愛総研 ・研究報告 第 1 5号 20 13年 51 ダクト両端部の同時アクティブ消音 S i m u l t a n e o u sA c t i v eN o i s eC o n t r o la tB o t hEndso faD u c t 神谷恵輔 ¥ 金井孝治 tt K e i s u k eKamiyat, K吋iK a n a itt A b s t r a c t T h i sp a p e rp r e s e n tsam巴t h o df o rs i m u l t a n e o u sa c t iven o is 巴c o n t r o lo fb o t he n d so fad u c t .80f a r manyp a p e rsona c t iven o is ec o n仕0 1ha vebe e np u b l i s he d .Mos to ft h 巴m,h oweve r ,仕e a tt hep r o b le mo fn o i s e r e d u c t i o ni nones i d eo ft h ed u c. tThi spape rd is c us se sam巴t h o df o rs i m u l t a n e o usa c i tv en o i s巴 c o n t r o lo fb o t h end so fad u c tu s i n gs i n g l emic r o p h o n ep l a c e dne a rt ot h en o is es o u r ceandtwos e tsofc o n t r o ls pe a k e r sp l a c e d n e a rt ot h eb o t he n dso ft h ed u c. tF i r s t , bas e dont h巴 e x p r es s i o no ft h es oundi nt h ed u c to b t a i n e da sas umo f s oundwav e sp r o p a g a t e dfromt h en o i s es o u r c e,c o n t r o ls p e a k e r sandr e f l e c t i o n sf r o mt h ee n d s,ac o n 仕o l la wf o r n O l S巴 c a n c e l a t i o na tt h eb o t he n dsi sd e r ive d.Then,t h ec o nt r o ll a wi sa p p r oxi m a t e dt oi m p l e m e n tr e a lt i m e c o n t r o li nt hef o r moft h eI I Rd i g i t a lf i l t e r .F i n a l l y,e x p e r i m e n ti sc o n d u c t 巴dt oc o n f i r mt h ev a l i d i t yo ft h e p r e s e n t e da c t i v en o i s ec o n t r o lm巴t h o d 2 . 制御対象のモデル化と制御則の導出 1.緒言 近年、住宅街に情報通信用機器などが密集して設置され 2 . 1 制御対象のモデル化 るようになり、これらの機器から発せられる騒音が大きな 図 lに示すダクトを考える。このダクト内部には騒音源 問題となっている。本研究ではこのような騒音を低減する が置かれているとする。騒音源の左右に制御用スビーカー ための基礎的な取り組みとして、ダク トを取り上げ、ダク を 2つ配置し、制御用スビーカーと騒音源の聞にマイクを l ト両端部から発せられる騒音を低減するための方法につい つ配置する。マイクで測定した音を基に 、左右の制御用ス て検討を行う。騒音を低減するための方法として吸音材な ピーカーよりダクトの端部寄りの領域で騒音を消すことを どを用いるパッシブなものと、マイクおよび制御用スピー 考える。以下、制御則を導くための準備として制御用スピ カーを用いるアクティブなものがある。ここでは大きな消 ーカーを含めた系のモデ、/レ化を行う。なお、ダク トの左右 音効果の期待できるアクテ ィブ消音を採用する。ダクトを の端の音響インピーダンスはそれぞ、れZL、ZRで、あるとする。 対象と したアクティブ消音については以前から多くの研究 図 2に示すように騒音源の位置を原点に取って x軸を定め が行われており、現在でも報告がいくつか見られる (1)-{7)。た る。ダクトの長さを lとし、ダクトの左端から騒音源までの だしそのほとんどはダク トの片側から発せられる音の低減 距離を! 。 とする。なお図 2では騒音源をスビーカーで示して を狙ったものである。また制御方法も F IR型デ、イジタ ル フ いる。騒音源から左右の制御用スビーカーまでの距離をそ ィノレタを用 いた適応制御が多く用いられている。本研究で 的な検討を行い、実験によりその有効性を確認する。 t . . , ・・・・ を計測し、その結果に基づいてダクトの両端部を同時に消 音する方法について検討する。まず、制御則について理論 孟込 孟孟 はダクト内部の騒音源の近くにおかれた l本のマ イクで音 N o i s e 皿 巴urce マ 帆帆 ~MiC氾 c … C 白 口n 川r t 悶 附 0 1 勾 5 p 回 k 陥e 陪 愛知工業大学工学部機械学科(豊田市) tt 日東工業株式会社(長久手市) 図 l 制御対象 ・ . Zn ~ R 愛知工業大学総合技術研究所研究 報告,第 1 5号 , 2013年 52 < P= < Po+ <P ~1 + <P ~2 + < pγ1+ < pγ2 =-Llwj山 +Va1e}山 +lal) x-la2 )+ ) Vr1e 〆(x+lo + Va2e川 + v ,γ2e〆(X-l+lO)]ejωt ( 4 ) (-Io=::;xく -1 α1) X ψ = 伊 õ+ψ ~1 Vパ =Vr1e J剛 哩,. ~ 宵 J 凶 九 =V V a 1 e O e }醐 l a=V 宵 b Vr2 =九e V ,,2 =V U " e '醐 '(X-l刊 o)]ejωt + Vr2ejk 図 2座標系と音源、 れぞ、れlα1、Iα2とする。またマイクの位置を X Mとする。以下 では -la1く XM <0の場合を考えるが Oく X Mく -la2の場合 ψ=ψ o+ <P ~1 b (-la1 く X <0) +ψγ1+伊γ2 吠 , 叱(x+l ) ρ o 2 )+ l a 2 k α k'(x一 匂 ω づJν v + V : 九α2ejピ 昨 r1e- 。これに対応 ( 6 ) 叫 +Vr2e)印 して制御用スビーカー l、2から発せられる音の粒子速度を 勺 4 α l lr ρ 4I L1S -+ h s '' , 、 nu く 一 く ll﹄ 、U X ( 7 ) ) ( bκb 一 +κ xx tt ωω (( ll EE 九九 伊伊 +O -jki l - - l r l、 L a -K F - α 、 r 4 ・x -(2 J ﹁ E 、叫l、 が 、↓ 4H X μF 一 LEE AVV -V L 川川 しれ 2+ ω'b -ae¥ ↑比 J ω a V川 J- ヤノレをそれぞれψ 5、ψJと表せば、これらは +似,戸山'は、 とする 。 騒音源から左右に放射される音波に 対する速度ポテンシ - 4 利 一九昨 ==++ ω' トの左右両端における反射波の粒子速度をそれぞれ 一日 Y J一 V l一 一一 一 一一一 [ 1 +1 -, J 'e v ﹄ 22 それぞ、れVa1 = 1 I C α1eJwt、Va2= Vα2ejwtとする。さらにダク ωt V γ1= Vr1eJwt、Vγ2= Vr2eJ + ψ~2 ( 5 ) げ一 Voe =一臼 伊 [ 仇 九 も同様である。騒音源からは角周波 数ωの音が発せられて いるとし、その粒子速度を Vo= VOeJωtとおく + ψみ ; 2 +伊γ 2 門1+ψγη k'x + 片 J ν k Voe = 一 一自 仲 [ 似 九 恥〆 ( ω x 村1 k ' ( x+ α ω 2 )+, 収 0) k, ω → 一I Vγ1e一jν + V : α2ejピ 剖 J と書ける。 と書ける。とこで k 'はcを音速、 dを空気の粘性減衰係数と して k '=( ω 一j d ) j cで与えられる量である 。同様に制御用 次にマイクで測定される音について考える。測定された 音圧を PMとすれば =PMejωt PM スビーカー l、2から左右に放射される音波に対する速度ポ ( 8 ) テンシヤノレをそれぞ?れ伊 a1、ψ;1、伊 J 2、伊J 2と表せば、これ と表される。一方、位置 XMおける速度ポテンシヤルは式 ( 5 ) らは より 一 会 ) } E J { ω t-k'(x+la1 伊+ =- L V1 α1k'a 伊M - 山 [V oeJ + 九 げ 川 +la1) la 2 ) + Va2eJk'(XM- + v ,γ2e一川 ψ1=-LVEl{ω t+k'(x+la1 ) } α1 k ' ぬ =bv { ω v1e-jk'(XM+lo) +; γ 刊 0 XM-[ ωt )]eJ ( 9 ) ( 2 ) t -k '( x-l a2 ) } と書ける。速度ポテンシヤルと音圧の関係を用いれば、式 伊 -2=- α2 ( 8 )、( 9 )より ) } L vaEl{ω t+k'(x-la2 k '"α P pc[VOeJ山 M= M+V a1eーが (xM+la1) と書ける 。さらに管路の左右両端からの反射波に対する速 ( XM+lo ) k' + v ,α2eJk'(XM-1a2)+; v γ1e-J 度ポテンシヤルをそれぞ、れ糾1、伊 r 2と表せば、これらは 川 十九 2e- 伊γ 1- ( 1 0 ) 似 ー ピ 仰o l l 一 千T J . r! .0 V γ1~ ー が 伊γ2= XM-l+1 0)] ( 3) ωt+k'(x-l+loll 2ej{ と書ける。以上の量を用いれば、管路内の速度ポテンシャ : ;X くー la1、 -la1く X く O、Oく X く la2、 ル伊は領域 -1 0= 次に境界条件について考える。前述のように、ダクトの 左右端すなわち X= ー ! 日 、 X=1ーら における音響インピー ダンスを ZL、ZRとしている。これを式で表せば ρ ( ω 妥 + 仰 )= 妥 = ZL (X p ( R Zぃ 芸 + 仰 ) = ーZ -10) ) l ( = : : ;1 ーら においてそれぞれ la2 く X を得る。 ダクト両端部の問時アクティブ消音 となる。この境界条件に式 ( 4 )、(7)を代入し、整理すると 2 . 2 制御則の導出 制御則の導出について考える。いま 考えている問題は領 九e-jk1 1)+ : 0+ : v α1巴ーj k( lo la v αzflk(lo+la2)+lh 域 -10三 : X くー lα1および l S ;1ーらにおいて音圧を 0 a 2く x: + Vr2e-jk1 : v =five-lkplo十 V 山 α 1e 山 [ 内1 )+ α2e 出 l pC' とすることであるが、ここではそれぞれの領域中の l点で 2 ) 音圧を 0とすることを考える。 X1を領域一!日三 ーに 1 +昨2e一j k ' l ) X く -l a 1内 の点、むを領域lαzくx: S ;1-1 0内の点とし、それぞれの点 ( 1 2 ) 九e-jk(1-10) +1 ーら 2) 1 " α1 Il o + l a 1 )+Va2e-jk( 110 e-jk( +V: γl e-jk1+昨2 における速度ポテンシャルは式 ( 4 )および( 7 )において X= X 1 および X= X2で与えられることを考慮すれば、いま考えて いる条件は 〆 =ZL(Vneーバ(ト l o }+ Vo, e- ( 1 10+ 1 α 1 ) ρC' 53 α 1 )+: a 2 ) Vα1ejk(X1+1 v 九ejkX1+, α2ejk(X1-1 十 ( x 1 l o } X 1 刊 e o j ) k( 十九 1 v2ejk 1 ニ O +: 〆 + 1 1 " α2e- ( l10-l a 2 )+Vr j k '1- Vr 1e一 2) γ ( 1 8 ) を得る。 V . x2 2+ α la 1 E l k ( X 2 + l a 1〕+Vα2e-jk( 2) Voe-jkX 以上の準備のもとに L 弘 、 Vγz、Voを 、 PM、Vα1、Vα2を用 k1、 いて表すことを考える。表記の簡単のため A =ej k、 B =ej 旬 C=e j k l a l、D =巴j k1位 、 XM =巴jkχ Mなる量を +1 ejk(x2-1 0 )= 0 γ2 , 1 1 + k ( X 2+ 1 0 ) + Vr 1e-j と書ける。上式を整理すれば tJJ({iM+lL11k;}) + 出: : Z 5 3 1 { 1 1 4 } 導入する。式 ( 1 0 )を九について解けば D-1]f~a11 九=土 X, ;/P X i ?c -1 M 一[ pc lVa 2) ( 1 3 ) -MBlr1Blit;} ) ( 19 となる。ここで、X1= ejkX1、X2=ejkxzで、ある。上式に式( 1 3 ) および(16 )を代入し、整理すれば最終的に を得る。また、式 ( 1 2 )を行列の形で表せば [(11;14L1(1 二本)了 1]{~~} pc)B-1 (1-zd +r L x( [ 0 J (1-z / pc)A0 , 1B J ~-1H 加 +G} 九) = {~} {~} の形の式を得る。こここで [ z ]は 2行 2列の行列である。具 めれば 1 4 ( 1zナ) Y 1 ( 1 Z R L ) A J 叫1 ー }誓 {~:~} +G ( 1 5 ; Z Z 1 D二 1 一1 PM ) { ? ? lc~ 一応MZ 「 1 a2 ( 1 5 ) ={~} M を得る。ここで [ j lの行列である。具体的な表現 u ]は 2行 2) i はここでは省略する。式( 1 5 )をV r 1、昨2について解けば ( J 2pcEt c o sklα α 2coshσla 2sinhσlα2+jsi吋 l 2 円 を得る。ここで f ィょっム 、,,、 九九 ノ , , 宅 BA 、 ftB︽S' t ー D 一 OD ( l F ; 1 2 2 ι } G 害 円 =[ E = cosk( i n hσ( lα lα 1+ XM)s 1+ XM) i nk( + js la1十 XM)coshσ( lα1+XM) ( 1 6 ) ( 2 2 ) P M) である。式( 2 1 )を満たすように制御用スビーカーを制御すれ ば 、 を得る。ここで pc)B-1 z d ~L~Y~/~ ( l-1 r [ V ]= 一 [u]-11'~ L である。 ( 2 1 ) -15 l c-c 戸'M 1 ¥ =一二一 lcosklα1sinhσlα1+jsinkla1coshσl al~ PU , 十 1 4 f 1 j E = C-1- X 2C-1 D -0 D -1 J hJ~'M -1 (D-D-1)ln (XMC- X 1C-1)(D- D-1) ( t ; ) ( 2 0 ) 体的な表現はここでは省略する。 式( 2 0 )より V α 1、V α zを求 を得る。上式の九に式(13 )を代入すれば × ( G }吾川F I Z Z J 1 D L I E d ) = ( 1 4 ) ,• , R ~-1 悶 0 0 1 ~, , 1 7 ) -1 J 1B ) A "1-ZR/ ( ρc J ( X1および X2の位置において音圧を 0 とできる。さらに 式( 2 1)の条件を満たすとき、式( 2 0 )はXいらに無関係に成り 玄つことが分かる。これはすなわち式( 2 1 )の条件を満たすと き、領域 -lo: S ;X < ー l α 1および l α 2く X壬 1-10内では音圧が 常に 0 となることを意味している c さらに加えて、式( 2 1 ) には管路の境界部の音響インピーダンスは現れていない。 愛知工業大学総合技術研究所研究報告,第 1 5号 , 2013年 54 これは管路の境界条件とは無関係に静音化が可能である こ としてダクトの 中央に二つのスビーカ ーを向かい合う形で とを意味している。 配置した。以下では、このスピーカーを騒音スビーカー と 呼ぶ。 また騒音スビーカーから左右に 0.25m離れた位置に 2 . 3 ディジタルフィルターによる実 時 間制 御 制御用 のスビーカーを向かい合う形で配置した。騒音スピ 式 (21)の制御則に従って 、実時間で制御する ことを考え ーカーにはデス ク ト ップパソコン から 100[H斗 ~1000[Hz] の る。ここではデジタルフィルターを用いて実時間で制御 を 周波数成分を含むノイズを発生させ 、 騒音信号として入力 行うものとする。式( 2 1 )の右辺の P Mの係数すなわち . 1 5[ m] 離 する。音を計測するマイクは騒音スビーカーから O ら1(ω)=二 れた位置に配置 した。このマイクからの信号を 、アンプお L 2pcE よび AID変換器を介して制御用 コンピュー タ として用い Ga2(ω) ( 2 3 ) -1 c o sk l α 1s i n h σ l α1+jsinklα 1c o s hσ l α 1 たノート パソコンに入力する 。ノ ー トパソ コンでは式( 2 4 ) に基づいて設計 した URディジタルフ ィ ノ レタに従って制御 2pcEc o sk l α 2s inhσ l α 2+ js i nk l α 2c o s hσ l α z A 変換器お よびア ンプを通して 用信号を算出 し、これを D/ は 2つの制御用スピーカーに対する 所望の制御器の周波数 制御用スビーカーに入力する。ダクト 両端部の音圧はマイ 応答関数を表したものである。したがって周波数応答関数 クで測定する。 がこれと 一致するようなデ ィジタノレフィルタを構成すれ 2 3 )からわかるように、こ の周波 ばよい。 しかしながら式( 3 . 2 実験結果 数応答関数は三角関数や双曲線開数を含んだも のとなっ 両端部付近のマイクで測定 したデー タの 1 / 3 オクタ ーブ ており、このまま用いるこ とはできない。そこで式( 2 3 )を )、( b )に示す。図には消音前と消音後の結 分析結果を囲 気a ディジ タルフィルタで実現可能な形の式で近似する。具体 果を示して あ る。 図の縦軸は騒音レベノ レである。消音前と 的な近似式は消音対象の寸法や周波数範囲に依存するの 比較し消音後は両端部ともに騒音レベノレが低くなってい でここ では省略する。 る 。 実際の制御においては制御用スピーカーの特性も考慮、 これより本論文で示した方法によ りダク ト両端部の騒音を してデ ィジタノレフィルタを設計する。左右の制御用スピー 同時に低減できる ことが分かる。また図 5より、 周波数帯 カーの周波数応答関数をそれぞれら1 ( ω)、 G ω)とすれ s2( 域によ って大きな低減効果が得られ る領域とそう でない領 ば 、 マイクで測定された音圧に対す る制御用 スピーカーの 域があることが分かる。今回の実験では大きなとこ ろで 入力信号の周波数伝達関数は 1 4 日B]の消音の効果があった。低減効果が小さな領域は 2 5 0 [ H z ]から 400 HZ の周波数帯域であった。 この理由とし G1(ω)=-i-GF 1 (ω) GS1(ω)αl ( 2 4 ) G2(ω)=-i-G V(ω) 4 G (ω) α て、この周波数帯域で実験に用いたスビーカー特性の近似 が不十分であった ことがあげ られる。 スビーカー特性を も S2 となる。ここで ι1(ω)、日2 (ω)は式( 2 3 )のGα 1 ( ω)、G α 2 ( ω)を デ ィジタノレフィノレタで実現可能 な形に近似したものであ る。制御用 スピーカーの周波数応答関数 GS1(ω)、Gs2(ω)は 実験等により求め、適当な式によ り近似する。 2 4 )と一致するよう 実際の制御は、周波数応答関数が式( l R型ディジタルフィルタ を設計する ことに より 行う。 こ なl れは例えばインパルス不変法により可能で5ある( 旬。 図 3 実験に用いたダク ト 制御系統 3 実験 2章で示 した制御理論の有効性を検討するため、実験を行 った。こ のとき必要とな る制御用スピーカーの特性は別途 実験を行うことにより定めた。 3 . 1 実験装置 実験には角型のアク リノレ製タマ ク トを用いた。この写真を 、 実験装置全体の模式図を図 4 に示す。騒音源 図 3に示 し EEEEEE ダクト両端部の同時アクティブ也消音 55 マイ クで音 を計測し、その結果に基づいて ダク トの両端部 を同時に消音する方法について検討した 。 まず、 ダク ト内 75 白 百 70 .制御前 の音の表現から始まって、ダクト 両端部をアクティブ消音 65 6 0 .制御後 する ための制御則を導いた。また これ をテ 、 ィジタ ノレフィ ノ レ タで実現可能な形で近似 し、実時間制御が可能と なるよ う 」 ぞ55 品50 にした。最後に実験を行い、 本論文で示 した方法の有効性 邸4 5 を検討した。その結果、本論文の方法でダク ト両端部のア 40 クティブ消音が可能である ことを示 した。 ただし、今回の 3 5 実験装置では周波数帯域により低減効果に差があ るこ とが 30 100 1 6 0 250 400 周 波数 H z 630 1 0 00 わかった。 また境界条件に関 しては理論と異なる 結果 とな った。 これ らについては今後の検討課題としたい 。 図 4 実験装置 い)ダク ト左端における制御結果 謝辞 本研究は 2011年度およ び 20 12年度にわたって愛知工業 75 白 百 70 .制御前 A)の支援を受 大 学総合技術研究所プロ ジェクト共同研究 ( 6 5 6 0 .串IJ徒p 後 けて行われたものである。 ここ に記して謝意を表する。 ミ ニ . ぞ55 品50 参考文献 臨4 5 4 0 ( 1 )M.A .Swin b 自立s , “Th ea c t i vecon t r o lofs oundpr o pa g a t i oni n 3 5 l ongdu c t s " ,1 .SoundV i b r ., vo . l27,pp. 4 11 -4 36,1 973. 3 0 1 00 1 6 0 2 5 0 40 0 周波数 H z 6 3 0 1 0 00 ( b )ダク ト右端における制御結果 図 5 実験結果 ( 2 )M. L . Mun j a la ndL .1 . Er i ks s on,“Ana l y si sofa l i n e a r one d i me ns i ona la c t iv巴 noi s ec o nt r o ls ys t e m byme a n sofbl o c k d iagramsandt r a ns f e rf u n c t i ons " ,1 .SoundVi b r .,vo. l1 29,n o.3, p p .443 -4 55,1 989. ( 3 )C. H.H組 s e n組 dS. D.Sn yde r , “ Ac t i veCont r o lofNoi s e組 d っと よく近似でき る式が見つかれば、も っと良好な消音結 Vibr a t i on" , CRCPr e s s ,1 991 果が得られる可能性がある。ただし、今回は制御系の安定 ( 4 ) S.M. Kuo andD.R.Mo r ga n , “Ac t i venoi s ec o n t r o: lA 性を保ったままさらに良好に近似できる式が見当たらなか ! u t o r i a lr 巴v i e w", Proc .i l l E E ,vo . l87, no.6, p p .943 -975,1 999. った。制御に用 いるス ビーカー として、も っと扱いやすい ( 5)E .Es m a i l z a d e h,A .Al a s t y ,an dA .R .Ohadi,“ Mu l t i c h 出 me l 特性を もつもの を選定するこ とも 重要な要因の一つである i 巴巴d f orwa r dc o n t r o l ofn o i s ei n釦 a d a p t i ve f と思われる。 ASM EJ .Dyn. Sys . t Me a s. ,Cont r ol ,vo. l1 26,n o .2,pp.406 -41 6, .2節で述べたよ うに境界条件によらず なお、理論的には 2 静音化が可能であると い うことで、 あったが、実際には境界 acou s t i c du c t ", 2 0 0 4 . r i n ia ndS .Mal a t i n i, “Opt ima lva r ia b l 巴s t e p -s i z eNLMS ( 6 )A.Ca 条件を変化 させる と発振し、制御 が不可能となる場合があ a l gor i thm s wi t h a u x i l i a r y no is e pow e r s c he du l i n g f o r った。 この原因については不明であるが、上記と同様スピ f e e d f o r wa r da ct i ven o is ec o n仕01 " ,i l l EET r a n s .Au d i o,Spe 巴c h , ーカー特性 の 近似およびモ デ ノレ化誤差の影響が考 え られ Lang. Pro c e s s. , vo . l1 6, n o .8, pp .1 3 8 3 -1 395,2008 る。 .Hu叩 dT.Hs i a o,“ Ada pt i veFe e df orw a r dAc t i veNoi s e ( 7 )1 Canc e la t i on i n Du c t s Us i n gt h e Mode lMa t c h i n g ofWa ve Propa ga t i onD戸 a mi c s ", i l l E ETr a n s. Cont r olSy s . tTe c hn o , . lvol . 5 . 結言 20, no. 5, pp.1 3 51 -1 356, 201 2 " ディジタ ルフィノレタテ守 ザイン"、 昭晃堂、1 993. ( 8 )三谷政昭、 本研究ではダク ト内部の騒音源の近 くにおかれた l本の
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