解析学 D 自習用問題 No.8 (2014.12.19 配布) プリントは http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~takimoto/H26KaiD.html にも置いてあります. 以下の問題は皆さんが自習をするための練習問題です.レポートにして提出する必 要はありません.略解は HP に掲載します. (1) r, ρ > 0 とし,D = {(x, y) ∈ R2 | |x| ≤ r, |y| ≤ ρ} とおく. 2 (i) f (x, y) = 3|y| 3 は原点のいかなる近傍でも y に関する局所 Lipschitz 条件を満た さないことを示せ.即ち,どんな r, ρ > 0 に対しても ∃L > 0 s.t. ∀(x, u), (x, v) ∈ D, |f (x, u) − f (x, v)| ≤ L|u − v| は成り立たないことを示せ. dy = 3|y| 32 (ii) 初期値問題 dx は 2 つ以上の解をもつことを示せ. y(0) = 0 dy = y 2 (1 − y n ) (2) n ∈ N とする.このとき,初期値問題 (∗) dx を考える. 1 y(0) = 2 (i) 初期値問題 (∗) の解 y = y(x) はただ一つ存在することを示せ. (ii) 初期値問題 (∗) の解 y = y(x) は(その定義域上で)0 < y(x) < 1 を満たすこと を示せ. (iii) 初期値問題 (∗) の極大延長解 y = y(x) の定義域(解の存在範囲)は R 全体であ ることを示せ. (裏に続く) (3) 以下の問に答えよ1 . (i) p を [0, ∞) 上の非負値連続関数,C, α を非負定数とする.もし ∫ x p(x) ≤ C + α p(t) dt (x ∈ [0, ∞)) 0 が成立するならば, p(x) ≤ Ceαx (x ∈ [0, ∞)) が成立することを示せ. (ii) ϕ を R 上の連続関数,a, u0 ∈ R とし,次の初期値問題を考える. (R) u0 (x) + au(x) = ϕ(u(x)) (x > 0), u(0) = u0 . このとき,u ∈ C 1 ([0, ∞)) が (R) の解であることと,次が同値であることを示せ. ∫ x −ax −ax u ∈ C([0, ∞)) かつ u(x) = e u0 + e eat ϕ((u(t)) dt (x ∈ [0, ∞)). 0 (iii) (ii) において,さらに次を仮定する: • a > 0. • k ∈ [0, a) が存在して,任意の s ∈ R に対して |ϕ(s)| ≤ k|s| が成立する. このとき,[0, ∞) 上の (R) の解 u は lim u(x) = 0 x→∞ を満たすことを示せ. (iv) a ≥ 1 と仮定する.u を微分方程式 ( ) u0 (x) + au(x) = log 1 + (u(x))2 の任意の(極大延長)解とする.このとき,u の定義域は R 全体であり,かつ lim u(x) = 0 を満たすことを示せ. x→∞ 1 (i)∼(iii) の問題は平成 25 年度広島大学大学院理学研究科数学専攻博士課程前期の入学試験に実際に出 題された問題(平たく言えば 2 年前の院試の問題)です.(iv) は滝本が付け加えた問題です.
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