10 月 7 日 (定義 1) 体 K の拡大体の元 α が体 K 上代数的とは, 適当な自然数 n と a0 , · · · an−1 ∈ K に対して αn +an−1 αn−1 +· · ·+a0 = 0 となることをいう. (補題 2)体 K の拡大体の元 α について, 多項式環 K[X] の部分集合 Iα = {f ∈ K[X] | f (α) = 0} を考える.Iα は K[X] のイデアルであり, K[α] ≃ K[X]/Iα が成り立つ. (復習 3)1) 環 R のイデアル I が素イデアル ⇔ R/I が整域 2) 環 R のイデアル I が極大イデアル ⇔ R/I が体 3) PID のイデアル (0) でない素イデアルは極大イデアル (定理 4)体 K の拡大体 L の元 α について, 以下は同値である. • α は体 K 上代数的. • K[α] = K(α) • dimK K(α) が有限. (証明のポイント)K[α] ⊂ L は整域ゆえ, Iα は素イデアルなので, Iα ̸= (0) ⇔ K[α] = K(α). (定理 5) α, β が体 K 上代数的なら, α ± β, αβ, α β もそうである. (系 6)体の拡大 F ⊂ K に対して, F 上代数的な K の元は, K の部分体となる. (定義 7) 1) 環 R と R の拡大環の部分集合 S に対して, R と S を含む最小の環を R[S] と書く. 2) 体 F と F の拡大体の部分集合 S に対して, F と S を含む最小の環を F (S) と書く. 問題は裏にあります。 2 1. 可換環の間の写像 f : R → S で以下の性質をみたすものを環準同型写像と呼ぶ. • f (x + y) = f (x) + f (y) • f (xy) = f (x)f (y) • f (1R ) = 1S 以下の写像は環準同型写像か. • ρ : Z → Z/2Z, ρ(x) = x + 2Z. • π : Z → Z, π(x) = x2 . • τ : Z/2Z → Z/6Z, τ (x + 2Z) = x + 6Z. • φ : Z/6Z → Z/2Z, φ(x + 6Z) = x + 2Z. √ √ • ψ : Q[X] → Q[ 2], ψ(f [X]) = f ( 2) 2. 環準同型写像 f : R → S に対して, 部分集合 Im f = {f (x) | x ∈ R}, Ker f = {x ∈ R | f (x) = 0} を定義する.以下の問いに答えよ. (1) Im f は S の部分環であることを示せ. (2) Ker f は R のイデアルであることを示せ. (3) 前問の写像のうち,環準同型写像であるものについて Im, Ker を調べよ. 3
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