1 県内における高圧ガス災害事故の概要(平成 25 年)

県内における高圧ガス災害事故の概要(平成 25 年)
事故区分
事 故 原 因
着
物
火
製造事業所(冷凍)
無
製造事業所(冷凍)
2
現
象
設 備 区 分
フルオロカーボン 134a
業
種
取 扱 状 態
漏えい
誤操作、誤判断
死
亡
重
傷
軽
傷
0
0
0
0
0
0
0
0
一般化学
冷凍設備、蒸発器
フルオロカーボン 134a
漏えい
プラスチック加工
製造中(定常運
施工管理不良
無
冷凍設備、凝縮器
転)
事業者とメーカーが合同で冷凍設備の定期自主検査を開始しようとしたところ、メーカー
が冷凍設備の外枠に油が垂れているのを発見し、当該冷凍設備の運転を停止した。冷凍設備
の停止に伴い、電磁弁 1 以外のすべての電磁弁が自動閉止した。石けん水を用いた漏えい箇
所特定作業の結果、冷凍設備の空冷式凝縮器入口の銅管(φ9mm)に 0.5mm 程度のピンホール
を発見した。漏えい箇所特定後、電磁弁 1 が自動閉止していないことにメーカーが気付き、
スパナを用いて強制的に閉止した。この操作によりすべての電磁弁が閉止した。
漏えい箇所の実体顕微鏡写真から、配管表面の「く」の字型変形部分の底に割れが確認さ
れた。漏えい箇所の走査型電子顕微鏡の写真に疲労破壊に特徴的な縞模様が見られたことか
ら、配管の外面から内面に向かって疲労破壊が進行したことが判明した。
原因は、打痕による初期き裂が、運転時の振動により配管の内面に向かって進行し、割れ
に至ったと推定される。
再発防止策として、年 1 回の定期点検時に、空気熱交換器のヘッダー枝管とコイルチュー
ブ間の溶接部に浸透探傷試験を実施することとした。冷媒漏えい量は 4.3kg であった。
製造事業所(LP)
3
名
製造中(定常運
転)
事業所内の冷凍設備圧縮機において「吸込み圧異常」により保護装置が作動し、冷凍設備
が自動停止した。事業者は冷凍設備を4回再起動したが、吸込み圧が 0.05MPa と低圧にな
り、正常値(0.15MPa~0.30MPa)に戻らなかったため、冷媒系統の不具合によるものであると
推定し、冷凍設備を停止した。メーカーが確認したところ、膨張弁のサビによる作動不良及
びフィルターのつまりが原因であると考えられたため、冷媒を回収し、膨張弁及びフィルタ
ーを交換した。同日、事業者は冷凍設備を再稼働したが、凝縮器の液面計の液面が2層に分
かれ、冷凍設備内部への水の混入が認められたため、運転を停止した。なお、水は冷媒回収
を実施した際に、冷水側(高圧側)から冷媒側(低圧側)に流入したものと考えられる。
後日、事業者はメーカーとともに、蒸発器に接続された冷水系統の配管の冷水を抜き出し
たところ、冷水配管が高圧になったことから、蒸発器から冷水系統への冷媒の漏えいである
判断し、冷媒回収を開始した。
原因は調査の結果、以下の2つが考えられる。
① 蒸発器内部の鉄部に発生した錆こぶが剥がれ落ち、銅管上に堆積して、冷水の流れ
に伴う、錆こぶと導管表面との摩擦によって銅管表面が損傷した。
② 銅管の振動によって、バッフル(銅管を支える鉄部)との間に摩擦が発生し、銅管と
バッフルとの間に隙間が発生した。冷水が流れる際に、その隙間でキャビテーション
(局所的な気泡の生成と崩壊)が発生し、エロージョンが進行した。
再発防止策として、当該蒸発器をステンレス製のものへ更新し、冷水ライン補給水に、ス
ケール分散剤及び防食剤が配合された薬剤による処理を実施する。冷媒の漏えい量は、9.4kg
であった。
腐食管理不良
1
源
質
液化石油ガス
無
安全弁
漏えい
販売店
貯蔵中
事業所の従業員が日常点検を実施していたところ、販売用として容器置き場に保管してい
た LP ガス 50kg 容器の安全弁からガスが漏えいしていることを発見した。このため、容器に
水をかけ冷却し内圧を下げ、安全弁からの漏えいを止めた。その後、当該容器の所有者にお
いて残ガスを回収した。翌日、当該容器への充てん行った業者が容器を回収し、容器風袋重
量を計量し、帳簿と照合したところ、4.65kg の過充てんが判明した。
0
この事故を受け、同所では、過充てん容器と同一日に充てんした容器全てを回収のうえ、
再計量を行った。
原因は、充填業者が充てん機のおもりの設定を誤まり、過充てん(30kg 充てんするところ、
34.65kg 充填した。)となり、充填完了後の容器重量の確認も行わなかったためである。
再発防止策として、充填完了後、再計量とする(作業標準を改訂する)。また、従業員に対
する作業内容の再教育を行う。漏えい量は 34.65kg であった。
1
事故区分
事 故 原 因
着
物
火
製造事業所(LP)
名
現
象
設 備 区 分
液化石油ガス
業
種
取 扱 状 態
漏えい
無
死
亡
重
傷
軽
傷
0
0
0
充填所
製造中(定常運
転)
夜間、充填所の社員が構内施設点検を行っていたところ、アフタークーラー内から気泡が
発生しているのを発見し、アフタークーラーの出入口のバルブを閉止した。翌朝、メンテナ
ンス業者がアフタークーラー内の破損した銅コイル管を撤去し、プラグ止めを行った。
原因は、アフタークーラー内の銅コイル管が、隣接する圧縮機の振動により接触を繰り返
したためと推定される。
再発防止策として、事故の概要および今後の連絡体制について、教育を行う。また、銅コ
イル管の取り付けの際には、スポンジカバー(15φ×120mm)を取り付け、振動による破損を防
止する。
施工管理不良
4
源
質
アフタークーラー、コイル
2