自主企画シンポジウム S-A1 8月27日(土) 10:00~12:00 会 場 124 災害救援者でありながら被災者でもある教員のサポートについて考える ●企画・司会・話題提供者:吉原 寛(新潟県立教育センター) ●話 題 提 供 者:宮道 力(岡山大学) 松原 弘泰(静岡県立こころの医療センター) 野口理英子(松山東雲女子大学) ●指 定 討 論 者:藤生 英行(筑波大学) 【企画要旨】 災害時に学校管理職及び教員は、自ら被災しつつも児童生徒やその保護者の心身のケアにあたってきた。特に、 学校管理職は、限られた情報のもとで様々な困難に対する決断を迫られ、心理的負担を強いられたことが随筆等 で報告されている(Ex.田端、2012)。これまで、災害救援者である教員のストレスについてはデータに基づく体 系的な分析がなされていない。本シンポジウムでは、始めに中越地震、東日本大震災で被災した管理職のインタ ビューから、災害救援者でありながら被災者でもある教職員への支援について話題提供してもらう。次に、被災 経験のある教職員と被災経験のない教職員へのアンケートから被災教職員のストレス状況と、支援のあり方につ いて話題提供をしてもらう。話題提供を受けて、今後予想される南海トラフ地震をはじめとした災害に備え、災 害救援者としての教職員にどのような支援が必要か参加者とともに考えたい。 S-A2 会 場 125 「対人関係ゲーム」のさらなる可能性を求めて Ⅲ ●企画・司会:瀧澤 洋司(昭和女子大学) 田上不二夫(東京福祉大学) ●話題提供者:中村 恵子(東北福祉大学) 井ノ山正文(逗子市教育研究所) 伊澤 孝(宇都宮市立陽南小学校) 西澤 佳代(長野市立戸隠小学校) ●指定討論者:田上不二夫(東京福祉大学) 岸田 幸弘(松本大学) 【企画要旨】 対人関係ゲームの歴史は20年を超え、人間関係づくりプログラムとして活用されてきた。不登校生を学級に復 帰させる、学級の親和性や満足感を高める、孤立児と学級の関係性を高める、発達障害児と学級の関係性を高める、 PTA研修会での実践などの事例や研究を報告してきた。大澤・田上(2015)によれば、2014年までの20年間に発 表された学会誌や紀要に掲載された論文は14本、学会の大会で発表された論文(シンポジウム原稿は除く)は89本、 および書籍は4冊(事例は除く)があり、その研究発表は実践報告と尺度開発の2つに大別され、実践報告はさ らに(1)不登校や発達障害など特別なニーズへの対応が必要な子どもを受け入れる学級環境の改善を目的とした 実践と、(2)人間関係づくりや学級集団づくりなどの人間関係の改善に関する事例の2つに分けられると述べ、 さらに4つの課題を示した。インクルーシブ教育時代を迎え、また新たな視点から対人関係ゲームの活用におけ る社会貢献の可能性について、シンポジウム参加者全員で自由に考え討議したい。 ― 27 ― 8月27日(土) 14:00~16:00 S-B1 会 場 124 いじめ問題への問い直しと予防・対応 ●企画・司会:稲垣 応顕(上越教育大学) ●話題提供者:山本 奬(岩手大学) 佐野 泉(横浜国立大学) 松井 理納(富山赤十字看護専門学校) ●指定討論者:犬塚 文雄(名古屋学院大学) 【企画要旨】 いじめ問題は、学校教育界ならず重大な社会問題である。しかし、森田(1990)が社会学の視点から『いじめ の4層構造』を見出して以来、カウンセリングまた教育臨床の領域においては、新たな提案に乏しい。すなわち、 有効な予防(防止)の手立て、気づきを含むアセスメントの方法、前述の四層の各々に位置する児童生徒への早 期対応などへの提案が少ないように思われる。いじめ問題には、早期発見の重要性が指摘されてはいる。しかし我々 は、教師などがいじめを早期発見した時には、すでにいじめは始まっているという事実にも注目しなければなら ない。 本シンポジウムでは、現職経験を有する研究者、過去における自身の経験を活かしながらスクールカウンセラー として活躍するシンポジストに、教育現場で活かす当該問題への具体的提案をして頂き、フロアーとの議論から 有用な予防・早期発見と対応の方法に示唆を得る。 S-B2 会 場 125 ボディワークとしてのシステマとカウンセリング・心理療法 -第三世代のボディワークの展開- ●企 画:守谷 賢二(淑徳大学) 吉田 梨乃(東京学芸大学大学院) ●司 会:池田 彩子(上智大学大学院) ●話題提供者:守谷 賢二(淑徳大学) 北川 貴英(システマ本部公認インストラクター/システマ東京代表) ●指定討論者:斎藤富由起(千里金蘭大学) 吉森丹衣子(法政大学大学院) 山内 早苗(世田谷区児童相談所) 高橋 佳三(びわこ成蹊スポーツ大学) 岸本 早苗(京都大学大学院) 【企画要旨】 2000年代に入り、第三世代のCBTであるマインドフルネスを中心に、身体性を重視した新しいスキルや理論が 提唱されている。とりわけボディワークやソマティクスと呼ばれる領域ではセンサリーモーターサイコセラピー やフランクリンメソッドなどの新しい技法が導入され、「第三世代のボディワーク」(斎藤、2013;守谷、2014) の展開が認められる。本シンポジュウムでは第三世代のボディワークの中でも怒りのコントロールやストレス対 処法が注目されているロシアのマーシャルアーツ発祥とするボディワーク「システマ」に注目する。システマは 独自の呼吸法とともにインターナルワークと呼ばれる独自の自己覚知の手法を持っており、マインドフルネスと の異同も論点である。本シンポジュウムでは、カウンセリング、福祉、教育、心理療法の立場から指定討論を行い、 それぞれの領域に対するシステマ呼吸法の応用について議論を行う。 ― 28 ― 8月27日(土) 14:00~16:00 S-B3 会 場 126 学級集団のアセスメントに基づいた対人関係ゲームの実践 ●企画・司会:野村 華子(富山県総合教育センター) ●話題提供者:本村 雅宏(富山県総合教育センター) 井ノ山正文(逗子市教育委員会教育研究所) 松本 直美(壬生町立稲葉小学校) 木村 晴美(日光市立豊岡中学校) 伊澤 孝(宇都宮市立陽南小学校) ●指定討論者:田上不二夫(東京福祉大学心理学部) 【企画要旨】 対人関係ゲームをはじめとしたグループアプローチは、個人の成長を支えるだけでなく、集団の質を高める上 でも効果がある手法である。しかし、経験の浅い段階では、ワークを実施することに対する心理的な負担が大き いことが課題となっていることが推測される。グループアプローチの熟練者はワークの内容に精通していること から、ワークを導入することによる学級集団の変化が予測できる。また、ワークを導入する集団の特徴や課題に ついて無意識にアセスメントを行い、ゲームを選択していることから、ワークを実施している時に感じる不安や 負担が少ないと考える。経験を重ねることで学級の状態にあったワークを選択し、実行することが可能になる。 しかし、熟練するまでは学級集団のアセスメントを意識的に行い、ゲームを導入する意図を意識して実施するこ とが重要であると考える。今回のシンポジウムでは、経験年数や立場は様々であるグループアプローチの実践者 をシンポジストに迎え、どのような観点からアセスメントを行っているか発表を行う。その後、参加者と共に集 団のアセスメントとワークを選択する際の工夫点について議論・検討することを目的とする。 8月28日(日) 10:00~12:00 S-C1 会 場 124 子育て支援を考える その3 -よりよい支援を目指した多様な実践- ●企画・話題提供者:磯田 節子(杉並区立ひととき保育高井戸) ●話 題 提 供 者:北條 直美(日本産業カウンセラー協会東京支部保育・福祉専門部会) 遠藤 玲子(杉並区子ども家庭支援センター) ●司会・話題提供者:有沢 孝治(東海大学) ●指 定 討 論 者:フロアのみなさま 【企画要旨】 私たちは、日本カウンセリング学会第47回大会(2014年)から子育て支援をテーマに自主企画シンポジウムを行っ てきた。今回は過去2年間で報告してきた子育て支援の内容(一時預かり保育での配慮、親子参加のグループ活 動の成果と課題、子ども家庭支援センターにおける連携と個別支援、子育て支援者の育成など)をふまえて、子 どもへの支援、保護者への支援、専門職間の連携、保育関係者の資質向上について、具体的な事例を挙げながら、 フロアの皆様と共にどのような取り組みが子育て支援に効果的なのか、課題としてどのようなことがあるのかを 検討していきたいと考えている。 ― 29 ― 8月28日(日) 10:00~12:00 S-C2 会 場 125 学校現場にソーシャルスキルトレーニングを効果的に導入するには -般化を促進する方略に焦点を当てて- ●企 画:新川 広樹(北海道医療大学大学院心理科学研究科) 二瓶 正登(専修大学大学院文学研究科) ●司 会:富家 直明(北海道医療大学心理科学部) ●話題提供者:二瓶 正登(専修大学大学院文学研究科) 金山 裕望(同志社大学大学院心理学研究科) 新川 広樹(北海道医療大学大学院心理科学研究科) ●指定討論者:本田 真大(北海道教育大学教育学部) 【企画要旨】 近年、学校現場がソーシャルスキル形成の場として果たす役割は大きくなっており、すべての児童生徒を対象 に学校教育の中でソーシャルスキルの学習機会を提供する「学級単位のソーシャルスキルトレーニング(CSST)」 が盛んに行われている。しかしながら、介入効果の般化を促進させるための方略については、系統だった研究が 少なく、その実践・評価方法はプログラムの実施者各々の創意工夫に頼っているのが現状といえる。そこで本シ ンポジウムでは、はじめに学習理論の観点から般化についての基礎的な枠組みを示した後、発達障害を有する児 童への対応を加味した実践や、学校との協働体制づくりといった実践紹介を通じて、般化を共通目標としたCSST の効果的な導入のあり方について議論していきたい。 S-C3 会 場 126 授業における心理教育の実践 ●企 画 ・ 司 会:武田 明典(神田外語大学) ●企画・話題提供:小柴 孝子(神田外語大学) ●話 題 提 供:杉本 祥子(柏市教育委員会) 原田恵理子(東京情報大学) ●指 定 討 論:植草 伸之(千葉市養護教育センター) 会沢 信彦(文教大学) 【企画要旨】 心理教育は、こころの予防・啓発的教育として着目されている。新学習指導要領で改正される特別な教科であ る道徳において、心理教育を実践することが期待される。本シンポジウムでは、これからの道徳教育に対する教 職員の意識調査、および、既に道徳や国語教育の中で行われている2つの心理教育の実践事例を通じて、学校教 育における心理教育のさらなる可能性や課題点について、検討することをねらいとする。 ― 30 ― 8月28日(日) 13:00~15:00 S-D1 会 場 124 実践に活かすカウンセリング研修を考える ~アセスメント力をつけるための実習プログラムの試み~ ●企画・司会・話題提供:飯田 俊穂(昭和大学、安曇野ストレスケアクリニック) ●話 題 提 供 者:加藤由美子(長野県子どもサポートセンター) 清水 好美(長野県臨床心理カウンセリング研修センター) 飯田 光子(安曇野ストレスケアクリニック) 【企画要旨】 2015(H27)年に、公認心理師法案が可決され、いよいよ数年後には初めて心理系の国家資格として公認心理師 が誕生する運びとなりました。現代社会は、ストレス社会とも言われ各職域(医療・産業・教育・司法など)で の心理職(カウンセラーや心理師)への要請はますます高まってきています。そこでわれわれ認定カウンセラーは、 今後社会の中でどのような位置づけや立場で活動、活躍することができるかが大きな課題である。また、クライ エントが神経症圏なのか、精神病圏なのか、あるいはそれらの境界水準なのか、また心身症的なのか、正常心理 反応圏なのかどうかなど、病態水準の把握は、カウンセラーにとって重要な問題であり、クライエントを守るた めにもとても大切であるといわれている。今回われわれは、その課題の大きな一つとして実践に活かすアセスメ ント力の習得を目的に実習プログラムを試みている。具体的には①医療実習、②ボランティア実習(個別カウン セリング実習、巡回スクールカウンセラー派遣)である。それぞれについて実習プログラムの現状と体験状況お よび課題などを報告していただき参加者の皆さんと検討したいと考えました。 S-D2 会 場 125 カウンセリングの質を高めるカウンセラー教育プログラム -“カウンセリングコンピテンス”の概念を考える- ●企画・司会:田所 摂寿(作新学院大学) ●話題提供者:田所 摂寿(作新学院大学) 髙木 憲子(作新学院大学臨床心理センター) 本城 慎二(東京都立府中高等学校) 松本 浩二(関東学院中学高等学校) ●指定討論者:日野 宜千(栃木県カウンセリングセンター) 【企画要旨】 カウンセラー教育において、カリキュラムや知識の学習に関してはそれなりの系統だったプログラムが見られ るようになってきた。しかし心理臨床の現場で役に立つカウンセラーとなるためには、学習・演習・経験が必要 となる。経験についてはスーパーバイザーについてスーパービジョンを受けながら臨床経験を積み上げていくこ とが求められる。一方でトレーニング過程における演習(訓練)に関してはロール・プレイを中心に行われてい るが、なかなか統一されたプログラムが確立していないのが現状である。そこで本シンポジウムでは“カウンセ リングコンピテンス”概念を取り上げ、①素質と経験、②態度・姿勢・人間観(哲学)、③スキルの3つの要素か ら演習のプログラムについて考えてみたい。当日は臨床経験3年の初学者のトレーニング内容を取り上げ、ベテ ランのトレーナーからの訓練の視点を挙げていただき、カウンセリングコンピテンスという概念を中心とした議 論を展開していきたい。 ― 31 ― 8月28日(日) 13:00~15:00 S-D3 会 場 126 ビデオ・セッションを通したブリーフセラピーの学習 ●企 画:板倉 憲政(岐阜大学) 若島 孔文(東北大学大学院) ●司 会:板倉 憲政(岐阜大学) ●話題提供者:板倉 憲政(岐阜大学) 狐塚 貴博(作新学院大学) 戸田さやか(東京都江戸川区発達障害相談センター) 伊東 優(栄仁会宇治おうばく病院/栄仁会カウンセリングセンター) 岩本 脩平(同志社中学校・高等学校) ●指定討論者:若島 孔文(東北大学大学院) 【企画要旨】 本シンポジウムでは、ブリーフセラピーを実践したロールプレイによるビデオ・セッションを教材にしてブリー フセラピーの本質や習得するために必要なコツなどを学んでいく。その後、ビデオ・セッションから感じ取れた 疑問やブリーフセラピーの見立てや創意・工夫している点などを、若手臨床家であるが中心に発表する。 指定討論者での先生には、若手臨床家の疑問に答えていただきながら、“実践者が抱える悩み”と“初学者が抱 える悩み”の整理や、新たな知見を得ることを目指していく。また、本シンポジウムは、フロアの先生方も交え ながらブリーフセラピーの面接のプロセスについて多様な視点から議論をしていく予定でいる。 ― 32 ―
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