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極限-逐次代入法-1
予習問題
関数 f (x) を f ( x) 
1
と定める。
1 x2
(1) グラフ y  f (x) の概形を求めよ。また方程式 f ( x)  x はただ一つ解
 を持つことを示せ。
(2) | f ( x) | の最大値 M を求めよ。
(3) 任意の実数 x 、 y に対して、 | f ( x)  f ( y) | M | x  y | が成り立つこ
とを示せ。
(4)
{a n } を漸化式 an1  f (an ) ( n  1 )で定める時、 a1 がどんな実数であ
っても lim a n   となることを示せ。
n 
値替え問題
関数 f (x) を f ( x) 
1
と定める。
1 ex
(1) グラフ y  f (x) の概形を求めよ。また方程式 f ( x)  x はただ一つ解 
を持つことを示せ。
(2)
f (x) の最大値 M を求めよ。
(3) 任意の実数 x 、 y に対して、 | f ( x)  f ( y) | M | x  y | が成り立つこ
とを示せ。
(4)
{a n } を漸化式 an1  f (an ) ( n  1 )で定める時、a1 がどんな実数であっ
ても lim a n   となることを示せ。
n 
発展問題
数列 {a n } を次のように定める。
1
1
1
、 a3  1 
、・・・
a1  1  、 a 2  1 
1
1
1
1
1
1
1
1
1
すなわち a1 の分母を 1 
1
に置き換えて a 2 をつくり、さらに置き換えた
1
1
1
1  の分母を再び 1  に置き換えて a 3 をつくり、・・・というように次々
1
1
と数列を定義していく。
(1)
a n 1 を an を用いて表せ。
(2) すべての n に対して
(3)
3
 a n  2 が成り立つことを示せ。
2
x 2  x  1 の正の解を  としたとき | a n 1   |
を示せ。
(4)
lim a n を求めよ。
n 
極限-逐次代入法-1
4
| a n   | となること
9
極限-逐次代入法-2
予習問題
関数 f (x) を f ( x) 
1
と定める。
1 x2
(1) グラフ y  f (x) の概形を求めよ。また方程式 f ( x)  x はただ一つ解
 を持つことを示せ。
| f ( x) | の最大値 M を求めよ。
(2)
(3) 任意の実数 x 、 y に対して、 | f ( x)  f ( y) | M | x  y | が成り立つこ
とを示せ。
(4)
{a n } を漸化式 an1  f (an ) ( n  1 )で定める時、 a1 がどんな実数であ
っても lim a n   となることを示せ。
n 
(1)4点
f ( x)  (1  x 2 ) 1 なので導関数は次式となる。
f ( x)  (1  x 2 ) 2  2 x
よって f (x) の増減表がかける。
x
()
・・・
0
・・・
+
0
-
f (x)
f (x)
(0)
1
()
(0)
ゆえに y  f (x) は次の図のようになる。
また f ( x)  0 であるから直線 y  x とグラフ y  f (x) は交点を持つとした
ら x  0 の領域であり、この領域では y  f (x) は単調減少、 y  x は単調増
加であるから交点は図のように 1 つしかない。よって示された■
(2)4点
f ( x)  (1  x 2 ) 2  2 x より、第 2 次導関数は以下の通り。
f ( x)  2(1  x 2 ) 3  (2 x) 2  2(1  x 2 ) 2
8 x 2  2(1  x 2 ) 2(3x 2  1)


(1  x 2 ) 3
(1  x 2 ) 3
よって f (x) の増減は次表のようになる。
x
・・・
()
f (x)
+
1

3
0
0

3 3
3 3
3 3
 f ( x) 
 f ( x) 
8
8
8
M 
3 3
8
(3)6点
ⅰ)
x  y のとき
極限-逐次代入法-2
3
0
-
3 3
8
これより f (x) の範囲および M が求まる。
f (x)
1
・・・

3 3
8
・・・
()
+
0
極限-逐次代入法-3
平均値の定理より次式を満たす実数 c が x と y の間に存在する。
f ( x)  f ( y )
 f (c)
x y
よって(2)より以下のように式変形できる。
f ( x)  f ( y )
 f (c)  M
x y
 f ( x)  f ( y )  M x  y
ゆえにこのとき与式は正しい。
ⅱ)
x  y のとき
与式は次の式と同値である。
f ( x)  f ( y )  M x  y  0  0
この式は自明なので与式は正しい。
以上ⅰ)ⅱ)より題意は示された。
(4)6点
(3)で示した式に x  an  y   を代入すると、次の不等式を得る。
| an1   | M | an   | (∵定義より f (an )  an1  f ( )   )
この式を繰り返して用いると | a n   | を評価できる。
| an   | M | an1   |  M 2 | an2   |   M n1 | a1   |
 0 | an   | M n1 | a1   |
上式の両端は n   で共に 0 に収束するので (| M | 1) ハサミウチの原理
より題の極限が求まる。
lim a n    0  lim an   ■
n 
n 
予習問題-逐次代入法
本問は方程式の解を近似する逐次代入法というアルゴリズムを題材にし
ています。この方法を簡単に説明すると、g ( x)  0 という方程式を解きたい
場合、これを x  f (x) という形に同値変形すると、漸化式 an1  f (an ) に
よって定義される数列 {a n } が求めたい解に収束することを利用します。
上の図を見ると確かに a n の値はとぐろを巻いて x  f (x) の解に近づいてい
くことが分かります。ただし収束するためには解の近傍で | f ( x) | 1 が成り
立つことが必要で、そうでない場合は発散してしまいます。
極限-逐次代入法-3
極限-逐次代入法-4
この逐次代入法はアルゴリズムを作るのが簡単というメリットがあります
が、収束条件が厳しいのと、収束速度が遅いというのがデメリットです。よ
り精密に解を近似したい場合はニュートン法や他のアルゴリズムが用いら
れます。
極限-逐次代入法-4