から液状化した土砂が流入し、本管が閉
生すると言われています。我々行政が幾ら流
塞して使えなくなったという状況が非常に多
末管きょの耐震対策を実施しても、今のまま
く見受けられました。
では巨大地震が来たときに、同じことを繰り
課題の3点目は、1点目の課題として説明
返してしまいます。我々行政と市民が一体と
した管理に対する意識の低さに起因して公共
なって、そして排水設備に関わる事業者の皆
ますの上に建物を増築したり、土で覆い植樹
さんの技術開発を期待しつつ、そういった取
してしまったりする使用者もいて、維持管理
り組みを進めていく必要があると考えます。
が困難な状況になっているということです。
さらに、
排水設備の設置や管理については、
市民に対する PR がこれまでほとんどできて
4.4 今後の取り組み(考え方)
いませんでした。ですから、適切な排水設備
これらの課題に対する今後の取り組み、考
の設置・管理の必要性等を PR していく必要
え方としては、本管だけでなく、取付管、公
があります。ただ、宅内ますを開けて点検し
共ますについても更新・改良等は我々行政の
た振りをして高額な点検料を請求する悪質な
業務であり、今後、その対策を順次進めてい
業者がいるという話も聞いています。我々行
く必要があると考えております。先ほども申
政はそのようなことがないようにきちんと監
し上げましたが、本市の下水道処理人口普及
理監督をするシステムを構築していかなけれ
率は平成 23 年度末で 97.2%に達し、老朽化
ばなりません。そうした取り組みを行ってい
施設も増加してきています。このため、下水
くことによって、不適切な排水設備の改善を
道管きょに関わる仕事の主流は現在、長寿命
促していけるだろうと考えております。
化を含めた更新・改良に移りつつありますが、
これに加えて、私自身がぜひ推し進めてい
本管の更新・改良に合わせて、取付管および
きたいと考えている取り組みがあります。個
公共ますの、塩ビ製品への交換もしくは更生
人の給与水準が低下している中では、排水設
工事により、耐震対策を推進していきます。
備の改良、耐震化のお願いをしても、費用面
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で対応が難しい状況も考えられますから、行
す。
政サイドとしてそれを促進するための助成制
排水設備や公共ます、取付管に関しては、
度の立ち上げが必要ではないかということで
余談になりますがこのほか、下水道本管の浅
す。
埋設に伴って取付管、公共ますの勾配が取れ
この助成制度は、私自身が平成 17 年から
ない、そのために下水の流れが阻害され、管
6年間、本市の浸水対策の計画を主に担当し
口に堆積物が溜まり閉塞する、また勾配が取
た経験から辿り着いたものです。本市では平
れないためにネズミが住戸内に入り込む、な
成 20 年から3ヵ年、過去 50 年間の降雨の記
どの被害もあります。そのため、今後は下水
録を更新するゲリラ豪雨、集中豪雨が毎年あ
道施設だけでなく、下水道に繋がる施設トー
り、その度に浸水被害を受ける住民に呼ばれ
タルとしてこれらの問題を考えていかなけれ
て叱られ続けました。しかしながら、浸水対
ばならないと思っています。
策としてハードの整備は限界に達していて、
5 まとめ
いろいろ考えた末に事業化したのが、浸水の
常襲地域に対する防水板設置の助成事業で
す。この助成制度は、2年掛かりで予算化し
以上、本市における取付管等管理の現状と
ていただき、一昨年から運営しています。
課題について述べてきましたが、使用者であ
浸水被害に遭われた方たちはすぐにこの助
る市民が設置・管理する排水設備と、行政が
成制度に飛びついてくれました。まだ成長過
設置・管理する本管・取付管・公共ますは、
程の事業ですが、浸水に対する自助という住
ともに市民の方々の快適な生活環境を守るた
民の意識も高まっています。同じような思い
めに重要な施設です。今後も、これらの施設
が排水設備の改良、耐震化に対する助成制度
を適正に維持管理し、継続的に下水道サービ
立ち上げにもあり、それによって最終的な目
スを提供していくよう努めていきたいと思い
的である排水設備の維持管理に対する住民の
ます。
意識の向上に繋げていきたいと考えていま
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