自然免疫を刺激する次世代トラベラーズマラリアワクチンの開発

文部科学省 橋渡し研究
加速ネットワークプログラム
自然免疫を刺激する次世代トラベラーズワクチンの開発
(BK-SE36 マラリアワクチンの第 I 相医師主導型治験 )
プロジェクト
責任者名
所属 微生物病研究所 分子原虫学分野
教授 堀井 俊宏
BK-SE36 マラリアワクチンは、SE36 組換えタンパク質に
水酸化アルミニウムゲルを混合したものであり、ウガンダ
における臨床研究の結果 72%の発症防御効果を示した。さ
らに、ワクチン誘導抗体価を上昇させることにより、より
一層高い効果が期待できることが明らかとなった。本プロ
ジェクトは、BK - SE36 マラリアワクチンの免疫原性を高
めるため、核酸アジュバントである CpG-ODN(K3) を添
加した製剤(BK-SE36/CpG)を用い、健康人を対象とす
る旅行者用マラリアワクチン(より効果的な流行地ワクチ
ン)の開発を目指し、その安全性および有効性の評価を目
的とするヒト初回投与試験(医師主導型治験)である。
流行地での犠牲者年間 120 万人
対照群に比べて 72%の発症防御
熱帯熱マラリア原虫の生活環
抗 SE36 抗体はメロゾイトを攻撃する。
Palacpac et al., PLoS One, 2013
カニクイザルにおける抗原特異的抗体誘導能の検討
SE36+AHG+CpG-ODN(K3)
BK-SE36 マ ラ リ ア ワ ク チ ン 治 験 製 剤 に TLR9 の リ ガ ン ド で あ る CpGODN(K3) を加えることにより約 10 倍の抗体価の上昇を見た。またリスザ
ルにおける感染実験でより高いワクチン効果が得られた。
Tougan et al., Hum Vaccin Immunother, 2013
SE36+AHG+CpG(D35)
SE36+AHG+sHZ
SE36+AHG
試験物の名称: BK-SE36/CpG
試験物製造: BK-SE36:一般財団法人阪大微生物病研究会観音寺研究所
CpG-ODN(K3):株式会社ジーンデザイン
第 1 段階
治験計画
目標症例数 26 例(低用量群 10 名、高用量群 16 名)
出口へ向けての進捗
第 2 段階
接種群
被験薬
対照薬
被験薬
対照薬
接種量
0.5ml
1.0ml
第 1 段階(低用量)を 2013 年 12 月に終了。平成 26 年 2 月~ 5 月第 2 段階実施予定
有効性評価をその後の Phase で検証し、薬事承認申請へ。
例数
7
3
11
5