図1~4

図1 EF‒Pの翻訳後修飾(βリシル化とラムノシル化)
(左)大腸菌の場合、EF‒PのLys34にβリシンが付加(βリシル化)されて活性型となる。(右)髄膜炎菌の場合、大腸菌で
はLys34の位置にあるArg32にラムノースが付加(ラムノシル化)されて活性型となる。
図2 髄膜炎菌由来のEF‒Pタンパク質の機能
タンパク質合成装置のリボソーム上で、mRNAの情報に従ってtRNAが運んできたアミノ酸同士がつなげられ、タンパク質
が合成される(翻訳)が、多くのPro‒Pro配列があると、リボソームの動きが停滞しタンパク質合成が遅れる。しかし、先
端にラムノースが付加ラムノシル化したEF‒Pがリボソームに入り、活性中心付近に手を伸ばすことによって遅れが解消さ
れ、タンパク質合成が回復する。
図3 リボソーム活性中心とラムノシル化したEF‒Pのモデル
修飾されていないArg32の側鎖は、リボソームの活性中心(A76)から遠いが(左)、ラムノースが付加(ラムノシル化)
されたArg32は活性中心付近にラムノースの手が届く(右)。
図4 EF‒Pが髄膜炎菌の生存に不可欠であることを証明した
EF‒Pが誘導物質(IPTG)に依存して発現するように組み替えた髄膜炎菌の模式図。誘導物質の有無の2条件で、寒天培地で
生育させた。
A:誘導物質がないとき、リプレッサー(lacIq遺伝子産物)がオペレーターDNA(lacO、mRNAの合成を制御する塩基配
列)に結合し、プロモーター(Ptac)からの転写を抑える。そのため、EF‒Pは発現せず、髄膜炎菌は育成できない。
B:誘導物質があるとき、誘導物質がリプレッサーに結合しオペレーターDNAに結合できなくなる。そのため、プロモータ
ーからの転写が起こり、EF‒Pが発現し髄膜炎菌が育成できる。