卵細胞・ES細胞・幹細胞 iPS細胞・STAP細胞

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2014年(H26年春学期)
卵細胞・ES細胞・幹細胞
iPS細胞・STAP細胞
リプログラミング(再プログラム)
成熟細胞の『リプログラム』によりiPS細胞がで
きた。成熟細胞の再プログラムとは。
ジョン・ガードン(左)
山中伸弥(右)
ガードンの実験:成熟細胞の『核の全能性』の確認
核
除核
オタマジャクシ
腸上皮細胞
細胞
核
ジョン・ガードンの疑問
成熟細胞のゲノムは全能性を持ってい
るのか?それとも失っているのか?
オタマジャクシの腸上皮細胞核を除核
卵に導入し、その後の発生を調べた。
転写制御タンパク質は、RNA合成を ON・OFF する (調節)。
タンパク質合成に順序が出てくる → 時間差の発生
DNA
(ゲノム)
この遺伝子は何故最初に働くのだろう。
卵細胞に、最初の遺伝子を動かす転写調節因子が準備されている
核膜
細胞質
DNA
(ゲノム)
核
【転写調節】
RNA量を増やしたり減らしたりすること。
【転写調節因子がRNA量の増減を調節】
抑制する転写因子、加速する転写因子、加速又は抑制する転写因子。
【転写調節の結果】
mRNA量が増えるとタンパク質量が増え、mRNA量が減るとタンパク量
が減る。最終的にはタンパク量が増減し細胞機能が変化する。
スプライシングの仕組を考えると、タンパク質の種類もRNAレベルで調節
されているだろう。
まとめ:ガードンの実験
成熟した核を、除核卵細胞に持ち込んだ。
成熟核を分離する操作で、核内のmRNA合成は停止し、卵に
入れた段階で卵細胞質中の転写開始因子が細胞核に侵入して
転写再開。=発生プログラムのリセット。
その後、色々な転写因子が順序良く作られて発生が進行。
但し、リセットする因子が何かは不明だった。当時は転写因
子については良くわかっていなかった。
転写因子のイメージ
微生物と高等生物で少し違う
1本鎖DNA
プロモーター
RNA合成の開始点
転写調節因子
転写頻度を上げたり下げたり
プロモーター
1本鎖DNA
転写因子もタンパク。
当然遺伝子が作る。
転写因子のカスケード。
プロモーター
iPS細胞に使った4遺伝子は転写因子:山中4因子
OCT3/4: 未分化ES細胞に存在する転写調節因子。
量が1.5倍又は0.5倍になると分化が始まる。
SOX2:
DNAに直接結合する転写活性因子。OCT3/4と
協力して複数の遺伝子の働きを調節。
KLF4:
転写調節因子。色々な癌のガン抑制因子。乳癌
などのいくつかの癌では癌遺伝子として働く。
C-MYC:
転写調節因子を作る調節遺伝子(がん遺伝子)
この4遺伝子が働くことによって、多数の遺伝子が動く。
iPS細胞は外部遺伝子で作
られた。
成熟細胞
幹細胞
受精卵
分化して機能細胞
分裂せず=末端細胞
全能性
多能性
多能性
外部から4遺伝子を導入
外部遺伝子はゲノムに組込まれて転写因子を作る
核膜
細胞質
DNA
(ゲノム)
核
外部遺伝子がゲノムに組
込まれたことに注意。
外部遺伝子
まとめ
山中4因子は『転写因子』の遺伝子。
この4遺伝子を成熟細胞に入れたら、細胞の転写パタンが
変わり『多能性幹細胞』になった。発生の逆行だった!
◆ 転写パタンが変化し発生プログラムがリセットされた。
転写因子DNAは、ゲノムDNAに組み込まれ、iPS細胞になっ
てからも、条件により『RNA・タンパク合成』は起こる。
これは何をもたらすのか:iPS細胞が増え始めると、山中4
因子も再び働き、繰返しリセットをかけようとする?