ホモ変異体 ES 細胞バンクを用いた分化制御因子の

奈良県立医科大学 シーズ
奈良県立医科大学 シーズ
技術分野/ ライフサイエンス
(テーマ名)ホモ変異体 ES 細胞バンクを用いた分化制御因子の探索
(キーワード)
ES 細胞、iPS 細胞、分化、再生医療
(シーズ概要)
ES/iPS 細胞は様々な細胞系譜への分化能を有すため、再生医療への応用が期待されてい
る。しかし、臨床への応用を達成するには、高品質の分化細胞を取得する必要があり、その
ためには、細胞分化に関する基礎的知見を得る必要がある。我々の研究室では、独自に開発
した方法を用いて、マウス ES 細胞において、様々な遺伝子が両アレル共に破壊されたホモ
変異体バンクを構築してきた。さらに、その表現型解析を通じて、分化制御の鍵を握る遺伝
子を特定しようと試みている。我々のアプローチは、研究者の恣意的要素を排除して多くの
変異体をスクリーニングすることに特徴があり、研究者が想定できなかった重要な遺伝子を
特定できると期待できる。
本 ES 細胞バンクは、ES 細胞から分化誘導が可能なすべての細胞系譜研究において、有用
なリソースになると考えられる。本変異細胞株の一部は既に(独)医薬基盤研究所へ寄託済
みであるが(下記 URL 参照)、未寄託の細胞株も多く有しており、外部研究者との共同研究
も進行中である。本変異体バンクを、産業界を含めた多くの研究者へのリソースとして提供
し、様々な研究が進展するための原動力としたい。
(研究成果の産業への応用可能性)
細胞の分化を制御する遺伝子を特定できれば、再生医療や遺伝子治療における標的遺伝子
になると期待される。
(論文・特許)
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2.
3.
Horie K, Kokubu C, Yoshida J, Akagi K, Isotani A, Oshitani A, Yusa K, Ikeda R, Huang
Y, Bradley A, Takeda J. A homozygous mutant embryonic stem cell bank applicable for
phenotype-driven genetic screening. Nat Methods 8: 1071-1077, 2011.
Yusa K, Horie K, Kondoh G, Kouno M, Maeda Y, Kinoshita T and Takeda J. Genome-wide
phenotype analysis in ES cells by regulated disruption of Bloom’s syndrome gene.
Nature 429:896-899, 2004.
EP Patent App., 1757682B1, Kyoji Horie, Junji Takeda, Kosuke Yusa, “ES cell mutation method
and system” Osaka University, Carna Biosciences Inc. 2005/6/7.
研究者データ
■氏名:堀江 恭二(ほりえ
■メッセージ:
様々な分野の方との共同研究を望み
ます。
きょうじ)
■講座:生理学第二
■役職:教授
■関連ホームページ:
http://cellbank.nibio.go.jp/news/
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