サイクロイド θ

第 30 講 媒介変数を用いて表された曲線
数学Ⅲ
【問題1】
サイクロイド x = q - sin q , y = 1 - cosq の 0 <q < 2p の部分を C とする. x 軸上に2点
A( a, 0) , B( a + p , 0) をとる.ただし, 0 < a < p とする. C 上の2点 P と Q における C の法
2
線が,それぞれ A と B を通るとき,次に答えよ.
(1) P と Q の座標を a を用いて表せ.
(2)C および3線分 PA , AB ,BQ で囲まれた図形の面積が 3 (p + 3) となるように a の値を
2
定めよ.
181
【問題2】
xy 平面において,原点 O(0, 0) を中心とする半径 1 の円 C0 と,最初にその中心が座標 (2, 0) の
点にあり, C0 上を反時計回りに滑ることなく回転移動する半径 1 の動円 C がある.動円 C の中
心を O¢ とする.また原点 O を端点とする点 A(1, 0) を通る半直線 OA から反時計回りに見たとき
の,半直線 OA と原点 O を端点とする半直線 OO¢ が作る角を q (0 ≦ q ≦ 2p ) とする.このとき,
最初,座標 (3, 0) の点にあった動円 C 上に固定された点 P と原点 O との距離 OP を q を用いて表
せ.また点 P の軌跡の概形を描け.
182
第 30 講 媒介変数を用いて表された曲線 解答
数学Ⅲ
【問題1】
サイクロイド x = q - sin q , y = 1 - cosq の 0 <q < 2p の部分を C とする. x 軸上に2点
A( a, 0) , B( a + p , 0) をとる.ただし, 0 < a < p とする. C 上の2点 P と Q における C の法
2
線が,それぞれ A と B を通るとき,次に答えよ.
(1) P と Q の座標を a を用いて表せ.
(2)C および3線分 PA , AB ,BQ で囲まれた図形の面積が 3 (p + 3) となるように a の値を
2
定めよ.
dy
(1) dx = 1 - cosq ,
= sin q であるから, C 上の点 (q - sin q , 1 - cos q ) における
dq
dq
法線の方程式は, q ¹ p のとき y - (1 - cosq ) = - 1 - cosq { x - (q - sin q )} ……①
sinq
y = 0 とすると
y
-(1 - cosq ) = - 1 - cosq { x - (q - sin q )}
C
Q
sin q
P
0 <q < 2p より, 1 - cosq ¹ 0 である
A
B
から
a +p
a
O
x
sin q = x - q + sin q \ x = q
図 1
よって,直線①が A( a, 0) を通るとき,
y
q = a より
C
Q 1 + cos a
P( a - sin a, 1 - cos a )
B( a + p , 0) を通るとき,q = a + p より
Q( a + p + sin a, 1 + cos a )
(2)求める面積 S は,図2の斜線部分
1 - cos a P
O
A
sin a
であるから
a +p +sin a
ydx - 1 sin a(1 - cos a ) - 1 sin a(1 + cos a )
ò
2
2
=
× dq - sin a
ò y × dx
dq
=
ò (1 - cosq ) dq - sin a
q
=
)
ò ( 32 - 2cosq + 12 cos2q ) dq - sin a ( cos q = 1 + cos2
2
S=
a -sin a
a +p
a
a +p
2
a
a +p
2
a
a +p
= é 3 q - 2sin q + 1 sin 2q ù - sin a = 3 (p + 2sin a )
ë2
ûa
2
4
よって, S = 3 (p + 3) となるとき
2
このとき, 0 < a < p より
2
183
a=p
3
sin a =
3
2
B
図 2
sin a
x
【問題2】
xy 平面において,原点 O(0, 0) を中心とする半径 1 の円 C0 と,最初にその中心が座標 (2, 0) の
点にあり, C0 上を反時計回りに滑ることなく回転移動する半径 1 の動円 C がある.動円 C の中
心を O¢ とする.また原点 O を端点とする点 A(1, 0) を通る半直線 OA から反時計回りに見たとき
の,半直線 OA と原点 O を端点とする半直線 OO¢ が作る角を q (0 ≦ q ≦ 2p ) とする.このとき,
最初,座標 (3, 0) の点にあった動円 C 上に固定された点 P と原点 O との距離 OP を q を用いて表
せ.また点 P の軌跡の概形を描け.
動円 C 上で,最初 (1, 0) にあった点を Q とする.角 q だけ回
転したときの OO¢ と円 C0 との交点を R とすると,両円におい

 = RQ
 だから, Ð RO¢Q = q である.よって, O¢Q が x 軸
て, AR

y
P
O¢


の正の向きとなす角は 2q - p となる. O¢P = -O¢Q より, O¢P が
x 軸の正の向きとなす角は 2q である.ゆえに
  
OP = OO¢ + O¢P
= 2(cos q , sin q ) + (cos 2q , sin 2q )
= (2cos q + cos 2q , 2sin q + sin 2q )
R q
1
-1
O
q
A Q
1
-1
したがって
OP = (2cosq + cos2q )2 + (2sin q + sin 2q )2
=
5 + 4(cos 2q cosq + sin 2q sin q )
= 5 + 4 cosq
P( x , y ) とすると, x = 2cosq + cos2q , y = 2sinq + sin 2q より
dx = -2sin q - 2sin 2q = -2sin q - 4 sin q cosq
dq
= -2sin q (1 + 2cosq )
dy
= 2 cosq + 2 cos 2q = 2 cosq + 2(2 cos2q - 1)
dq
= 2(2cosq - 1)(cosq + 1)
グラフは上下対称だから, 0 ≦ q ≦ p での増減表を調べると次のようになる.
q
0

p
3

2p
3

p
dx
dq
dy
dq
0
-
-
-
0
+
0
+
+
0
-
-
-
0

( 12 , 3 23 )

( - 32 , 23 )

( -1, 0)
( x , y ) (3, 0)
184
Q
2
P
3 x
よって,グラフの概形は次図のようになる.
y
3 3
2
3
2
-3
2
185
-1
O
1
2
3
x