CT・MRIの最新臨床応用

第 34 回日本画像医学会 ランチョンセミナー 9
LS-9
CT・MRIの最新臨床応用
2015 年
2 月 28 日(土) 12:45∼13:45
第 7 会場( ステーションコンファレンス東京 6階)
座長
演者1
埼玉医科大学放射線科
新津 守
先生
Vantage Titan™ 3T を用いた非造影 MRA
―肺血管・血流動態イメージングの臨床応用
自治医科大学附属さいたま医療センター 放射線科
濱本 耕平 先生
演者2
320 列面検出器 CT を用いた
ダイナミック心筋パーフュージョン CT
北海道大学病院 放射線診断科
真鍋 徳子 先生
共催: 第 34 回日本画像医学会
東芝メディカルシステムズ株式会社
LS-9
第 34 回日本画像医学会 ランチョンセミナー 9
CT・MRIの最新臨床応用
演者 1
Vantage Titan™ 3T を用いた非造影 MRA
―肺血管・血流動態イメージングの臨床応用
自治医科大学附属さいたま医療センター 放射線科 濱本 耕平 先生
非造影 MRA は医療被曝や造影剤副作用の回避などの観点から、血管画像評価の第一選択となりつつあるが、
肺血管領域では肺による磁化 率アーチファクトや呼吸によるモーションアーチファクトなどの問題から、臨床
応用は限定的であった。しかし、技術的進歩による描出能の向上や 3T 装置の出現による S/N 比やラベリング
強 度の向上に伴い良好な画像が得られるようになり、近 年、術前の肺血管走行評価などへの臨床応用が進 ん
でいる。肺血管領域における非造影 MRAでは、主に FBI 法や Time-SLIP 法が使用され、前者は短時間かつ
簡便な撮像法のため血管形態評価に、後者は関心領域内血流の選択的描出が可能なことから血行動態評価に
主に用いられている。我々の施設では、血行動態評価が可能な Time-SLIP 法に注目し、肺動静脈奇形などの
肺血管病 変に対して同法による非造 影 MRA を積 極 的に施 行してきた。Time-SLIP 法には Flow-in、Flowout、Tag-on/off の 3 法があり、また撮像法として True-SSFPと FASE の 2 種類が選択可能である。我々は、
Tag-on/off + FASE 法を用いることで肺動静脈の分離描出を可能とし、肺動静脈奇形の初期診断およびコイ
ル塞栓後評価における同法の有用性を明らかとした。今回、当院での知見を元に非造影 MRA を用いた肺血管・
血流動態イメージングの臨床応用について概説する。
演者 2
320 列面検出器 CT を用いた
ダイナミック心筋パーフュージョン CT
北海道大学病院 放射線診断科 真鍋 徳子 先生
冠動脈病変の被侵襲的診断法に関するガイドライン(2009 年)では、安定狭心症の診断は、冠動脈CT検査後、
判定困難あるいは異常がある場合に負荷 SPECT、負荷心エコーそして負荷 Perfusion MRI が推奨されている。
負荷心筋 Perfusion MRI は優れた画像診断技術であるが、撮像範囲が限定されるため、左室心筋全体の評価が不
可能である。
320 列面検出器 CT Aquilion ONE ViSION Edition は、160mm の体軸撮像範囲を有するため、心筋全体の
Perfusion データを得られることが可能である。
また、Perfusion に用いる低線量ダイナミックスキャンのうち、1 フェーズのみ管電流を上げ、冠動脈撮影を行
うことで、1 回の検査で冠動脈と心筋の両方の評価も行えるようになる。
今回の講演では、320 列面検出器 CT を用いたダイナミック心筋パーフュージョン CT について、実際の撮影プ
ロトコル、臨床画像、そして他のモダリティとの相関についてご紹介する予定である。
患者さんやスタッフの被曝や負担を最少にすること、そして診断や
治療のため最良の画像を提供することが私たちの使命です。