解説 - H.Yagyu Web

高3数 γ
No. 8
関数,方程式と極限
(理系問題演習/柳生)
2014/6/9
(電通大)
問 16
する.
x
0 において,f (x) = e−x sin x を極大にする x の値を小さいほうから順に a1 , a2 , a3 , · · · と
(1) a1 , a2 を求めよ.
∞
(2)
f (an ) を求めよ.
n=1
√
3π
(1) f (x) = −e−x sin x + e−x cos x = e−x (− sin x + cos x) = 2e−x sin x +
4
π
よって f (x) = 0 (x 0) ⇐⇒ x = + (n − 1)π (n = 1, 2, · · · ) であり,
4
π
π
f (x) 0 ⇐⇒ + (n − 1)π x
+ nπ (n : 偶数),
4
4
π
π
f (x) 0 ⇐⇒ + (n − 1)π x
+ nπ (n : 奇数)
4
4
π
π
9π
なので,x = + 2nπ (n ∈ Z) において f (x) は極大値をとる.x 0 より,a1 = , a2 =
4
4
4
(解)
π
(2) (1) より,an = + 2(n − 1)π (n = 1, 2, 3, · · · )
4
π
π
1
− π4 −2(n−1)π
よって f (an ) = e
sin + 2(n − 1)π = √ e− 4 −2(n−1)π
4
2
1 −π
−2π
ゆえに f (an ) は初項が a1 = √ e 4 ,公比が e
の等比数列である.0 < e−2π < 1 なので,無限等比級
2
π
1
√ e− 4
π
∞
e− 4
2
数
f (an ) は収束し,和は
=√
−2π
1
−
e
2(1 − e−2π )
n=1
(平成18年東北大)
π
x > 0 において,関数 f (x) = x sin を考える.以下の問いに答えよ.
x
(1) f (2) を求め,x > 2 のとき f (x) < 1 であることを示せ.
1
(2) k が自然数のとき,f ( ) を求めよ.
k
(3) f (x) = 1 となる x を値の大きいものから順に x1 , x2 , x3 , · · · とおく.n 2 である自然数 n に対し
1
1
て, < xn <
を示せ.
n
n−1
(4) lim f (xn ) を求めよ.
問 17
n→∞
(解)
π
π
π
π π
π
π
(1) f (x) = sin + x − 2 cos = sin − cos よって f (2) = 1 − · 0 = 1
x
x
x
x x
x
2
π
π
π
π π
π
π
π2 π
f (x) = − 2 cos − − 2 cos + − 2 − sin
= − 3 sin
x
x
x
x x
x
x
x
x
より,x > 2 のとき f (x) < 0 なので,x 2 で f (x) は狭義単調減少する.
ゆえに,x > 2 のとき f (x) < f (2) = 1
(2) f
1
k
= sin kπ − kπ cos kπ = 0 − kπ(−1)k = (−1)k+1 kπ
(3) (1) より x1 = 2.
また 1 < x < 2 において f (x) < 0 なので,1 < x < 2 の範囲で f (x) = 1 を満たす x はない.
1
1
n 2 とする.f
= (−1)n+1 nπ と f
= (−1)n (n − 1)π は異符号で,かついずれも絶対値が
n
n−1
1
1
1 より大きいから,中間値の定理より,区間 ,
に f (x) = 1 を満たす x が少なくとも一つ存在す
n n−1
1
1
1
1
る.ここで,(1) より f (x) は
,
で定符号であり,よって区間 ,
において f (x) は単
n n−1
n n−1
1
1
調増加または単調減少であるから,そのような x はただ一つである.つまり,各区間
,
(n 2)
n n−1
1
1
に f (x) = 1 を満たす x がちょうど一つずつ存在する.よって明らかに < xn <
である.
(証明終)
n
n−1
(4) (3) の不等式から,はさみうちの原理より lim xn = 0.
n→∞
f (x) は x > 0 において連続なので,
π
lim f (xn ) = lim f (x) = lim x sin
n→∞
x→0
x→0
x
π
である.ここで,−1 sin
1 であるから,
x
π
0
x sin
|x|
x
π
が成り立つ.最右辺は x → 0 のとき 0 に収束するので,はさみうちの原理より lim x sin = 0 である.
x→0
x
よって求める極限値は 0.
(自習課題)
(平成18年早大)
問 18
n を自然数とし,x の整式 Pn (x) = x3 − nx2 − (2n + 12)x − 8 を考える.
(1) 3 次方程式 Pn (x) = 0 の正の実数解はただ 1 つであることを示せ.
4
(2) t が Pn (x) の解であるとき,Pn −
を求めよ.
t+2
(3) Pn (x) = 0 の正の実数解を αn とするとき,Pn (x) = 0 の最小の実数解を βn とする.βn を αn で表せ.
さらに, lim βn を求めよ.
n→∞
(解)
(1) y = Pn (x) とおくと,y = 3x2 − 2nx − (2n + 12)
y |x=0 = −(2n + 12) < 0 なので,y = 0 は正と負の実数解 α, β (α < 0 < β) を一つずつ持ち,
x < α, β < x で y > 0,α < x < β で y < 0 である.したがって,y は [ 0, β ] で単調減少,[ β, +∞ )
で単調増加である.
y|x=0 = −8 < 0, lim y = +∞ であるから,y = Pn (x) のグラフは x > 0 の範囲でただ1度 x 軸と交わ
x→∞
る.ゆえに,Pn (x) = 0 の正の実数解はただ1つ存在する.
3
2
4
4
4
4
(2) Pn −
= −
−n −
− (2n + 12) −
−8
t+2
t+2
t+2
t+2
−64
−16n
4(2n + 12)
=
+
+
−8
3
2
(t + 2) (t + 2)
t+2
8
=−
{ 8 + 2n(t + 2) − (n + 6)(t + 2)2 + (t + 2)3 }
(t + 2)3
8
=−
{ 8 + 2n(t + 2) − (n + 6)(t2 + 4t + 4) + (t3 + 6t2 + 12t + 8) }
(t + 2)3
8
=−
{ t3 − nt2 − (2n + 12)t − 8 }
(t + 2)3
= 0 (∵ Pn (t) = 0)
4
も Pn (x) = 0 の解であり,したがって
t+2
4(t + 2)
2t + 4
=−
=−
も Pn (x) = 0 の解である.
−4 + 2(t + 2)
t
(3) (2) より t が Pn (x) = 0 の解ならば −
4
4
−
+2
t+2
2t + 4
4
4
t > 0 とすると,−
= −2 − < −2 < −
< 0 < t が成り立つ.したがって,Pn (x) = 0 の正
t
t
t+2
の実数解を αn とすると,Pn (x) = 0 の最小の実数解 βn は
−
βn = −
2αn + 4
4
= −2 −
αn
αn
と表される.
ここで,(1) より αn は β =
ゆえに, lim βn = −2
n→∞
n+
n2 + 3(2n + 12)
より大なので,n → ∞ のとき αn → ∞ である.
3