PLD 法による透明導電 GZO 薄膜の作製 大学院自然科学研究科 教授 池上知顕 博士後期課程 上田 剛 博士前期課程 坂井徳浩 パルスレーザデポジション(Pulsed Laser Deposition:PLD)法を用いて,ZnO 系(ZnO,AZO,GZO)透明導電膜の 作製およびその評価を行った.作製した透明導電膜用 ZnO 系薄膜の中でも、GZO 薄膜は非常に魅力的な低抵抗率を示 した。しかし、PLD 法装置内におけるターゲットと基板間の距離によって透過特性に大きな違いが生じることが確認さ れた.そこで,ターゲット‐基板間距離(以下,T-S 距離と表記)を変えることによって GZO 薄膜の堆積パターンや特 性にどのような変化が現れるかを調べた.図 1 に T-S 距離 280 mm で作製した薄膜の中心部分における表面と深さ方向 との wide スキャンの XPS スペクトルを示す.180 秒エッチングした後の XPS スペクトルからは C(1s)のピークが確 認されず,作製した薄膜本来の結合状態が確認できていると考えられる.表面と深さ方向とを比較すると,どちらから も Zn,O,Ga の明らかなピークを確認できるが,スペクトル強度は深さ方向の方が全体的に大きいということが分か る.特に O(1s)はピークフィットを取ると,深さ方向の方が純粋な酸素の 531 eV のピーク(Peak R)が顕著に現れて おり,薄膜内部でもしっかりと酸素が Zn-O の結合状態で存在していることが分かった. (応用物理学会九州支部学術講演会講演予稿集, Vol.33, p.20, 1Aa-12 , 九州工業大学, 2007.12) (第 22 回熊本県産学官技術交流会講演論文集, pp.218-219, 517, ホテル熊本テルサ, 2008.1) 3/2 45 45 1200 1000 800 600 400 Binding Energy (eV) 図 1 ターゲット・基板間距離 280 mm で作製した GZO 薄膜の表面(左)と深さ方向(右)の wide スキャン XPS スペクトルの変化 (レーザフルエンス:2 J/cm2,堆積時間:30 min,室温,真空) Zn 3s Zn 3p Zn 3d 2 45 O 1s Zn (L M M ) 3 23 2 45 23 3 0 45 45 Zn (L M M ) Zn (L M M ) 3/2 Ga 2p Zn 3s Zn 3p Zn 3d C 1s 800 600 400 200 Binding Energy (eV) Zn (L M M ) Zn 2p 1/2 45 3 45 45 Zn (L M M ) 2 1200 1000 Depth scan 280mm_center Zn 2p 45 Zn (L M M ) 2 O 1s 45 23 3 23 45 Zn (L M M ) Zn (L M M ) Zn 2p Zn 2p Ga 2p 3/2 1/2 3/2 Surface scan 280mm_center 200 0
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