地震時のエレベータ・ロープ揺れリアルタイム解析手法の開発 概要 超高層ビルに設置されているエレベータにおいては,地震時の建物揺れにより増加する ロープ変位の検出や抑制が課題となっている.建物の上部および地表面の加速度データを もとに,かごが走行する場合のエレベータ・ロープの揺れをリアルタイムに解析する簡易 的な計算法について検討している. 結果 ・建物上部および下部の加速度データをもとに,かごが走行する(ロープ長さが変化す る)場合のエレベータ・ロープの応答をロープの張力分布を考慮した振動モード,刺激 係数を用いたモード重ね合わせ法により,簡易的に計算する方法を開発した. ・種々の地震波(16波)と建物(7ケース)について数値解析を行った結果,メインロー プは差分法による数値解析結果と誤差20%以内,コンペンロープは誤差+20%,-30% 以内で推定できることを確認した. 釣合いおもり 乗りかご 1.0 0.8 0.8 3rd 0.6 1st 0.4 コンペンロープ 地震感知器 (P 波) 1.0 コンペンシーブ 2nd 0.2 0.0 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 u/umax 5 0 0 5 10 ロープ変位の応答倍率(差分法) (a) メインロープ 15 ロープ変位の応答倍率(簡易計算法) ロープ変位の応答倍率(簡易計算法) 10 3rd 0.4 0.0 1st 2nd -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 u/umax (b) 建物高さ240m 図2 コンペンロープの振動モードの一例(1) 図1 エレベータシステムの構成(概略図) ELC-NS TFT-EW HAC-NS BCJ1 TAIC TOSK NTKY NNIG MTKY CTKY FFKO 0.6 0.2 (a) 建物高さ32m 15 s/Lmax 地震感知器 (S 波) メインロープ s/Lmax 巻上機 8 6 4 2 0 0 2 4 6 ロープ変位の応答倍率(差分法) 8 ELC-NS TFT-EW HAC-NS BCJ1 TAIC TOSK NTKY NNIG MTKY CTKY FFKO T2AIC T2OSK T2TKY M2TKY F2TKY (b) コンペンロープ 図3 差分法による数値解析結果と簡易計算法による解析結果との比較(1)ほか 関連する論文 (1) 木村弘之,久々湊峰也,エレベータ・ロープの地震時揺れ検出のための簡易計算法(張力分布の影響を考慮 した場合),日本機械学会論文集(C編),79-801(2013-5),pp.1237-1246.ほか
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