解析学II 演習問題 解答例 (第8回)

解析学 II 演習問題 解答例 (第 8 回)
問題 1. (1) x2 + xy + y 2 = 1 の両辺を x で微分すると,
2x + y + xy ′ + 2yy ′ = 0
y ′ (x) = −
⇒
2x + y
.
x + 2y
ここで,x = 1 のときの y の値は,y 2 + y = 0 より,y = 0, −1.
したがって,
{
y ′ (1) =
−2 (y = 0)
1
(y = −1)
(2) x2 + xy 3 − 9 = 0 の両辺を x で微分すると,
3
2 ′
2x + y 3
y (x) = −
3xy 2
′
⇒
2x + y + 3xy y = 0
ここで,(x, y) = (1, 2) より,この点での接線の傾きは − 56 .し
たがって,求める接線の方程式は
5
y − 2 = − (x − 1)
6
⇔
5
17
y =− x+
6
6
問題 2. (1) 条件 x2 + y 2 = 1 から,y = y(x) とみなすと,f (x, y) は実質 x
の 1 変数関数.f (x, y) = 3x + 2y が最小・最大となる点では,
df
dx
= 0 を満たすので,x2 + y 2 = 1 の両辺を x で微分した式と
あわせると,
2x + 2yy ′ = 0,
df
= 3 + 2y ′ = 0.
dx
が得られる.これから,2x = 3y が容易に導かれ,元の条件式
に代入すれば,(x, y) = (± √313 , ± √213 ) (複合同順) を得る.ここ
で,定義域 x2 + y 2 = 1 は有界閉集合であり,f (x, y) = 3x + 2y
は連続であるので,最大・最小値の原理 (ボルツァーノ・ワイエ
ルストラスの定理) から最大・最小となる点が存在し,停留点の
いずれかが該当する.したがって,
√
3
2
f (± √ , ± √ ) = ± 13
13
13
1
であり,(x, y) = ( √313 ,
√2 )
13
のとき,最大値
√
√
(− √313 , − √213 ) のとき最小値 − 13 をとる.
13 を,(x, y) =
(2) 極座標
{
x = cos θ,
y = sin θ
を導入すると,条件 x2 + y 2 = 1 は自然と満たされる.したがっ
て,三角関数の合成を用いると,
f (x, y) = f (cos θ, sin θ) = 3 cos θ + 2 sin θ =
と書ける.ここで,α は sin α =
√3 , cos α
13
=
√
13 sin(θ + α)
√2
13
を満たす定
数.この表記から,
(i) θ + α =
π
2
のとき,すなわち,
(x, y) = (cos θ, sin θ) = (sin α, cos α) = ( √313 , √213 ) のとき,
√
最大値 13 をとる.
(ii) θ + α =
3π
2
のとき,すなわち,
(x, y) = (cos θ, sin θ) = (− sin α, − cos α) = (− √313 , − √213 )
√
のとき,最小値 − 13 をとる.
問題 3. 関係式
{
u=
v=
を
u2
2
+
v2
6
√1 (x + y),
2
√1 (−x + y)
2
= 1 に代入して整理すると,x2 + xy + y 2 = 3 を得る.
問題 4. いずれもラグランジュの未定乗数法に基づいて解答する.
(1) 条件式 g(x, y) =
x2
9
+
y2
4
− 1 = 0 が表す領域は楕円.した
がって,有開閉集合であり f (x, y) = x2 − y 2 の連続性から最大
最小値をとる点が存在し,それは停留点の何れかである.停留点
を (a, b) とすると,ある定数 λ ∈ R が存在して,以下の関係式が
成立する:


g(a,
[ b) =]0
[
]
fx (a, b)
gx (a, b)

=λ

fy (a, b)
gy (a, b)
2
⇔
 2
b2
a

9 + 4 =1
a(λ − 91 ) = 0


b(λ + 41 ) = 0
2 式目に注目する.a = 0 のとき,1 式目から b = ±2 が得られ,
このとき,λ = − 14 が存在する.一方 λ =
1
9
のとき,3 式目の
条件からただちに b = 0 が定まり,1 式目から a = ±3.以上か
ら条件を満たす点は (a, b, λ) = (0, ±2, − 41 ), (±3, 0, 19 ) のみ.こ
こで,
f (0, ±2) = −4,
f (±3, 0) = 9
であるので,(x, y) = (0, ±2) で最小値 −4 を,(x, y) = (±3, 0)
で最大値 9 をとる.
(2) 条件式 g(x, y) = x2 + 2y 2 − 4 = 0 が表す領域は楕円.した
がって,有開閉集合であり f (x, y) = xy の連続性から最大最小
値をとる点が存在し,それは停留点の何れかである.停留点を
(a, b) とすると,ある定数 λ ∈ R が存在して,以下の関係式が成
立する:


g(a,
[ b) =]0
[
]
fx (a, b)
gx (a, b)

=λ

fy (a, b)
gy (a, b)

2
2

a + 2b = 4
2a = λb


4b = λa
⇔
2,3 式目を用いると,
8b2 = 2b · 4b = 2b · λa = λb · 2a = λ2 b2
⇔
b2 (8 − λ2 ) = 0
が導かれる.ここで,b = 0 とすると,a = 0 となり,(a, b) = (0, 0)
√
は条件を満たさないため不適.したがって,λ = ±2 2.このと
√
き,2 式目から a = ± 2b であり,これを g(a, b) = 0 に代入す
√
√
√
√
ると結局,(a, b, λ) = (± 2, ±1, 2 2), (± 2, ∓1, −2 2)(何れ
も複合同順) が求まる.ここで,
√
√
f (± 2, ±1) = 2,
√
√
f (± 2, ∓1) = − 2
√
であるので,(x, y) = (± 2, ±1) で最大値
√
√
(± 2, ∓1) で最小値 − 2 をとる.
3
√
2 を,(x, y) =
(3) 条件式 g(x, y) = x2 + xy + y 2 − 3 = 0 が表す領域は問 3 の結果
から楕円を回転させたものである.したがって,有開閉集合であ
り f (x, y) = xy の連続性から最大最小値をとる点が存在し,そ
れは停留点の何れかである.停留点を (a, b) とすると,ある定数
λ ∈ R が存在して,以下の関係式が成立する:


2
2
g(a,
b)
=
0


a + ab + b = 3
[
]
[
]
⇔
fx (a, b)
gx (a, b)
2a + (1 − λ)b = 0


=λ


fy (a, b)
gy (a, b)
(1 − λ)a + 2b = 0
2,3 式目を用いると,
4b2 = 2b · 2b = 2b · (λ − 1)a = (λ − 1)b · 2a = (λ − 1)2 b2 ,
すなわち,b2 (λ + 1)(λ − 3) = 0 が導かれる.ここで,b = 0 と
すると,a = 0 となり,(a, b) = (0, 0) は条件を満たさないため
不適.したがって,λ − 1, 3.これを用いると,条件を満たす点
√
√
は (a, b, λ) = (± 3, ∓ 3, −1), (±1, ±1, 3)(何れも複合同順) の
4 点.ここで,
√
√
f (± 3, ∓ 3) = −3,
f (±1, ±1) = 1
で あ る の で ,(x, y) = (±1, ∓1) で 最 大 値 1 を ,(x, y) =
√
√
(± 3, ∓ −3) で最小値 −3 をとる.
問題 5. 省略.以下答えのみ記す.
(1) (フタなしの場合) 半径と高さを同じにとる.
(フタ付きの場合) 半径は高さの半分にとる.
(2) x = y = 10.
4