52 当院における一次健診より抽出された小児の QT 延長への対応 ◎小倉 慎太郎 1)、綿貫 裕 1)、辻井 一行 1)、上山 昌代 1) 姫路赤十字病院 1) 【はじめに】一次検診から二次検診への QT 延長抽出基準が変更にな 【トレッドミル運動負荷試験】安静臥床 5 分後に負荷前の安静時 ったこと、および二次検診において QT 延長例には運動負荷心電図が 12 誘導心電図を記録し、負荷開始後、波形変化(T 波の変形、 必要不可欠となったことなど、検診における QT 延長例における対応 TWA、VPC、Tdp の出現など)に注意しながら心拍数を十分にあげ が今年度から大きく変更になった。姫路市の学校保健(心臓検診)部 る(目標 150bpm 以上)。高い心拍数である程度の時間(6~10 分) 会では、一次検診において QT 延長が認められた場合、姫路市におけ 運動を維持し、負荷後は 5 分から 8 分程度は記録する。 る従来の二次検診医療機関での実施が今年度は困難との判断のもと、 【トレッドミル運動負荷試験終了後】第Ⅱ誘導もしくは V5 誘導を用 全例当院小児科を受診することとなった。今回、一次検診において抽 いて、接線法にて QTc を計測し、安静時と運動時の QTc の差が 出された QT 延長例に対して当院での安静時心電図、ならびに運動負 85msec 以上、運動終了後 3~5 分後の QTc 値が 470~480msec 以上、運 荷心電図での対応を報告する。 動直後から QTc が延長する場合のいずれかが当てはまる場合は三次 【対象】姫路市における一次検診において QT 延長(QTc≧0.45)が 施設へと紹介する。 認められた症例。補正方法は Fridericia(以下 F-QTc)のみを用いる。 【まとめ】患者は学校検診からの抽出であるため、小学 1 年生に運動 【当院における QT 延長例に対する対応】外来にて問診、診察と心臓 負荷を施行する機会が増える。小学 1 年生では体力もなく、筋力もま 超音波、心電図、必要であれば血液検査を行う。当日の安静時の心電 だ未発達であるため患者に適したプロトコールがあるとは言い難いの 図において F-QTc≧0.48 秒である場合や危険因子がある場合は運動負 が現状であるが、今後多くの症例を経験するなかで小学 1 年生に適し 荷心電図を当院では行わずに三次施設へ紹介し、当院での安静心電図 たプロトコールは何なのか考えていくとともに、情報収集および地域 が F-QTc<0.48 秒である場合(F-QTc<0.45 秒の場合も含めて)はト 施設間での情報共有が必要であると考える。 レッドミル運動負荷試験を施行する。 姫路赤十字病院 079-294-2251(内線 2151)
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