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プレミアパートナー インタビュー
Associates International社
(アメリカ)
の
マーケティングサービスプロバイダー
(MSP)
への転換
効率的な経費削減と、投資によって、
Associates International社はMSPへの
転換を実現した。
デーブ・ザモースキー氏
最高執行責任者
最高執行責任者 デーブ・ザモースキー氏 談
2006年、Associates International社は岐路に立っていました。従来の印
マーケティングスタッフ3名、
デザイナー1名、
およびITとプログラマー5名を
刷がもたらす利益は縮小し、新しいデジタル印刷事業の成長をもってしても
含む計52名です。
その穴を埋めることはできませんでした。
この状況を改善するため、経営層
は戦略としてマーケティングサービスプロバイダー(MSP)
に業態転換し、
さ
らにゼロックス プレミアパートナーグローバルネットワークに入会するこ
とを決断しました。
この効果は絶大で、デラウェア州ウィルミングトン市にあ
る同社の関係企業では、
この不況や上位20社の顧客の65パーセントが入れ
替わったにも関わらず、
マーケティングサービスによって全利益の半分を生
み出し、2006年から28%の成長を遂げています。
また、同社は過去2年間で
マーケティング、
ワークフロープロセス、品質、
およびサービスの分野で26回
表彰され、
そのうち5回は国際的な賞で、名誉あるCIP4国際印刷製造革新賞
(2010)
や、
エルメスクリエイティブ賞(2010)
などを受賞しました。
私たちはAssociates International社の最高執行責任者であり、
ゼロックス
プレミアパートナーの諮問委員も務めるデーブ・ザモースキー氏と対談し、同
社がどのように変革を遂げたのかを語っていただきました
(以下は編集した
会話記録です)。
Q.
どのようにしてマーケティングサービスプロバイダーになったのですか?
ザモースキー氏:私たちは、多くの人とは逆の順序で進めました。
まず2006
年にワークフローを体系的かつ入念に見直しました。行動を分析し、改良す
Q.
この戦略は事業にどのような影響をもたらしましたか?
ザモースキー氏:とても顕著に表れました。私たちの新事業はマーケティング
活動から生まれたと言えるでしょう。一例に、製薬会社とのビジネスがありま
す。
当初は年間15万ドルのビジネスでしたが、彼らがランチ勉強会に参加し
た結果、140万ドルになりました。翌年の2009年には220万ドルに増大しま
した。
ランチ勉強会のテーマが統合マーケティングキャンペーンだったのにも
関わらず、受注内容はほとんどが従来の印刷でした。
しかし2010年には、印
刷とは関係がないウェブサイトの開発を受注しました。
これは興味深く、価値
がある発展的な移行だと思います。
MSPは私たちの事業の約半分を占めています。2011年に予定しているすべ
てのプロジェクトは、
マーケティングとプログラミング、
セールスを融合したも
のです。
これが標準的なスタイルになったのです。
Q.
印刷と全く関係がない仕事はどれくらいありますか?
ザモースキー氏: 2011年は、約20%を予測しています。大半がオンライン店
舗やウェブサイトの構築です。2008年は3∼4%、2009年は7%でしたから、
飛躍的に伸びています。
ることで生産性を80パーセントまで拡大させて、PSP(プリントサービス・プ
Q.
どの市場をターゲットにしていますか?
ロバイダー)
としての地位を向上させました。
これによって資金繰りも改善して、
ザモースキー氏:2007年までは、特にターゲットを決めていませんでした。
そ
マーケティングスタッフやプログラマーの雇用に繋がりました。
こで、今までの売り上げを見直しました。
その結果、金融と製薬業界が私たち
次に、私たちはマーケティング、
プログラミングの順に改善に取り組み、2007
のビジネスの大きな割合を占めていることが分かったため、
この市場を拡大
年にはだいぶ整備されました。プログラミングについては、社内で構築でき
することにしました。
ピンポイントなアプローチと、広く攻める方法のどちらも
るようになるまでは外注しました。
お客様のニーズが無いのに、ITとプログラ
行いました。
すると、製薬業界の売り上げは3倍に、金融は2倍以上に増大し
ミングに30万ドルも費やしたくなかったからです。
ました。
Q.
会社の人員配置はどのように変わりましたか?
自動化に活用していますか?
Q.
どの程度アプリケーションを標準化し、
ザモースキー氏:2006年は、パートタイムのマーケティングスタッフ1名を
ザモースキー氏:現在、約30のオンライン店舗を運営しており、
そのうち90%
含めて計84名でした。
プログラマーはいませんでした。現在は、
フルタイムの
はテンプレートを使って開発しました。
そして、私たちの自動化システム用に
XPPGN Q1 2011
Associates International社が手がけた、Barclaycard社の
「USエアーウェイズ・ディバイデンド・マイルズ・マスター
カード」
キャンペーン。
設計された数百の製品テンプレートを、
オンライン店舗ごとに用意しています。
ら250社まで増えました。
また、
デルウェア州政府とのtweet up(ツイッター
また、使用する用紙を8枚までにして、
用紙サイズは12インチ 18インチだけ
で参加募集された懇親会)
も主催しました。
にしました。
そして裁断や折りでどんな用紙サイズにもできるようにしました。
Q.
プレミアパートナーの諮問委員として、
プレミアパートナーの今後をどう
このシステムで多様な注文に対応できるようになり、JDFジョブチケットを生
思いますか?
成して、
すべての印刷ジョブが正確かつ自動的に行われるようにしました。
ザモースキー氏:プレミアパートナーの活動は、過去2年間で大幅に進歩し
2010年度には、CIP4賞を受賞しました。
オンライン店舗、MIS、
およびXerox
ました。イベントやウェブサイト開発、その他の活動への取り組みは今後も
iGen のRIP、そしてそのワークフローを背後で支えるXerox FreeFlow
続きますし、それによって会員は国際的なビジネスをより展開しやすくなる
Process Manager とカスタマイズプログラムの連携による自動化が評価
でしょう。
されたことが理由です。iGen は毎日午前2時に稼働し、
その晩の注文を次々
プレミアパートナーは私たちにRR Donnelly社やConsolidated Graphics
にこなします。
まさに完全自動運転です。
社に対抗する可能性を与えてくれます。私はデジタル情報機器を1000台も
Q.
顧客はどのようなマーケティング支援を必要としているのでしょうか?
ザモースキー氏:もちろん、Fortune誌に載っているような全米一流企業500
社を訪ねて
「私たちにマーケティングをお任せください」
とまでは言えません。
しかし、私たちは企業のマーケティングキャンペーンに活気を与えています。
自社で所有しているとは言えませんが、
プレミアパートナーのネットワークを
通してアメリカ全土で持っていると言えるでしょう。私はこのネットワークを
通じて、国際的なビジネスとの接点を作っています。
このネットワーク無しで
は実現できないことです。
企業側のマーケティングスタッフと膝を突き合わせて、彼らが何をしたいの
Q.
MSPに業態転換したい企業にどのようなアドバイスをしますか?
かを説明していただく。
そして私たちはそれを実現するための技術を考え出す。
ザモースキー氏: MSPへの転換は、努力する価値があります。
そして成功に
技術とマーケティングのコラボレーションと言えますね。私たちは企業に対し
は持続が必要です。転換が困難で、
多大な費用がかかる場合でも、正しい計画
て、経費削減を可能にするためのワークフローを構築します。
つまり、企業が
と資源を用いれば解決します。支援してくれる人もいるでしょう。
ただし、戦略
サービスを強化するためのソリューションを売っているのです。常に最新の技
から始めなければいけないことを忘れないでください。
術を提供しているので、非常に感謝されています。
Q.
ソーシャルメディアにはどのように対応していますか?
まず社内のワークフローから見直して、効率化に努めてください。
そうすれば、
MSPに転換するための投資ができるようになるでしょう。
ザモースキー氏:ソーシャルメディアのねじれは、
ソーシャルメディアだけの問
また私見ですが、現場レベルがMSPへの転換をコントロールしている場合
題ではありません。印刷、
Eメール、
およびパーソナライズURLと切っても切れ
は、成功しないでしょう。現場はマーケティングとは異なります。
もし良いマー
ない関係にあり、
ソーシャルメディアを活用することによって、
それらすべての
ケティングスタッフがいる場合は、転換のために必要な活動は、彼らに任せま
サポートができます。私たちの理念は、
「お客様は私たちが居ても居なくても
しょう。
進んでいく。
しかし私たちはお客様と共に歩んでいきたい。」
です。
最後に、可能な限り優秀な人材を採用しましょう。事業、
マーケティング、財務
私たちはソーシャルメディアで高い評価をいただいています。
2009年には、
AI
プランは、明確で実行可能でなければなりません。
目指す方向をしっかりと見
(Associates International)大学でソーシャルメディアをテーマにランチ勉
極めて、
その道から外れないようにしてください。気持ちが揺れて違う道に引
強会を開催し、今でも勉強会での主要テーマになっています。初めの頃は1回
き寄せられることは簡単です。
あなた自身が確固たる自信を持って、
これと決
のセッションで35社から40社の顧客が参加していましたが、今では50社か
めた市場以外のビジネスを追求しないことが大切です。
XPPGN Q1 2011