講演概要原稿作成要領 (PDF) - 第56回 天然有機化合物討論会

第56回天然有機化合物討論会
講演概要原稿作成要領
講演概要原稿は、下記の注意を熟読して正しく作成してください。
なお、原稿の受付は原則ホームページより行いますのでご注意ください。
[講演概要原稿]
口頭発表、ポスター発表いずれも、以下の書式に従って作成してください。
1) 原稿は A4サイズで、天地・左右2センチのマージンをとってください。また、原稿は2枚までで作成し
てください。1ページ目先頭は、書式に従って、a)講演題目、b)所属の大学、会社、研究所名(略名)、
c)発表者名、(講演者の名前に○印を付けてください)を明記してください。
また、左上には発表申込時に発行される受付番号(TEN56-PXXXX 半角11文字)を必ず明記してく
ださい。2ページ目は、書式に従って、上端からご記入ください。図式や反応式も、マージンからはみ
出さないようにご注意ください。
2) 作成した原稿は、PDF 形式または Word 形式で保存し、ホームページの「講演概要原稿登録に進む」
ボタンから送信してください。
なお、ファイル名は発表申込時に発行される受付番号でお願いします。
[図の挿入について]
※ Chem Draw 等の作画ソフトを直接 Word にペーストしたものを PDF に変換すると、その部分が正しく
表示されないことがあります。この場合、TIFF または EPS で保存後コピー&ペーストすると改良され
ることがあります。
※ ISISDRAW を使われる場合は、次の手順で Word に貼り付けができます。
ISISDRAW のファイルを開き、「ファイル」→「エクスポート」→「other」を選び、Export Format のダイア
ログから「Windows metafile」を選んで適当なファイル名で保存します。
Word のファイルを開いてメニューから「挿入」→「図」→「ファイルから」を選んでダイアログから保存し
た「Windows metafile」のファイルを選んで「挿入」ボタンを押せば挿入できます。
ただし、ソフトのバージョンや OS によっては機能拡張のインストールが必要な場合があります。
詳しくは MDL のホームページまたはソフトの Help をご参照ください。
ホームページから書類を送信できない場合は「第 56 回天然有機化合物討論会事務局」
E-mail: [email protected] までお早めにお問い合わせください。
なお、講演概要原稿の 受付締切は5月31日(土) です。
2cm
3cm
1ページ目の書式
Pd 触媒反応を活用したビアリール結合を有する
大環状ビスビベンジル類の合成研究
1.5cm
大学・会社・
を記入してください。
1 行アキ
研究所の名前
(1徳島文理大薬,2群馬大教)
○牧野宏章1,原田研一1,島尚喜1,奥山春香1,
江角朋之1,久保美和 1,日置英彰2,福山愛保1
1 行アキ
1 字スペース
大環状ビスビベンジル類は 2 種
X
O
O
類のビベンジルがエーテル結合も
講演者の名前に
しくはビアリール結合で連結し大
○印を付けてください。
O
X
員環を形成した天然物で,その結
合様式からタイプ A から C の 3 種
B type
Macrocyclic Bisbibenzyls
A type
C type
類のサブタイプに分類される.こ
の特異な構造に加え,ビスビベンジル類は様々な生理活性を有することから合成ターゲッ
トとして注目を集め,合成研究が盛んに行われてきた.その合成法の多くはベンジル位間
上での環化反応が主流となっている.一方,我々は Pd 触媒を活用したビアリール形成反応
を大環状形成に適用する独自の戦略でビスビベンジル類の合成を行ってきた. 今回,これ
までの合成戦略を応用してタイプ B に分類される一連の化合物 riccardin C (1),asterelin A
(2),及び cavicularin (3) の合成研究を行うことにした.Riccardin C1 はビスビベンジル類を
2cm
2cm
代表する化合物で選択的 LXRαアゴニストとして働くことから動脈硬化の予防薬として期
待されている.また,asterelin A2 および cavicularin3 は,1 の分子内酸化カップリングによ
り生合成されると考えられ, 2 は 10 位と 13’位の水酸基間で分子内エーテル結合したジベ
ンゾフラン構造を,一方,3 は 3’位と 10’位間でビアリール結合したジヒドロフェナンスレ
ン構造を有する新奇な構造からなる.3 は,高度に歪みのかかった環状構造を有する事か
ら軸不斉を生じ, [α]D +168 の旋光性を示す光学活性体である. 本研究では,未決定である
cavicularin の絶対立体配置の決定及びこれら一連の化合物の系統的合成法を確立する目的
で 1 から 3 の合成研究を開始した.
発表申込時に発行される
受付番号
作成見本 O
OH
OH
Oxidative
Coupling
HO
O
3'
C-10 and O-13'
HO
HO
O
O
C-3' and C-10'
10'
HO
10
O
HO
Oxidative
Coupling
HO
OH
HO
HO
13'
asterelin A (2)
riccardin C (1)
(+)-cavicularin (3)
Riccardin C (1) の合成 4
まず,1 の合成に着手した. 化合物 4 と 5 の Ulmman カップリングにより得られた 6 を
OMe
OMe
Br
OMe
CuO
K2CO3
HO
+
CHO
4
OMe
CO2Me
5
O
pyridine
reflux
76%
OHC
6
CO2Me
1) LiAlH4, THF
0 °C, 98%
2) SOBr2, PhH
0 °C to rt
O
7
NaH
Br
THF
0 °C
98%
CO2Me
Br
(MeO)2P
3) P(OMe)3,
reflux, 98%
over 2 steps
O
8
OMe
Br
O
OMe
9
P(O)(OEt)2
OH
O
OMe
OMe
OMe
7
O
O
Pd (dba) , SPhos
1) Tf NPh, Cs CO
※用紙サイズは A41)を使用し、
B
Na CO , DMF
MeCN, DMF, 96%
100 °C, 48%
2) B Pin , Pd(PPh )
天地・左右各々2cm
のマージンをとってください。
2) BBr , DCM
K PO , dioxane, 80 °C
HO
97%
95%
※本文冒頭は、1 字スペースを空けて
13'
OMe
MeO
HO
書き始めてください。
OTf
riccrdin C (1)
12
2
2
3
O
O
2
2
3
3
3
2cm
3
2
4
2
1) 10, NaH,
THF, 0 °C, 87%
2) Et3SiH, TFA
60 °C, 74%
Br
CHO
3 4
OMe
MeO
11
OMe
OMOM
OH
10
2cm
2ページ目の書式
Horner-Wadsworth-Emmons (HWE) 反応で 7 と連結し,エステル 8 を得た. 続いてエステル
部を LiAlH4 還元後, ブロモ化, 続く Arbuzov 反応によりフォスホネート 9 へ誘導した. 次に
アルデヒド 10 との HWE 反応により 11 を得た後, トリフラート化及び位置選択的ホウ素化
を行い, 大員環前駆体 12 へ変換した. 12 の分子内鈴木宮浦反応の反応条件を種々検討した
結果,DMF 溶媒中 Pd2(dba)3/SPhos/aq Na2CO3 の条件で反応させると 48%の収率で大員環を
構築できた. 最後に BBr3 で処理し,1 の全合成を達成した.
Asterelin A (2) の合成 5
次に asterelin A (2) の合成を検討した.13 位水酸基を容易に脱保護可能な MOM 基で保
護したアルデヒド 13 と 1 の合成中間体 9 を HWE 反応で連結後,先と同様の手法で大環状
を構築した.酸性条件下 MOM 基を除去し 15 へ誘導し,分子内酸化カップリングによるジ
ベンゾフラン環形成を試みた. 種々の酸化剤を検討した結果,DCM 溶媒中 VOCl3 を用いて
反応を行うと, 58%の収率でジベンゾフラン骨格が形成された. 最後に BBr3 処理でメチル
エーテルを除去し,asterelin A (2) の全合成を達成した.
OMe
CHO
OBn
Br
4 steps
1) VOCl3, DCM
0 °C, 58%
13
9
then
deprotection MOM
1. 13, NaH, THF
94%
2cm
OMe
2) BBr3, DCM
76%
MeO
MOMO
14
O
O
13
MOMO
OH
MeO
O
HO
O
HO
OBn
asterelin A (2)
15
作成見本 Cavicularin (3) の合成 6
最後に cavicularin (3) の合成を検討した.共通中間体 15 に対し 10’位を選択的にヨウ素
化後,フェノール性水酸基をアセチル化し,cavicularin 骨格前駆体 16 へ誘導した. 16 に対
して Pd 触媒 Ar−Ar カップリング反応を行った.DMF 溶媒中 Pd(OAc)2/Ag2CO3 を使用し配
位子効果を検討した結果,(o-tol)3P 及び t-Bu3P を用いて反応を行った場合は脱ヨウ素化の
みが進行し,目的物は全く得られなかった. 一方,立体的に小さい配位子を使用したとこ
ろ,n-Bu3P を用いると環化反応が進行し,ジヒドロフェナンスレン骨格を構築できた. 本
反応はキラル配位子 Chiraphos を使用すると 11%と低収率であるが ee が得られ,cavicularin
の不斉合成への展開も検討中である.最後に脱保護を行い,cavicularin (3) の全合成を完了
した.現在,cavicularin の光学分割を行い,絶対立体配置の決定を検討中である.
MeO
MeO
O
1) NaI, NaOH
NaOCl
MeOH, rt, 75%
I
15
2) Ac2O, DMAP
THF , rt, 97%
HO
O
Pd(OAc)2
n-Bu3P
Ag2CO3
O
1) K2CO3, MeOH
DMF, 120 °C
50%
MeO
AcO
16
OAc
MeO
17
2) BBr3, DCM
71%
over 2 steps
HO
OH
cavicularin (3)
本討論会では,各 Pd 触媒ビアリール結合形成反応および 1 から 3 の合成法について詳細
に発表する.
参考文献
1. (a) Asakawa, Y.; Matsuda, R. Phytochemistry 1982, 21, 2143–2144. (b) Asakawa, Y.; Tori, M.; Takikawa, K.;
Krishnamurty, H. G.; Kar, S. K. Phytochemistry 1987, 26, 1811–1816.
2. Qu, J.; Xie, C.; Guo, H.; Yu, W.; Lou, H. Phytochemistry 2007, 68, 1767–1774.
3. Toyota, M.; Yoshida, T.; Kan, Y.; Takaoka, S.; Asakawa, Y. Tetrahedron Lett. 1996, 37, 4745–4748.
4. Hioki, H.; Shima, N.; Kawaguchi, K.; Harada, K.; Kubo, M.; Esumi, T.; Nishimaki-Mogami,; T. Sawada, J.;
Hashimoto, T. Asakawa, Y.; Fukuyama, Y. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009, 19, 738–741.
A4Kubo,
を使用し、
5. ※用紙サイズは
Makino, K.; Harada, K.;
M.; Hioki, H.; Fukuyama, Y. Nat. Prod. Comm. 2013, 8, in press.
6. Kenichi,
H.; Kosho, M.; Naoki,
S.; Haruka, O.; Tomoyuki, E.; Miwa, K.; Hideaki, H.; Yoshinori, A.; Yoshiyasu, F.;
天地・左右各々2cm
のマージンをとってください。
J. Org. Chem. Submit.
2cm
2cm