資料【PDF:540KB】

平 成 2 6 年 9 月
4 日
日本原子力研究開発機構 敦賀本部
高 速 増 殖 炉 研 究 開 発 センター
高速増殖原型炉もんじゅにおける
1 次系ナトリウム漏えい警報発報の誤警報について(9月3日)
1.発生状況
「もんじゅ」は低温停止中であり、1、2次系主冷却系Bループは、ナトリウムドレン状態、
1、2次系主冷却系 A、C ループは、ポニーモータによる循環運転中のところ、平成 26 年 9
月 3 日 9 時 00 分頃から 1 次主冷却系(B)ナトリウム漏えい警報試験作業を開始した。当
該警報試験を実施していたところ、10 時 28 分頃、1 次主冷却系(A)配管室のナトリウム漏
えいを監視しているナトリウムイオン化式検出器(SID)のナトリウム漏えい警報が現場制御
盤及び中央制御盤において発報した。(添付資料-1参照)
2.時系列
9月3日
9:00頃 1 次主冷却系(B)ナトリウム漏えい警報試験作業開始
10:28頃 現場制御盤「A 主冷却系関連室 Na 漏えい」警報発報
中央制御盤「A 1 次主冷却系 Na 漏えい」警報発報
10:29頃 上記の警報リセットを確認
10:37頃 当直長は、中央制御室監視計器及び現場制御盤にて当該 SID 指示値
に異常がないことを確認 (添付資料-2参照)
警報発報原因が現場制御盤の作業による発報であることを確認し、誤警
報と判断
10:43頃 当直長から連絡責任者へ連絡
11:15頃 国等関係箇所に情報連絡開始
3.状況調査結果
①1次主冷却系(B)ナトリウム漏えい警報試験において、「B 主冷却系小口径配管 Na 漏え
い」の警報試験を実施したところ、「A 主冷却系関連室 Na 漏えい」警報が発報した。
②そのため、警報試験に伴い入力していた保守ツールからの模擬信号を停止し、警報をリ
セットした。
③模擬信号を入力した保守ツールの信号入力箇所を確認したところ、「B 主冷却系小口径
配管 Na 漏えい」ではなく「A 主冷却系関連室 Na 漏えい」に信号を誤入力していたこと
を確認した。
4.原 因
本作業は、作業班長、操作員(保守ツール操作)、作業員(警報確認)の 3 名で現場作
業を行っており、保守ツールを用いてソフト上のロジック図を操作することにより、警報回
路へ模擬信号を入力しナトリウム漏えい警報を発報させる試験を行っていたところ、本試
1/4
験に係るソフトロジック操作の際に作業班長と操作員によるダブルチェックを十分に行わ
ず、操作員は操作時の指差呼称等を行わなかった。
5.問題点
要因分析を行い、以下の問題点を確認した。
(1) 作業班長から操作員への注意事項等の周知が不十分だった。
(2) 作業班長はソフトロジック操作を操作員1人に任せてしまった。
(3) 操作員はロジック図番号の確認を行わなかった。
(4) 保守ツールにおいて、ループが異なる箇所のソフト操作をブロックできる仕組みとなっ
ていなかった。
6.対策
問題点を踏まえ、以下の対策を行う。
(1) 作業班長から操作員への注意事項等の周知が不十分だった。
作業要領書の作業前注意事項として充填ループに誤警報を出さないようにロジック
図番号の確認を十分に行う旨を記載し、作業前に周知する。
(2) 作業班長はソフトロジック操作を操作員1人に任せてしまった。
作業要領書の警報確認作業管理チェックシートにソフトロジック操作はダブルチェッ
クで確認することを記載し、当該警報確認試験データシート記載内容を、声を出して
ダブルチェックで確認することを周知徹底する。
(3) 操作員はロジック図番号の確認を行わなかった。
作業要領書の警報確認試験データシートに模擬入力箇所の確認項目を追加し、ス
テップ毎に確認欄を設け、ロジック図を準備し色染めしながら作業を進める。
(4) 保守ツールにおいて、ループが異なる箇所のソフト操作をブロックできる仕組みとな
っていなかった。
保守ツールにおいて、間違ったソフト操作が出来ないようなブロック機能を持たせる
ことを中長期に検討を行う。
7.水平展開
今回のように 1 台の保守ツールを使って全ループのナトリウム漏えい警報等の模擬信
号入力を行う点検作業の調査を行い、同様の事象が発生しないように必要な対策を実施
する。
以
2/4
上
3/4
・
・
・
・
検出器
Bループ
・
・
・
・
検出器
Aループ
ループ計器類
ループ計器類
R
計器点検概要
情報処理盤
図
演
算
器
R
保守ツール
中央制御盤
警報
【警報試験】
保守ツールによる警報模擬入力にて警報発報
を確認する
1次Na漏えい検
出設備制御盤
(含警報)
警報出力を確認する
添付資料‐1
「A
1次主冷却系Na漏えい」警報発報
添付資料-2
4/4