氏名 高良 学位の種類 博 学位記番号 第3 3 9 0 号 学位授与年月臼 平成 1 0 年 3片2 4日 学位授与の安件 学位規制第 4条第 1項該当者 学位論文名 S t u d i e sonOrganometallicOxideC l u s t e r sw i t hI n c o m p l e t e 聡 : l(理 千 戸 ) DoubleCubicandDoubleB o o k s h e l f -Type Frameworks: S γ n t h e s e s .S t r u c t u r e s .and C l u s t e r Framework Transformations (不完全二重立法体型,ダブルブックシェルフ型骨格を持つ有機金属酸化 物クラスターの合成.構造および骨格変換反応に関する研究) 論文審査委員 4 誉教授磯部 清 副主査助教授本下 勇 主 高1キ 査 教 授 市 村 彰 男 l │ 論文内容の要旨 本研究では.格デ欠損型,不完全立方体型といった構造特異的な反応場を有するクラスター骨格の構築 を目指しその合成戦略の開発を行い,また,電子スプレー質量分析法 ( E l e c t r o s p r a yMassS p e c t r o ω metry=ESMS) を利用してクラスター骨格構造ー構築のメカニズム,その骨格構造に基づいた特異な反応 を明らかにした。 研究対象となったクラスターは.不完全」重立方体型 ( (Cp'Rh)2MOa09COMc)‘ )( 1 ) . ダブルブッ クシェルフ型 ( NBu"4 )2 ( ( C p 'H . h )2Mo6020(OMe)2 )( 2 )CCp・ =η 人 CSMC5)といった低原子価,高原 子価金属イオンを同一分子内に空間的に配列したタイプであり,それぞれの合理的かっ簡便な合成法を見 J. 出した。クラスター1. 2 )2 は (Cp・ Rh(μ-CDCL)2および ( . : ¥ ) B u' (MOa U1) を出発ユエットとして, それぞれメタノール中,モル比 1:2および 1:4で反応させることにより高収率で得ることが出来る。 ESMSによりその生成メカニズムを明らかにした。 クラスター 2の持つ複数の反応活性な溝構造 C d e f e c ts t r u c t u r e ) に注目し,有機金属フラグメント 〈求電子剤),オキソメタレート(求核剤)との反応を行った。その結果. Ol~) (トリプルキ a 2→1, 2→ (CCp・ Rh)4Mo‘ パン型)といった極めてユニークな骨格変換反応を見いだし,さらに,クラスター 2 がアンフォテリックな反応性を示すことを見出した。この特異な反応性は,クラスター 2が持つ性質の異 なった 2種の d e f e c ts t r u c t u r e ,塩基性の高い架橋駿葉原子に固まれた " s m a l ld e f e c t "および R h C I I I )中 心が存在する " l a r g ed e f e c t "に起因することを明らかにした。 , . _. . Ff v . . . " . , -i f !F y ; ' Oo~./r・ . . . , " 司 円 。 ω h 時一 ⋮ 1 前一 一ぺ¥院寸↑m ((C p・ Rh), Mo, O.(OMe), )ト( 2 ) fdF付町 一 2LI J A 5 二/ ・ クラスター1. 2の骨絡構築のメカニズムおよびそれらの反応性を明らかにする 1 :で , ESMSが非常に 有効かっ強力な r 法ーであることを明らかにした。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者は本研究で,格子欠損型と不完全立方休5 1 ! 構造を角ーするクラスターの骨格構築法を確立したの'毛 子スプレー質量分析法(巳 l e c t r o s p r a yMassSpedrometry=ESMS) により, クラスター骨格形成の メカニズムを明らかにした。また,それらクラスター骨格上の特殊反応場をもちいたユニークな反応を開 発した。 研究対象となったクラスターは ,i 貝原子価ーと高原子価の令属イオンが同一分了内に一次元的に配列した , 特異な骨格を持つ不完全二.重立方体型 C C C p 'Rh)2Mo~09 COMe)ぷ(1)CCp' で η~ -C " . : . 1 er.)およびダブ , )?( C C p 'Rh)d v l o的0, . : ' (OMc)J (2) である。メタノール l札 ~C〆 Hh(μ ー仁、 1) ルブックシヰルフ型 (NBu", CL)2および CNBn~ )2CMo207: を出発ユニッ卜として.モル比 1:2および 1 により,それぞれクラスター lと 2を選択的に高収率で得た。 ES : Y 1 Sにより, 1で反応させること これらのクラスターを与え る共通のキー中間体 ((Cp'Rh)Mo30~ ( OMe): 〕 、 を検山し,クラスター骨格形成のメカニズムを明らか D e f e c ts t r u c t u r c ) に注目し, にした o 更に申請者は,クラスター 2が持つ 2種類の反応活性な溝構造 ( 有機金属フラグメント(求電子剤).オキソメタレート(求紘剤)との反応を行った。そしてクラスター 2 が,それぞれ 1 および CCCp ・ Rh) ふ10tO ,~) Cトリプルキュパン型)に変換されることを見いだした。 この特製なアンフォテリックな反応性は,嬬基性の高い架橋酸素原子に固まれた " smalld c f c c t " および R h ( I I I )中心を有する "larged e f e c t " に起肉することを明らかにした。 以上のように本論文では,特異な d e f c c t 構造を持つクラスター lと 2の合理的合成法, ESMSによる共 通の中間体 CCCp ・H.h)Mo~08 COMe)5 )ーの検出,そして,その中間体を基にした極めて興味深いクラス ター生成のメカニズムが記述されている。さらにクラスター 2のユニークな骨格変換反応が見いだされて いる。これらの発見は, クラスター科学において新境地を切り聞くものであり, しかも関連する分野,た とえば触媒化学および有機金属化学に大きなインパクトを与えるものとして,博士(理学〉の学位を授与 するにふさわしいと審査した。 1 6 i
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