大村市国民健康保険 データヘルス計画(保健事業実施計画)【概要版

大村市国民健康保険
データヘルス計画(保健事業実施計画)【概要版】
◎計画の趣旨
平成20年度から始まった特定健診・特定保健指導やレセプト等の電子化の進展により、保険者が健康や
医療に関する情報を活用し、被保険者の健康課題の分析や保健事業の評価等を行うための基盤整備が進めら
れてきました。今後は、さらにこれらのデータの分析結果に基づき健康課題を明確にし、被保険者の特性に
合わせた PDCA サイクルによる効率的・効果的な保健事業を行うことで、被保険者の健康増進や糖尿病等の
生活習慣病の発症予防・重症化予防を推進します。また、計画策定にあたっては、
「第2期特定健診等実施計
画」や「第2次健康おおむら21計画」との整合性を図ります。
○対象疾患:虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム等
○計画期間:平成 27 年度~29 年度(3年間)
Plan(現状と課題)
※KDB システムを活用し分析
介護
①
要介護認定率は同規模市と変わらない状況ですが、1件あたりの介護給付費、要介護認定者の
一人あたりの医療費は、同規模市より高い状況です。
②
要介護認定者は糖尿病等の有病状況が高く、要介護となる要因に生活習慣病の重症化が考え
られます。
医療
①
一人当たり 1 か月医療費は、25,530 円と同規模市より約 2,200 円高い状況です。
②
県全体として入院の受療率が全国の中でも高い位置です。本市の外来と入院の件数と費用額の
割合は、入院件数 3%に対し、費用額は 43.5%を占めています。
③
入院の1件当たり医療費は、虚血性心疾患が県内でも高い位置です。脳血管疾患は在院日数が
長くなることで医療費が高くなっています。
④
外来では人工透析による腎不全が他疾患よりも高い状況です。
⑤ これらの基礎疾患として高血圧、糖尿病、脂質異常症が多く、この中でも高血圧が多い状況です。
特定健診
①
メタボリックシンドローム該当者・予備群の割合は、同規模市と変わりませんが、非肥満で
高血糖の人の割合が同規模市より高く、高血糖、高血圧の割合が全国よりも高い状況です。
②
健診受診者の約 27%(1,234 人)は、重症化予防の対象となっており、そのうち、約 35%
(427 人)は、治療が必要な段階ですが、治療を受けていない状況です。
③
健診の受診率は、年々どの年代も低下しています。40-64 歳の約 38%(約 2,700 人)は、健診
も医療も受けておらず、自分の健康状態を把握できていない状況です。
④
健診未受診者は健診受診者と比べ、生活習慣病にかかる 1 か月当たりの医療費が約 16,000 円
高くなっています。
【健康課題】
重症化による疾患・・・虚血性心疾患 脳血管疾患 糖尿病性腎症
重症化の原因となる疾患等・・高血圧 糖尿病
脂質異常症 メタボリックシンドローム
その他・・・特定健診未受診者の中に、治療も受けていない人がいる。
【目標の設定】
中長期的な目標・・虚血性心疾患 脳血管疾患 糖尿病性腎症の新規患者数の減少
入院に要する費用額の割合の低下
短期的な目標・・高血圧 糖尿病 脂質異常症
メタボリックシンドロームの減少
特定健診受診率向上
主な指標
メタボリックシンドローム該当者の割合
メタボリックシンドローム予備群の割合
高血圧者の割合(Ⅱ度以上)
HbA1cが6.5%以上で内服していない人の割合
特定健診受診率
現状値
目標値
(H25年度) (H29年度)
15.7%
11.5%
4.6%
41.0%
31.2%
12.0%
8.0%
4.0%
25.0%
60.0%
Do(計画の実施)
①
特定健診・特定保健指導(第2期特定健診等実施計画)
受診率が年々低下していることから、ターゲットを絞った健診勧奨等、受診率向上に取り
組みます。特定保健指導以外にも、必要な人を確実に治療につなげ、治療中断しないよう、
受診を継続し重症化予防に取り組みます。
②
子どもの生活習慣病への取組
乳幼児期から生活習慣病予防を視野に入れ、親が子どもの成長発達や正しい生活習慣の
確立を理解できるよう、乳幼児健診等の母子保健事業と一体となって取り組みます。
③
重複多受診者への適切な保健指導
診療報酬明細書等を活用し、同一疾患で複数の医療機関を重複して受診している被保険
者に対し、適切な受診の指導や特定健診の受診勧奨等を行います。
④
後発医薬品の使用促進
診療情報明細書等情報を活用し、後発医薬品に切り替えた場合の自己負担の差額について、
被保険者に通知を行います。
Check(評価)
KDB システムを用い、中長期的、短期的な目標について、同規模市、長崎県、全国との比較を
定期的に行い、毎年度評価を行います。また、長崎県国保連合会に設置される保健事業支援・
評価委員会の指導・助言を受けるものとします。
Action(改善)
検証結果に基づき、課題解決に向け事業内容の見直しを行います。
◎その他
○ 計画の公表・周知:ホームページ等で公表・周知します。
○ 関係機関等との連携:衛生、介護、こども部門の関係部署と連携を図り課題解決に取り組みます。
長崎県、長崎県国保連合会、医療機関等との連携を図り、計画を推進します。
協会けんぽ長崎支部とは「健康づくりの推進に向けた包括的連携に関する協
定」に基づき、計画を推進します。
○
個人情報の保護:大村市個人情報保護条例等に基づき、適正に行います。