各種電力・通信デバイスに 展開できる大面積超電導多層薄膜 ■ 研究担当:相馬貢/真部高明 [email protected] ■ 先進製造プロセス研究部門 機能薄膜プロセス研究グル−プ ● 研究拠点 ■ 連携担当:名川吉信 [email protected] つくば中央 研究のポイント ● 塗布熱分解法(MOD 法)による低コスト希土類 123 超電導膜 ● 大面積・複雑形状への対応や両面成膜が容易 ● 優れた超電導特性(液体窒素温度で高い臨界電流密度、低い表面抵抗) 研究のねらい 塗布熱分解法(MOD 法)は、真空装置を必要としない低コスト成膜プロセスであり、各種基板上への希土類 123 超電導膜作製に成功してきました。この方法では、大面積・様々な形状の基板への成膜が可能な上、高い臨界電流密度 や高周波下での低い表面抵抗といった優れた超電導特性を有する膜を得ることができます。したがって、限流器などの 電力機器、マイクロ波フィルタなどの通信機器など幅広い低温デバイスへ展開する事が期待されます。また、両面成膜 も容易なことから、機器の小型化に貢献します。 研究内容 連携可能な技術・知財 結晶配向性および表面平坦性の良い CeO2 中間層を ● MOD 法などによる各種酸化物薄膜の作製と評価 蒸着法で成膜したサファイア等の酸化物単結晶基板(最 ●物理蒸着法による各種中間層の作製と評価 大 10cm x 30cm、図1)に MOD 法により、希土類 ●特許第 4613349 号 ( 2010/10/29 )「ネオジム 123 超電導膜 (YBa2Cu3O7- δ )を成膜し、評価を行 ガレート単結晶上に配向した希土類 123 型超電導膜 いました。厚さ約 200nm の YBa2Cu3O7- δ 超電導膜 の製造方法」 は、X 線回折(XRD)法により完全に c 軸配向してい ることが確認されました。また液体窒素温度(77.3 K) 2 において 4.5 MA/cm 以上の高い臨界電流密度(J c、 ●特許第 4547540 号 ( 2010/07/16 )「イットリ ウムアルミネート単結晶上に配向した希土類 123 型 超電導膜の製造方法」 誘導法により測定)、ならびに 0.6 Ω程度と低い表面抵 抗(R s、12 GHz)を達成しました。 図1.MOD 法で作製した各種サイズ希土類 123 超電導膜
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