150 123 3号 平成 21年 (2009)

1
5
0
新潟 医学会雑誌
第
1
2
3巻
い.しかもその デ ー タ に よ る と推 定 IQ の 分散 は
I
Qの分散 よ り も 明 ら か に 小 さ く ,JART には高
I
Qの若年成 人 で も誤 答 しや す い 熟 語 は 含 まれ て
いることが推測 され る . そ こ で 今 回 われわれ は,
苦叶成人でJ
ART J
削 】別 1
1
:
.
答 率 を 求め高齢 者の I
E
.
答率 と比較 し,熟 語 音 読 に 関 す る世代 ・文化的 な
特徴を考察 した .
健常若年成人
(
若 年 群 )41人 (
男性 2
3人,辛
均年齢 3
1.
9歳 ) を対 象 と し,J
AFr5
0項 目版 を実
第 3号 平成
2
1年 (
2
0
0
9
)3月
とが知 られてい るが,QT延長 は多型心室不整脈
である t
o
r
s
a
ded
epo
i
nt
e
sく
TdP) を引 き起 こ し,
心室細動 か ら突然死 を引 き起 こす ことがある.令
回我 々は,同一個体 において薬剤置換 によ り,ホ
)
i
,
タ-心電図 を用いた評価 で QT間隔の著明 な延
長 を認めた症例 を経験 したので若干の考察 を加 え
て報告す る.なお,本研究 は新潟大学医学部遺伝
子倫理審査委員会にて革認 を受 け,本人に文書で
十分説明 した後,書面 による同意 を得ている.
施 した.J
Aだ】
30項 目版 稚戒の予備調査における
症例 は 3
7歳,女性.入院 中に担 当医の判 断 で
煙 筒 高齢者 (
高齢群 )41人 (
男性 3
0人,平均年
齢 69.
1歳 )の デ ー タを比較 対照として用いた.本
01
a
nz
a
pi
ne(
0Ⅰ
戊)2
0
mgか ら 0Ⅰ
24
0
mgを経 て
Chl
o
r
pr
o
ma
E
i
ne (
CP)5
0
0
mgへ と薬 剤置換 が行
研究 は新潟 大学 医学 部倫理委 員会の承認を得 てい
われた.それぞれ単剤で同一用量 を 2週間以上服
る.
用 した時点で,2
4時間ホル ター心電図検査,生化
3
0 (
1項 目平 均 正答 率
全 正 答 数 は,若 年 群 1
6
30
/
a),高 齢 群 1
293 洞 6
3%) と両群 間に有意
差はなか った. しか し項目別正 答数の分布 には有
学検査 を施行 した FM -1
2
0(
FukudaDe
ns
hi
)と
SCM -6
0
0
0(
Fu
kudaDe
ns
hi
) を用 いて記録 ,解
5秒 ごとに QT間隔,RR閤隔 の平
析 を行 った.1
意差を認め た 正答率 が若年群 >高齢群の熟語 は,
押遣 (
8
8%対41%上 脆弱 (
6
8% 対 29%)‥払吹
i
de
r
i
c
i
a法 (
QTc
F- QT/
海
均値 を算出 しきFr
(
9
0%対 51% 上 悪寒 (
9
5%対 61%),向 日葵
(
9
5%対 6
3% )で あった.反 対 に正答率 が若 年
検討 を行 った
群 <高齢群の熟語は,不如燭 (
2
2%対 7
3%),磨
時 間平均 QTc
Fは それ ぞれ ,41
9.
4± 8
.
9
ms(蘇
7%対 舶 %),畷 簾 (1
5%対 4
4% ),時 化
揚 く
3
5.
5
ms
,最小 4
0
3.
4
ms
),41
8,
8± 1
0.
4
ms (
蘇
大4
(
51%対 7
6%),自惚 (
2
7%対 5
1%)であった.
人4
3
8
.
8
ms
,最 小 4
0
5
.
1
ms
),4
4
3.
2± 1
4
.
0
1
1
1
S(
最
正答率が若年群 <高齢群で あった ものは過去の
文学作品などに使用 された不規則読み熟語 が多 く
若年群 >高齢群 であったもの は現在の新聞 ・マス
コ ミで多用 された り音楽作品に用い られ る熟語 と
考 えられた.若 い世代 に J
ARTを用いる場合 には,
世代 や文化 に依存す ると考 え られ るこれ らの熟語
について十分 な配慮 を して J
A況Tを改訂す る必要
があると思われ る.
)
を用いて QT間隔の補正 を行い,この櫨 につ いて
0
mg,Ot
Z亜mg,CP5
0
0
mgの 2
4
【
結栄 】OLZ2
大4
6
5
.
7
ms
,最小 4
2
4.
3
ms
)で あった.2
2時 か ら
6時 までの平 均 QTc
Fは ,0Ⅰ
戊2
0
mg,4
0
mg,CP
2
5
,
8± 8.
1
ms
,4
2
5
.
0± 9.
1
5
0
0
mgで それ ぞれ ,4
ms
,4
5
7.
9± 6
.
1
msで あった.
(
考察 】抗 精 神 病 薬 に よ る QT延 長 につ いて,
OLZ増 量 は QT間 隔 に影 響 を与 えなか っ たが,
CPへの置換 によ り,特 に夜 間 に QT間隔 が延長
す ることを経験 した.夜 間睡眠 中の RR間隔の延
長が,薬剤 による QT間隔延長効果 を増強す る可
能性が示唆 され,特 に夜間 には注意が必要 である
2 0l
an組pi
neか ら c
hl
or
pr
oma笈i
neへ の 置 換
後 に夜 間 QT時間の延長 を認 めた 1症例
常山
小野
染東
暢 入 ・鈴木雄 太鄭 ・渡避
純蔵
・須 貝
拓朗
信 ・福井
直樹
榎率
新潟大学医歯 学総合病院欄 神 科
摘 的】抗 精神病薬 は QT間隔 を延長 させ る こ
と考えられた.