増子クリニック昴 安全対策への取り組み

第59回
日本透析医学会
増子クリニック昴
○木元裕実 田川英昇 小塚加代 三好かおり
久保美雪 木下裕子 山崎親雄
増子記念病院
野島奈穂美 長尾優 籾山和大 村田みち
久堀仁資 平松英樹 小山寛一
研究の概要
1)2013年の一年間に亘り再穿刺について調査を実施
2)再穿刺が増加した時期の原因追究
3)再穿刺について要因別比較
4)「穿刺が上手な人」の思考・技を明確化
5)再穿刺減少の為の工夫
倫理的配慮
研究の趣旨とデータは本研究のみで使用することを
説明し了承を得た
当院倫理委員会認証番号 増子H26-1
当院個人別再穿刺率
再穿刺が増加した2013年度再穿刺率
2013年
2012年
年間透析回数
38572回
年間透析回数
38126回
再穿刺数
554回
再穿刺数
439回
再穿刺率
0.72%
再穿刺率
0.58%
個人別比率
穿刺数 再穿刺数
上位
再穿刺率
経験年数
グループ
1
2580
6
0.23%
16
A
2
2096
6
0.29%
21
A
3
2730
9
0.33%
20
B
下位 39 1014
19
1.87%
0
C
422
9
2.13%
2 (他院経験)
C
41 1100
11
2.55%
0
C
40
当院の月別再穿刺率
再穿刺率2012-2014
2.00%
1.50%
1.00%
0.50%
0.00%
12年1月
12年4月
12年7月
12年10月
13年1月
13年4月
13年7月
13年 10月
14年1月
2013年9月より ロック式(長)金属針・長いカニューラ針に変更
新人スタッフの穿刺が始まった
2014年1月より 穿刺困難な患者に対し以前の穿刺針を使用
14年 4月
バスキュラーアクセス(VA)及び
穿刺針について
V.A.(全患者)
穿刺針(再穿刺患者)
V.A.(再穿刺患者)
15.1
%
17.4
%
金属針
AVF
84.9
%
AVG
82.6
%
穿刺針(種類別)
再穿刺針(種類別)
15%
金属針
37%
8%
カニューラ短針
33%
金属針
カニューラ長針
ボタンホール用
52%
33%
カニューラ長針
カニューラ短針
カニューラ
再穿刺率増加の原因
再穿刺の原因分析
8月
①
穿刺者の技術的要因(透析勤務1年未満)
11
②
穿刺者の技術的要因(透析勤務1年以上)
③
針が慣れない(針の変更)
④
VAに原因がある
⑤
その他
VAに原因がある
ボタンホールの作成
VAを熟知したスタッフによる穿刺
PTAおよび手術による再穿刺減少
9月
10月
11月
13
13
14
17
18
22
16
0
4
2
1
18
27
29
36
2
0
1
1
2013年
回
穿刺数
*p<0.05
*
3000
2500
穿刺数・再穿刺率
*
2210
2086
2000
1500
934
1000
500
0
A
B
C
コメディカル(看護師・臨床工学技士)をA・B・Cに分類
穿刺が難しい患者に対してどのように思うか(アンケートにより分類)
A:進んで行く
B:しぶしぶ行く
C:行かない
転入・導入・VA未発達・穿刺困難な患者の
穿刺時 何を考えて穿刺をしますか?
Aグループ(進んで行く) 11名 透析歴平均20年
VA全体が評価出来る
誰もが穿刺が出来る部位の拡大
VAを長持ちさせるため
難しいVAには
穿刺部位・穿刺方向・深さ・角度・針先の位置などをイメージして穿刺
Bグループ(しぶしぶ行く) 21名 透析歴平均11.7年
Cグループ(行かない) 9名 透析歴平均3.9年
その穿刺が上手く行けば
周囲に自分より上手な人がいないか捜す・上手な人と一緒に行く
無事に開始ができるように願う
駆血して一番太い所・前回と同じ所に穿刺
Aグループの再穿刺が増えた理由
人
%
*p<0.05
*
穿刺数(難Pt.)
*p<0.05
300
*
*
250
200
人
再穿刺数(難Pt.)
*p<0.05
20
18
16
*
1 8 0 .7
12
*
10.5
10
*
150
*
14
8
1 0 1 .4
100
5.5
6
41.1
50
4.0
4
2
0
A
B
C
穿刺困難な患者
年間10回以上の再穿刺があった患者
0
A
B
C
工夫された穿刺
•
血管も細く
コロコロと動くため
右中指・左示指にて血管を固定
左母指にて皮膚を引っ張る(伸展)
左前腕 末梢向きに穿刺
狭窄部位が有り血流不良がある
左示指にて目標・軽度の駆血
右中指~小指・左母指にて皮膚を伸展
結論及び考察
1. 9~11月に再穿刺が増加した原因は
次いで半数近くが
1番は「技術不足」ではあったが
「VAに原因があった」と考えられた
2. 「VAに原因があった」患者については
ボタンホールの作成・熟知した
スタッフによる穿刺・PTA/手術により再穿刺の改善がはかれた
3.
Aグループが再穿刺率が高値を示した原因は
ことが他のグループより多い為であった
穿刺が困難な患者に穿刺する
また
思考もVAの評価が出来
今後の事を考え穿刺していた
4.
B・CのスタッフをAのスタッフのように
その穿刺が上手く行けば → VA全体が評価出来る
に変えていくことが今後の課題である
日本透析医学会
CO I 開示
筆頭発表者名:
木元裕実
演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある
企業などはありません。