副甲状腺ホルモンと動脈 stiffness および NT

O-1
口頭演題
副甲状腺ホルモンと動脈 stiffness および
NT-proBNP の関係について
○櫻木 悟
国立病院機構岩国医療センター循環器内科
副甲状腺ホルモンは骨代謝において重要な役割を担っているが、副甲状腺機能の過度な上昇は動
脈硬化の原因となることが指摘されている。今回は副甲状腺機能と動脈stiffnessおよび血清
NT-proBNP値との関係について検討した。
■ 方 法
対象は、2012年9月から2013年4月にかけて、検診目的にて当院を受診した心血管疾患の既
往のない174症例(男性84例、平均68歳)
。
全症例においてintact PTH (IPTH) を測定し、IPTHの値により症例を3分位に分類した。臨床
的特徴を3群間で比較した。
IPTHと心不全・虚血性心疾患など心血管疾患発症の関係についても検討した。
■ 結 果
平均IPTHは50+/-24pg/mlで、143症例 (82%) が正常範囲内だった (65pg/ml)。
PTH高値群においては、女性の割合が高く、年齢が高かった。
冠危険因子において、高血圧の頻度も高かったが、糖尿病および脂質異常症の割合は同等であっ
た。
血液検査においては、腎機能の指標(Cr, EGFR, Cys C)はいずれもPTH高値群で有意に悪か
った。アルブミン尿は同等であった。
PWVおよびNT-proBNPはPTHの値に伴い段階的に上昇した。
単変量解析において、IPTHはPWVと相関し (r=0.283, p<0.001)、この関係は年齢、性別、
高血圧、糖尿病、EGFRで補正後も有意であった (p<0.05)。IPTHはNT-proBNPとも関係し
(r=0.429, p<0.0001)、この関係は年齢、性別、高血圧、糖尿病、EGFR、左室重量係数お
よび左室駆出率で補正後も有意であった。
■ 結 語
副甲状腺機能は動脈stiffnessおよびNT-proBNP値と関係していた。
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