平常試験

解析序論 1 期末試験
(2014 年度)
1. f (x, y) =
√1
x
森 真 立井博子
の D = (0, 1] × (0, 1] における広義積分を求めてくだ
さい.
解 y 軸のみが定義域の外にある.また,f は非負の値をとるので Dε =
[ε, 1] × [0, 1] ととると
∫
∫
f (x, y) dxdy
1
(∫
=
Dε
∫
ε
0
1
1
√ dy
x
)
dx
1
1
√ dx
x
ε
[ √ ]1
= 2 x ε
√
= 2−2 ε
=
より,広義積分の値は 2
2. 関数 f (x, y) が (a, b) で全微分可能ならば,(a, b) で連続であることを示
してください.
解
∂f
∂f
(a, b)(x − a) +
(a, b)(y − b) + R(x, y)
∂x
∂y
√
とおくと,∀ε について,∃δ0 > 0 s.t. (x − a)2 + (y − b)2 < δ0 ならば
R(x, y)
√
<ε
(x − a)2 + (y − b)2 f (x, y) = f (a, b) +
√
(x − a)2 + (y − b)2 < δ1 ならば
とできる.さらに ∃δ1 > 0 s.t.
∂f
(a, b)(x − a) + ∂f (a, b)(y − b) < ε
∂x
∂y
√
とすると, (x − a)2 + (y − b)2 < min{δ0 , δ1 } ならば
|f (x, y) − f (a, b)| < 2ε
3. f (x, y) = ex
2
+xy
を (0, 0) でテイラー展開を次の形に
f (x, y) = f (0, 0) + a1 x + a2 y + a3 x2 + a4 xy + a5 y 2 + R(x, y)
をしてください.R(x, y) は求めなくてよいです.
1
解
f (x, y) = 1 + x2 + xy + R(x, y)
4. D = [0, 1]2 のとき

1 x + y ≤ 1
f (x, y) =
0 otherwise
について
∫
f (x, y) dxdy
D
を積分の定義に基づき計算してください.
解 当然だけど
1
2
2
解析序論 1 中間試験試験その2
(2014 年度) 森 真 立井博子
√
√
1. f (x, y) = x y + xy が (0, 0) で全微分可能なことを示してください.
∂f
∂x (0, 0)
= ∂f
∂y (0, 0) = 0 である.このことをちゃんと示していない
答案が多い.R(x, y) = f (x, y),後は x = r cos θ, y = r sin θ ととって,
解
r → 0 とすればよい.
2. 次の積分を累次積分を用いて計算してください.
(a) D = {(x, y) : 0 ≤ x ≤ 1, 2 ≤ y ≤ 3} のとき,
∫
xy−1 dxdy
D
(b) D = {(x, y) : x ≥ 0, x2 + y 2 ≤ 1} のとき,
∫
x dxdy
D
(c) D = {(x, y) : 0 ≤ x ≤ 1, y ≥ 0, 0 ≤ x+2y ≤ 1} のとき,u = x+2y,
v = x とおいて
∫
(x + 2y)2 dxdy
D
(d) D = {(x, y) : 0 ≤ x + y ≤ 2, 0 ≤ x − y ≤ 2} のとき,
∫
(x − y)ex+y
D
解 (i) log 32 , (ii)
2
3,
(iii) 18 , (iv) e2 − 1
(iii) は
∫
1
(∫
)
u
2
u dv
0
du
0
であることに気がつかず
∫
1
(∫
)
1
u2 dv
0
du
0
とした答案が多い.
3. f (x, y) = y − x2 とします.
(a) |y − x2 | < 1 をみたす範囲を図示してください (高校の数 1 の問題
です).
(b) f (x, y) がが (0, 0) で連続なことを ε–δ 法で証明してください.
3
解 δ = ε とおくと,原点中心半径 δ の円は y = x2 + ε と y = x2 − ε の
2 つの放物線の間に挟まれる.
4. 平面 z = 0, y = 0, y = 1 および z = x で囲まれる領域の体積を重積分
1.0
1.0
0.5
0.0
0.5
0.0
0.5
の定義に基づき計算してください.
1
n
×
1
n
以上
k
n
以下なので
解 底面は [0, 1]2 なので,これを長さ
の
k
[ k−1
n , n]
のところの高さは
S∆
S∆
=
=
k−1
n
1.0
n ∑
n
∑
k−1
k=1 l=1
n ∑
n
∑
k=1 l=1
n
の正方形に分割する.x 軸
×
1
n2
k
1
× 2
n n
だから,
S∆ =
n(n + 1)
1
1
× 2 →
2
n
2
4
0.0
解析序論 1 中間試験試験
(2014 年度)
森 真 立井博子
2
1. f (x, y) = (xy) 3 が (0, 0) で全微分可能であることを示してください.
= ∂f
∂y (0, 0) = 0 なので R(x, y) = f (x, y),後は x = r cos θ,
y = r sin θ ととって,r → 0 とすればよい.
解
∂f
∂x (0, 0)
2. 次の積分を累次積分を用いて計算してください.
(a) D = {(x, y) : 0 ≤ x ≤ π, 0 ≤ y ≤ sin x} のとき,
∫
(x + y) dxdy
D
(b) D = {(x, y) : x ≥ 0, y ≥ 0, x + y ≤ 1} のとき,
∫
y log(1 + x) dxdy
D
(c) D = {(x, y) : 0 ≤ x ≤ 1, 0 ≤ y ≤ x} のとき,
∫
2
e−x dxdy
D
解 (i)
5
4 π,
(ii)
4
3
log 2 − 89 , (iii)
e−1
2e ,
3. f (x, y) = x2 + y 2 が (0, 0) で連続なことを示してください.
解 小テスト参照
4. 正方形 [−1, 1] × [−1, 1] の上に図のようなテントを立てる.このときの
テントの下の体積を以下の手順で求めてください.テントは
2.0
1.5
1.0
1.0
0.5
0.5
0.0
0.0
-1.0
-0.5
0.0
f (x, y) = 2 − (x2 + y 2 )
-0.5
0.5
1.0
-1.0
で表されます.
(a) 長さ
1
n
×
1
n
の四角形に底面を分割します.
(b) 各小四角形の上のテントの高さの一番高いところはテントの中心
に近いところ,一番低いところはテントの中心から一番遠いとこ
ろであることに注目して,S ∆ と S∆ を求めます.
5
(c) n → ∞ ととると積分値が求まります.
l
解 小四角形は [ nk , k+1
n ] × [n ×
ころは 2 −
1
2
n2 (k
l+1
n ]
と表されるので,そこで一番高いと
+ l ), 一番低いところは 2 −
2
1
n2 ((k
+ 1)2 + (l + 1)2 )
であるから,
S
∆
S∆
)
1
1 2
2
= 4
2 − 2 (k + l ) × 2
n
n
k=0 l=0
(
)
n
n
∑∑
1
1
= 4
2 − 2 (k 2 + l2 ) × 2
n
n
n−1
∑ n−1
∑(
k=1 l=0
であるから
S
∆
S∆
)
(
4 n(n − 1)(2n − 1)
= 8− 4
× 2n
n
6
(
)
4 n(n + 1)(2n + 1)
= 8− 4
× 2n
n
6
極限をとって,積分値は 8 −
8
3
=
6
16
3
4 月 10 日
f (x, y) = x2 + y 2 が (0, 0) で連続なことを ε–δ 法で示してください.
解 ε–δ 法とは
∀ε > 0
∃δ > 0 s.t. (x, y) と (0, 0) との距離が δ より小さければ |f (x, y)−f (0, 0)| < ε
であるから, δ =
√
ε ととればよい.
7