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落石対策の計画研修演習問題解答(右城 猛)
「落石対策の計画研修」演習問題
解答
【問1】斜面上の A 地点(x=52m、y=54m)が落石発生源である。ここから質量 m=1.2t の石が落下
したとして、道路脇の B 地点(x=0m、y=0m)での落石の速度 V および運動エネルギーE を求めよ。
ただし、等価摩擦係数はμ=0.35、回転エネルギー係数はβ=0.1 とする。
m=1.2t
A (x=52m, y=54m)
=0.35
道路
B (x=0m, y=0m)
計算式
斜面勾配
tan  
落石の落下高
落石の速度
y 54

 1.04
x 52
  tan 1 (1.04)  46.1 ゜
H=y=54m
 

 0.35 
v  2gH 1 
  26.5m/s
  2  9.8  54  1 
tan


 1.04 

落石の運動エネルギー
 

 0.35 
E  mgH 1 
(1   )  1.2  9.8  54  1 
(1  0.1)  463kJ
tan  

 1.04 
別解
E
1 2
1
mv (1   )   1.2  26.52  (1  0.1)  463kJ
2
2
落石の速度 V=26.5
落石の運動エネルギー
m/s
E= 463 kJ
【問 2】斜面上の A 点と B 点に落石による衝突痕が残されていた。AB 間の水平距離は X=12m で
あった。落石は A 点から水平に飛び出し、B 点に着地したものとして、飛び出し速度 v A、着地速
度 v B、最大跳躍量 h を求めよ。ただし、斜面の傾斜角はθ=47゜とする。
vA
A
h
vB
B
X=12m
θ=47゜
1
落石対策の計画研修演習問題解答(右城 猛)
計算式
飛び出し速度
9.8  12
gX

=7.4m/s
2 sin cos  (1  tan 2  )
2  sin 47  cos 47  (1  tan 2 47)
v0 
着地速度
v d  v0 1  4 tan 2   7.4  1  4  tan 2 47  17.5m/s
最大跳躍量
h
X sin  12  sin 47

=2.2m
4
4
飛び出し速度 v A=7.4 m/s
着地速度 v B=17.5 m/s
最大跳躍量 h= 2.2 m
【問 3】勾配 1:1.0 で切土した法面の下端に重力式擁壁を施工し、その天端に落石防護柵を設置す
る。落石の最大跳躍量を h=2.0m、擁壁上端の小段幅を b=1.0m としたとき、落石防護柵の高さ H
はいくらが必要か。
H
b=1.0m
45゜
計算式
 h

 2.0

H 
 b tan    1.5  
 1.0  tan 45  1.5 =2.7m ⇒3.0m
cos

cos
45




落石防護柵の高さ
H= 3.0 m
【 問 4】 下 図 に 示 す よ う な 不 安 定 な 岩 塊 が 斜 面 上 に 存 在 す る 。 岩 塊 の 体 積 は V=12m 3 , 重 量 は
W=312kN、岩塊のつま先から重心までの水平距離は x=0.5m、鉛直距離は y=1.8m、斜面の傾斜角
はθ=35゜である。
地震時の計水平震度は k H =0.12、岩塊の底面と地盤の摩擦角はφ=25゜、粘着力は c=0(無視する)、
ワイヤロープの破断荷重は T b =98.1 として、下記の4つの設問に答えよ。
(1)地震時における滑動に対する安全率を求めよ。
(2)地震時における転倒に対する安全率を求めよ。
2
落石対策の計画研修演習問題解答(右城 猛)
(3)地震時の滑動安全率 Fs=1.2 を確保するために必要な抑止力 P を求めよ。ただし、ワイヤロ
ープは水平に設置するものとする。
(4)ワイヤロープ(3×7φ14)は、平面角β=30゜で 5 段配置するものとし、ワイヤロープの破断
に対する安全率を求めよ。
a=1m
b=4m
ワイヤロープ
3×7 14
N=5本
h=3m
y=1.8m
35゜
x=0.5m
30゜
30゜
計算式
(1)滑動に対する安全率
Fs 
c  A  W (cos   k H sin ) tan  0  312  (cos 35  0.12  sin 35)  tan 25

 0.62<1.2
W (sin   k H cos  )
312  (sin 35  0.12  cos 35)
N.G.
(2)転倒に対する安全率
Fs 
x
kH y

0.5
 2.3 >1.2
0.12  1.8
O.K.
(3)必要抑止力(F s =1.2、α=0)
P

Fs  W (sin   k H cos  )  W (cos   k H sin ) tan   c  A
sin(   ) tan   cos(   )
1.2  312  (sin 35  0.12  cos 35)  312  (cos 35  0.12  sin 35)  tan 25  0
=118.0 kN
sin(35  0)  tan 25  cos(35  0)
(4)ワイヤロープの破断に対する安全率
ワイヤロープ張力(β=30゜、n=5)
T
P
118.0

 23.6 kN
2  5  sin(30)
2n sin 
ワイヤロープの破断に対する安全率
Fs 
Tb 98.1

 4.2 >3.0
T 23.6
O.K.
滑動に対する安全率
転倒に対する安全率
必要抑止力
F s =2.3
P=118.0 kN
ワイヤロープの破断に対する安全率
3
F s =0.62
F s =4.2