NIKKEI MAIL-NEWS 日本経済新聞社販売局 2014年8月5日号(864号) 先週と今週の紙面ポイント ◆本紙 日中首脳、11月会談へ調整 条件詰め、習主席が意欲 日本経済新聞は8月4日(月)、日中両政府が11月に北京で開くアジア太平洋経済協力会議 (APEC)の際に首脳会談を実現する方向で調整に入る、と特報しました。日中関係筋が明ら かにしたもので、中国の習近平国家主席が7月末に訪中した福田康夫元首相と北京で秘密裏に会 談し、対日関係の改善に意欲を示しました。既に中南米を歴訪している安倍晋三首相にも伝わっ ており、今後外交当局者間で条件を詰めます。福田氏は7月27日に訪中。数日間の滞在中に習 主席と会談し、中国に対話に応じるよう呼びかける安倍首相のメッセージを伝えました。習主席 は冷え込んだ対日関係に懸念を示したうえで、現状打開に前向きな考えを表明しました。習主席 は福田氏との会談で打開の条件にも触れた模様です。中国側は沖縄県の尖閣諸島や靖国神社参拝 の問題で安倍首相の対応が変化しなければ首脳会談に応じない、としてきた経緯があります。 中国は南シナ海問題でベトナム、フィリピンとも対立しているほか、北朝鮮やミャンマーとの 関係もギクシャクしています。最も重視する対米関係も習主席が提起した「新しい形の大国関係」 作りが滞ったままです。11月にAPECという大きな外交舞台を控える中国指導部としては、 周辺国外交を立て直す必要があります。習主席は最近、「安定した国際情勢の下で国内の改革に 全力を挙げたい」との意向を周囲に漏らしているとされます。 ◆本紙 VW、世界首位射程に 新ビッグ3、1千万台の攻防 日本経済新聞は7月31日(木)、2014年1∼6月の自動車販売実績を分析、通年で1千 万台前後の販売を見込む大手自動車メーカー3社、「新ビッグ3」による競争が激化している、 と報じました。トヨタ自動車グループ(ダイハツ工業と日野自動車を含む)の世界販売台数は前 年同期比3.8%増の509万7千台と初めて500万台を超え、3年連続で首位を維持しまし た。独フォルクスワーゲン(VW)は同5.9%増の497万台(商用車子会社MAN、スカニ アを含まず)で、同1.4%増の492万台を売った米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて 2位に浮上。トヨタとの差を10万台強に縮め、首位をうかがう勢いです。4位のルノー・日産 連合は427万台で、上位3社が一歩抜け出した格好です。上半期は上位3社の販売台数差がこ れまで以上に縮まったのが特徴です。 かつてはGM、米フォード・モーター、米クライスラーが自動車業界のビッグ3でしたが、今 やトヨタ、VW、GMが「新ビッグ3」です。トヨタを猛追するVWは今年から18年にかけて最 大市場の中国の合弁事業で182億ユーロ(約2兆4900億円)を投資。現地の生産能力を40 0万台に高め、販売台数の上積みを目指します。一方、トヨタは13年度から3年間は工場を新設 しない方針。このため来年以降は、VWに世界販売首位を明け渡す可能性があります。 ◆産業 苗が育む「ファスト農業」 成長する専業大手3社 7月31日(木)の日経産業新聞は、1次産業に新たなビジネスチャンスが訪れていると、報 じました。農業への大手企業の参入要件が緩和されてから9年が経過し、新たな仕組みに適応し、 売り上げを伸ばしているのが種から苗を育てる育苗業の専業大手3社です。全体の規模が縮小す る農業市場での成長の秘訣は、収穫期間を短縮する「ファスト農業」の実現にありました。育苗 の国内最大手で、ジャスダック市場に株式を上場するベルグアースの山口一彦社長はいま、国内 の供給網作りを急ピッチで進めています。本社は愛媛県宇和島市。決して交通の便が良いとはい えない土地で28年前に苗の生産を始めました。トマトやキュウリ、ナスなど果菜類が中心。強 い根を持つ苗と、おいしく大量の実がなる苗など、異なる特徴を持つ品種の苗を接ぎ木して付加 価値の高い苗を大量生産します。こうした苗は購入後、早いものは1カ月ほどで収穫できます。 ◆ヴェリタス 中小型株へ熱視線 海外資金流入、厚み増す市場 日経ヴェリタスは8月3日(日)、日経平均株価が1万5000円台で膠着していた6∼7月 に、地味な中小型株の“大化け”現象が目立った、と報じました。「技術的な優位性は」「コス ト競争力は」。7月28日、ステンレス鋼線大手、日本精線(証券コード5659)の担当者は 朝から投資家の対応に追われました。火種は石油由来の成分から水素を作る材料を開発したとの 報道。同社の株価は2008年のリーマン・ショック後から300∼500円を行ったり来たり でしたが「水素銘柄」と認識された途端に動きました。28日は前日比100円高の629円に 急騰、翌日も続伸し、連日のストップ高となりました。米系ファンド、マシューズ・アジアの日 本株ファンドの6月末残高は4億7000万ドル(約480億円)。12年末に比べ4倍以上に 膨らみましたが、半分弱を占めるのが徐々に買い増したという中小型株です。 ◆MJ 女子「毎日変身」の時代 流行細分化、服売り場に工夫 7月30日(水)の日経MJ(流通新聞)は、女性のファッションの選び方に変化の兆しがみ えてきた、と報じました。これまではコンサバ、フェミニンなどおおむね同じテイストの服を着 ることが多かったのですが、その時々の気分や状況によって異なるテイストの服を身にまとう「変 身現象」が起きています。なぜ女性たちは日常的に変身するようになったのか。また、企業はど のようにアプローチしているのかを探りました。「今日は“できるOL”のイメージです」―。 IT企業で働く女性(31)のこの日の服装は「格好いい」印象。その日の予定を考えつつ『か わいい系』『格好いい系』などイメージを決めるといいます。ファッションの流行を振り返ると、 2000年代までは蛯原友里さんら多くの女性の“お手本”がいましたが、ネットやSNSで情 報が増えるに従い、無数のお手本から好きなところをチョイスする時代になったようです。 ※次号は19日に送信します。御注意ください。 お問い合わせ、ご意見、ご感想など、下記の番号まで TEL(03)6256−7454 FAX(03)6256−7880 日本経済新聞社 販売局 販売企画部宣伝グループ 2014年8月5日号(864号)
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