Wolstenholmeの定理

Wolstenholme の定理
風あざみ
2014/03/25
目次
1
記号の説明編
2
2
Wolstenholme の定理の説明編
2
3
証明の準備編
3
4
Wolstenholme の定理の証明編
3
1
1
記号の説明編
p を素数、k を 1 ≤ k ≤ p − 1 をみたす整数とするとき、xk を以下のよう
に定義する。
xk :=
2
(p − 1)!
k
Wolstenholme の定理の説明編
p を 5 以上の素数とすると、下記の分数の分子は p2 で割り切れる。
p−1
∑
1
k
k=1
2
証明の準備編
3
命題1:p を素数、k を 1 ≤ k ≤ p−1 をみたす整数とするとき、xp−k ≡ −xk
(mod p) が成り立つ。
証明:(p − k) · xp−k = k · xk = (p − 1)! より、−k · xp−k ≡ k · xk
がいえる。k と p は互いに素だから、xp−k ≡ −xk
(mod p)
(mod p) が成り立つこと
が言える。
□
p−1
2
命題2:以下の
個の数は法 p ですべて異なる。
x21 , x22 , · · · , x2p−1
2
証明:1 ≤ i < j ≤
p−1
2
をみたす整数 i, j が存在して、x2i ≡ x2j
(mod p) と
なると仮定する。
i2 · x2i ≡ j 2 · x2j ≡ j 2 · x2i ≡ {(p − 1)!}2
ここで、x2i
2
2
(mod p)
と p は互いに素だから、i ≡ j 2
2
(mod p) が成り立つ。よって
j − i = (j + i)(j − i) が p で割り切れる。p は素数だから、j + i または j − i
が p で割り切れるはずだが、0 < j − i < j + i ≤ p − 1 < p だから不合理。
よって命題2はいえた。
□
Wolstenholme の定理の証明編
4
定理3:p を 5 以上の素数とすると、下記の分数の分子は p2 で割り切れる。
p−1
∑
1
k
k=1
証明:命題1と命題2を用いて計算する。
p−1
∑
1
1
1
= p(
+
+ ··· +
k
1·p−1 2·p−2
k=1
p−1
2
∑
1
1
p−1 p+1 ) = p
k
·
(p
− k)
·
2
2
k=1
したがって、下記の分数の分子が p で割り切れることがいえればよい。
p−1
2
∑
k=1
p−1
2
∑
1
xk · xp−k
=
k · (p − k)
{(p − 1)!}2
k=1
命題1と命題2より
p−1
2
∑
k=1
p−1
xk · xp−k ≡ −
2
∑
p−1
x2k ≡ −
k=1
2
∑
k2 ≡
k=1
以上より、定理3はいえた。
1 (p − 1) p + 1
· p ≡ 0 (mod p)
6 2
2
□
3