SS-073 超高齢社会における高齢者の社会参加

第 3 日 9 月21日(土) 15:30~17:30
札幌コンベンションセンター 107
SS-073 超高齢社会における高齢者の社会参加
企画代表者:髙山 緑(慶應義塾大学)
企画者:佐藤 眞一(大阪大学)
話題提供者:片桐 恵子(日本興亜福祉財団社会老年学研究所)
話題提供者:菅原 育子(東京大学)
話題提供者:安部 幸志(関西国際大学)
指定討論者:大川 一郎(筑波大学)
指定討論者:高山 緑(慶應義塾大学)
司会者:佐藤 眞一(大阪大学)
現在,日本は平均寿命83歳の世界最長寿国である.団塊世代が65歳以上となる2015年には 4 名に一人
は高齢者になり,後期高齢層を含むフォースエイジも著しく増加し,多くの人が「人生90年」を生きる
超高齢社会を迎える.このような現代社会において,相対的に若く,活動意欲や就労意欲も高いサード
エイジが好奇心や自身の知識・経験を活かし,いかに社会参加をしていくかは大きな課題である.また
身体機能等の低下がみられるフォースエイジにとっても,社会参加は生活の充足感を満たすだけでなく,
更なる機能低下を抑制するためにも重要な要素である.そこで本シンポジウムでは,高齢者の社会参加
に関する研究・実践に関わられてきた研究者に話題提供いただき,高齢者の社会参加の状況,社会活動
の促進・抑制要因,社会参加がもたらす心理社会的効果などについて議論するとともに,超高齢社会に
おける社会参加の在り方について議論を深めていく.
片桐 恵子(日本興亜福祉財団社会老年学研究所)
本報告では,定年退職を迎えたばかりの相対的に若く,活動意欲や就労意欲も高いサードエイジに焦点をあて,
( 1 )多
岐にわたる社会参加の活動形態を利己的志向,ネットワーク志向,社会貢献志向の各視点から分類するとともに,
( 2 )サー
ドエイジの社会活動を促進する先行要因の検討および,阻害要因の検討を行う.さらに( 3 )社会活動に参加することによっ
てもたらされる心理社会的効果について考察する.
菅原 育子(東京大学)
就労は金銭的報酬を得る手段であるとともに社会との関わりを提供し,自己観とも深く関わる社会参加の形態のひとつで
もある.本報告では,千葉県柏市で取り組まれている高齢者就労の取り組みを紹介する.就労プログラム参加者約300名を
対象とした調査データの分析から,就労者と非就労者,また就労開始前後で,参加者の就労や社会に対する態度,自己観を
比較し,働くことが高齢者にもたらす心理社会的効果を考察する.
安部 幸志(関西国際大学)
近年,社会的活動への参加が高齢者の身体的・精神的健康維持に関連していることが明らかにされつつある.しかし一般
の社会的活動が多岐にわたる内容を含んでいることが多いため,より具体的かつ地域独自の活動との関連について検討した
データの蓄積が求められている.そこで本研究では岐阜県における独自性の高い社会的活動への参加と高齢者のメンタルヘ
ルスとの関連について分析を試み,今後の課題について論じる.
SS(73)