鮫川村の生活習慣病治療の実態 ■鮫川村の生活習慣病の治療者数構成割合(国保平成25年5月診療分より) 対象レセプト(H25年5月診療分) 厚労省様式 全体 脳血管疾患 虚血性心疾患 糖尿病性腎症 38人 49人 2人 9.9% 12.8% 0.5% 31人 41人 2人 81.6% 83.7% 100.0% 13人 20人 2人 34.2% 40.8% 100.0% 15人 26人 0人 39.5% 53.1% 0.0% 高血圧症 糖尿病 脂質異常症 高尿酸血症 237人 84人 141人 23人 61.9% 21.9% 36.8% 6.0% 383人 高血圧 様式3 ★NO.13~18 (帳票) の基 重礎 な疾 り患 生活習慣病の治療者数 構成割合 糖尿病 脂質 異常症 重症化となる病気では、虚血性心疾患(12.8%)と、脳血管疾患(9.9%)が高い状況です。その重症 化の病気を進める基礎となる疾患は、高血圧、糖尿病、脂質異常症等ですが、下記の動脈でみると、病気の重な り合いが多いほど血管を傷つけるため動脈硬化が進みます。 高血圧治療者は61.9%と多く、また重症化が高血圧(内皮障害)から起こる者が多い状況です。高血圧は、 動脈の内皮障害のため、高血圧の予防及び、治療中でも血圧コンロールが重症化予防に重要です。 動脈の血管断層 内膜(内皮) 血圧・尿酸等が高いと内皮 を傷つける 中膜 血糖、中性脂肪、LDLが高 い内膜にしみこむ 外膜 ■医療機関受診(入院・入院外)の件数と費用額の割合 1人あたりの医療費は、1か月約2万円と村と同規模の町村より低い状況です。 入院の生活習慣病治療者の多くは、重症化の状態で入院となります。入院では、3.2%の件数で、115万 円かかり、わずかな件数で高額な医療費になります。入院は、当事者の健康問題ではとても重大であり、さらに 健康障害を伴う長期化となると介護も発展することもあます。外来受診では、通院費はかかりますが、高血圧、 糖尿病、脂質異常症等から自身の血管を守ること(コントロール)が治療目的であり重症化予防につながります。 一人あたり医療費 ★NO.3【医療】 保険者 同規模平均 県 国 20,004円 25,110円 23,092円 22,616円 0 20 40 60 80 件数 9 6 .8 外来 ★NO.1【医療】 費用額 件数 入院 ★NO.1【医療】 費用額 100 136万円 3.2 115万円 3 5 .8 6 4 .2 健診で「自身の血管の状態」を知る ■生活習慣病は、血管(動脈)を守ることから 肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病は、個人差はありますが年数を重ねて血管を傷つけて血管 を変化させていきます。将来、動脈の血管変化(硬化等)から心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳血管疾患、腎機 能障害などに進行していきます。 生活習慣病は、自覚症状がほとんどなく静かに進んでいきますから、年に1度は健診を受け、健診データから 「自身の体と血管状態」を正しく知ることからはじめましょう。 村の健診内容は、①血管を傷つける段階のリスク(危険因子)の検査及び、②動脈硬化により進行する重症化 の臓器をみる検査を総合的に実施しています。 1 メタボリックシンドローム (内臓脂肪+血圧・血糖・脂質) 重症化予防 重症化 高血圧 動 脈 へ の リ ス ク 肥満 内臓 脂肪 蓄積 25% 50% 75~90% 高血糖 心筋梗塞 狭心症 脂質異常 低HDL 高中性脂肪 非肥満 脳梗塞 ・血管の壁が 厚くなり始める が、血管内腔 の変化は見ら れない 高LDL タバコ 2 動脈の血管変化 重症化の 臓器を見 る検査 ・プラークによ り血管内腔が 狭くなる ・労作時に血 流障害が出現 ・プラークの破 裂により血流 が途絶える 脳 眼底検査 心 安静時心電図検査 腎 糸体ろ過量(クレアチニン血液検査)・蛋白尿 年に一度は健診を受けましょう ■地区のがんばりによる特定健診受診率 平成25年度の特定健診率(法定報告)は67.8%、平成26年度は村民の皆様のご協力により各地区とも 受診率を伸ばし、村全体で69.4%でした。平成25年度福島県内3位でした。 その内、何らかの健診を受けられなかった方は約30%程度ですが、受診できない理由で最も多かったのが、医 者にかかっているので大丈夫、病院でも健診と同じような検査をしている。自覚症状がなくなんともない。等で した。医療法により病院では医師の指示により治療に関連する検査はできますが、健診と同一の総合の検査はで きません。目に見えない血管の確認をするために年に 1 回は健診を受けましょう。 平成26年度特定健診受診率(%) 90 76.2 80 H29年度まで の目標値 69.6 70 70.2 66.9 70.0 67.4 69.4 65.3 60 50 40 30 20 10 0 西野区 平成 20年度 西山区 平成 21年度 中野区 平成 22年度 東石区 平成 23年度 富田区 平成 24年度 渡瀬区 平成 青生野区 25年度 平成 村全体(%) 26年度 ■受診の声かけ運動にご協力を! 村では今年度も、受診率70%を目標に行政区のご協力の下、各地区の保健推進員による健診受診の声かけ運 動を行います。村民の皆さんのご協力をお願いします。 ■後期高齢者支援金減算市町村に鮫川村が該当 平成20年度から、他の保険者と同様に0~74歳の国保加入者は、75歳以上の後期高 齢者医療費の40%を支援する仕組みとなっています。後期高齢者支援金に対して「特定健診率65%以上、保 健指導率45%、内臓脂肪減少率10%以上」の目標値を達成した場合は、「支援金10%減算」となり、達成 できない場合は「支援金10%加算」となり、平成25年度支援金分から本格化することになりました。本村(国 保)は、村民の皆様のお陰で「減算該当」となりました。今後とも、健診及び保健指導にご協力ください。
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